前職を退職してから5ヶ月くらい。

期間が空いてしまい、この所、色々と当時の記憶やら何やらを忘れてきたなぁ、という感じなのですが、法務の転職の一例として参考になればと思い少し一般化しつつ書いていきたいと思います。

人は、どういうタイミングで退職を意識し出すか


いろいろな兆候(例えば同僚がどんどん辞めていく)がありつつも、自分の存在価値を信じているうちは、「この場を守ろう」と思い退職を意識する事はなかった気がします。

一方で、その「自分の存在価値」が揺らぐ出来事があったり、評価者からの覚えが良くない、遠回しに退職を勧められていると感じ始めると、途端に「このままで良いのか」という気分になります。

そして、そのタイミングで「一緒に働こうぜ!」と言われると、シンプルに「自分の価値を必要としてくれている人と働きたいなぁ」と思い、転職が成立します。


当時、「左ききのエレン」という漫画の主人公「光一」が、「俺は過ぎ去らない人になりたい」という風に、先輩、後輩など仲間たちが次々と独立いていく中、組織のことを考えて、会社にとどまるエピソードに、自分を重ねたことがありました。

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(光一とタメだし、ドラマの第一話の東京タワー側のビルの前走ってるシーン職場前だし やはり、俺は光一だったのか・・・)

人が働くモチベーションには様々なものがあり、事業への共感や、自分のキャリア、家族を養うための生計を維持できるか、一緒に働く仲間との関係。。。


どれか1つが飛び抜けていたとしても、他の要素とのバランスが崩れるとモチベーションが維持できない様な気がしますね。

自分のキャリアや、生計に関していうと、社内にキャリアパスが示されていない、ロールモデルが存在しない、管理部門のコストを圧縮する経営層の判断で、そもそも昇給が見込まれない、など。

そして、社外にはそのロールモデルがあったり、キャリアの可能性が示されていたり、管理部門の重要性を条件面でも評価する経営の判断がある場合は、そちらに流れるのもある意味仕方のないことかな、と思います。


働く仲間のことを考えると、結局、「会社は人」の集合体で、人の流れが激しい業界のケースだと、留まっていると周りがドンドン入れ替わって別の会社の様になったりして、「自分がこの会社が好き、この会社に恩がある」という時の「この会社」が、実はもう変わってしまっているんじゃないか、と思ったりします。


その辺りの外部環境はむしろドンドン変化に富むものとして基本は楽しんでいたものの、そこで一緒に戦う仲間を作るのが下手すぎたのかもしれないっすね。


心の動きで面白いなぁ、と思ったのは、自分が退職を決めた後から、それまで溜まっていた不平不満がドンドン出るというというか、解放されたかのように悪いところを見るようになるというか。
おそらく自分の判断を正当化するためにそういうスイッチが入るんですかね。
人としての、弱さを感じたりもしました。

逆の立場から考えてみる


と、同時に自分が逆の立場、マネージャー、経営層側の立場だとして、どういう風に振る舞えばいいのかも考えました。

そこで想起された言葉は「敬意を持って人と接する」というものでした。

一緒に事業立ち上げをさせて頂いたビジネス側のカウンターパートの方に退職を伝えた時から頂いた言葉が染みました。

「いつかあなたが、同じように人の上に立つ立場に立った時に、自分が今回感じたことで、自分はこうはしないようにしよう、ということを胸に刻めばきっと役に立つときが来ますよ」と。



マネジメントの手法もいくらでもあるだろうし、その経験値も人それぞれだと思うので、なかなか何が正しいとかは無く、採用などでもそうですが「人と人の繋がりはご縁」だと思うので、そこで最後は自分なりに考えた判断で、働く場所を変えることは普通にありだと思います。


「長く1つの場所で働く」こと自体が目的ではなく、自分の能力が活かせる、また、仕事を通じて自己成長、キャリアアップができる、チームとして信頼関係を構築しながら働きたいなぁ、と思います。


また、同じタイミングで退職した同僚の言葉で「とはいえこの業界は狭くて、転職も学校のクラス替えみたいなものだと思っているので、またこれからも一緒に働くことも普通にあると思うので今後ともよろしく」と。


ほんとそうだなぁ、、、と。実際今もネットを介していつでも連絡取ろうと思えば取れる距離だったりするし。

自分自身としては、もっと「つよつよ」だったら、「力があったら」とる行動も違ったかもしれないなと思ったりもします。


そこに関しては、自分自身で不足しているな、これからの時代、さらに磨いていきたいなと思うところを引き続き強化していきたいと思います。

新しい場所、新しい仲間との中でこれまでの経験をどう活かしていけるのか。そこでした成長がまた「来たるべき時」に備えるため、自分を一つ上のステージへ押し上げてくれるんじゃないかと思っています。

あとは、最後には「即戦力の男」で有名になった菊池さんがLIGからYahooへ転職したときの理由を確か「気分転換」という風に表現していて、そこが最終的にはしっくりきました。

気分転換、たまには必要だよね。



法務の転職に関する話


・法務→法務 (厳密には所属名に法務はつかないが)の転職というのが実は初めてだったりしましたが、率直に感じた感想は、法務のスキルだったり経験値って(業界が近いと尚更だと思いますが)かなりポータビリティ高いんだなぁ、ということでした。

・法務職のバックグラウンドがまた違う人と一緒に仕事をするとそれ自体が非常に学びになりますね。1人で悩んでいたことに全く違う方法で解決策があるということを気付くことも多くて。1人で煮詰まっていた部分があったんだろうなと感じました。

・テックの知見に関するものもポータビリティ割と高そうだなと思いました。

変わったこと、変えようと思ったこと



同じく他社に転職した元同僚から聞いて「本当にそうだなぁ」と思ったのが、「答えは中にはない」という言葉。社外に積極的に飛び出して、交流して、その知見を内部で展開していくことが重要という話。

どうしても、中に篭りがち(そういう精神状態だったり、そもそもその余裕すらない状態)だったなぁと反省していて、その反動で最近はよく社外に出る機会があったら出る様にしています。その方が面白いし、気分転換にもなるしね!!!


まだまだ法務は面白い


つっても、私社会人経験も実はまだ8年くらい(まだなのか、もうなのか)。

法務職的に仕事をしているのもまだ5年もないくらいですかね。何となく、結構仕上がった様な勘違いじゃないですが、「法務はどうあるべきか」という話ももちろん重要ですが、これまでの経験値、経験知をベースに新しいことに挑戦したり、違う角度で法務に取り組んだりしていきたいですよね。

そこで、割と親和性の高いテックの部分とかも随時活用しながら? そして、ネットがどんどん実生活に根付いて行って、社外の交流もしやすい世の中になっているじゃないですか! 会社、法人という括りは今も人の人生の重要な要素であることは間違いないものの、いい意味でそこに囚われすぎずに、フラットに力を蓄えていきたいなぁと思います。


そして、テックの価値を無批判に信じがちな自分に対して「つーかそれ、そんなに意味あるのか?」という率直な感想をくれる同僚からは、新鮮な気づきをもらったりしています。

ちなみに、この記事は法務系 Advent Calendarの3日目の記事です。裏の1日目を書いて、まだ多分2日も経ってない気がするんですよね。
4日目はkataxさんとのコンビ名 「カタ アンド ヒロ」で有名なhiro_oceanさんです!