Ubuntu 19.
なぜZFSをデスクトップに?
Ubuntu Weekly Topicsの2019年8月9日号でも紹介しているように,
- ※1
- 「zFS」
ではなく 「ZFS」 です。z/ OS File Systemではありません。念のため。また本記事において 「ZFS」 の機能・ 仕組みはZFS on Linuxの実装に基づいて説明します。
ZFSそのものはUbuntu 15.
- GRUBからZFSなルートファイルシステムを簡単に選択できるようにする
(※2) - LinuxカーネルのパッケージにZFSのカーネルモジュールを同梱する
(※3) - インストーラー
(Ubiquity) でZFSなルートファイルシステムを作成できるようにする
これらの対応により,
- ※2
- GRUBのZFSサポート自体は8年前のGRUB 1.
99 の時点で導入されています。その後,少しずつさまざまな機能をサポートしていったようです。 - ※3
- ちなみにZFSのカーネルモジュールは,
Linuxカーネルのバイナリパッケージをビルドする際にサードパーティモジュールのDKMSパッケージをダウンロードし, DKMSを実行して同梱しています。思わず 「いいのかそれで」 と言いたくなる対応です。ちなみにNVIDIAのグラフィックスドライバーとVirtualBox用のドライバーもこの方式でカーネルパッケージに取り込まれています。また, Ubuntu 18. 04 LTSのカーネルパッケージにもこの仕組みが取り込まれました。
UbuntuとZFSの関係やライセンスに関する話は,
ZFSは非常にメモリを使うファイルシステムです。ZFS on LinuxのFAQにも
最近ではPC用途でも8GB以上のメモリは一般的になったものの,
よってデスクトップやノートPCで
- ※4
- この記事では1台のクライアントマシンに1台
(HDD or SSD or eMMC) ないし2台 (HDD and SSD and eMMC) な内蔵ストレージデバイスを繋いでいるユーザーを 「一般的なユーザー」 と定義しています。それ以外の人はアブノーマルです。 - ※5
- 「RHELがLVM+XFS,
openSUSEがbtrfsを推しているので, UbuntuはZFSだ!」 とかそういう短絡的な発想ではないはずです。たぶん。サーバー用途ではMAASでの利用をはじめとして周辺ツールを用意すれば十分に有用なので, ZFSそのものを推すこと自体は理解できます。
とにもかくにも食わず嫌いは良くありません。今回は実際にZFSを使っていろいろ試してみることにします。あらかじめ仮想マシンか何かに,
- ※6
- 本記事では4GBのメモリと20GBのQCOW2ディスクで作成したKVMによる仮想マシンインスタンス上にインストールして動作確認しました。もちろんVirtualBoxなどでも問題なく使えるはずです。