[速報] AWS re:Invent 2019 Andy Jassy Keynote で発表された新サービスまとめ #reinvent
こんにちは、菊池です。今年もre:Invent 2019 キーノートではたくさんの新サービス/新機能が発表されています。
随時更新中!
AWS re:Invent 2019、12/3(現地時間)に行われた Andy Jassy Keynote で発表された新サービスの記事をまとめます。
インフラストラクチャ
新しい EC2 インスタンスタイプ M6g/R6g/C6g
EC2の新しいインスタンスタイプである、M6g/R6g/C6gが発表されました。M6g/R6g/C6gは、AWSがカスタムして提供するArmベースのCPUであるGraviton、その新世代であるGraviton2を採用したインスタンスタイプです。
機械学習推論向けインスタンス Inf1
Inf1インスタンスは、機械学習の推論を実行することに特化したインスタンスで、クラウド上でもっとも高速に推論が可能なサービスとのことです。機械学習サービスのコストのうち、一般に推論がしめる割合が非常に高いため、その課題に対応するためのインスタンスタイプとなるようです。
AWS Transit Gateway Multicast
TGWにアタッチされたVPCのサブネット間のマルチキャストトラフィックのルーティングをサポートしました。インスタンスが複数の受信待ちインスタンスへトラフィックを送信するためのマルチキャストルータとして動作します。
AWS Accelerated Site to site VPN Connections
AWS Accelerated Site to site VPN Connections(以下、accelerated VPN connectionと記載)はサイト間VPNのオプションであり、AWS Global Acceleratorを利用してオンプレミスネットワークからのトラフィックをAWSのエッジロケーションに向ける機能です。
AWS Transit Gateway inter-Region Peering
Transit Gateway inter-Region Peeringとは、2つのTransit Gatewayをピアリングしてルーティングすることが可能になる機能です。
- 別のアカウントのTransit Gatewayや、別のリージョンのTransit Gatewayを指定することが可能
- 通信トラフィックがグローバルなAWSバックボーンに留まりパブリックインターネットを通過しない
- 将来のルート伝播機能を利用するために、Transit Gatewayには一意のASNを指定することを推奨
AWS Transit Gateway Network Manager
AWS Transit Gatewayで作成した環境を、視覚化および監視できるようにしたものが、 AWS Transit Gateway Network Managerです。
コンテナ
Amazon Fargate for Amazon EKS
- EC2インスタンスのパッチ当て、スケーリング、セキュア化に時間を割く必要がありません。
- Fargeteのサーバーレスメリット、EKSベストプラクティス、k8sの開放性(を享受できます)
- AWS上でコンテナを動かすにあたり4つの選択肢があります。 (ECS on EC2 / ECS on Fargate / EKS on EC2 / EKS on Fargate)
ストレージサービス
Amazon S3 Access Points
Amazon S3 Access Pointsを用いることでアクセスポリシーを記述したセキュアなアクセスポイントを発行することができます。VPC内からのアクセスのみ許可するようなアクセスポイントを発行できたりします。
データベース
Amazon Managed(Apache)Cassandra Service
スケールに対応した分散KVSとして代表的なApache Cassandraが、ついにマネージドサービスのひとつとしてAWSでサポートされます。DynamoDBへの移行が簡単でないアプリケーションの管理者には福音ではないでしょうか。
Amazon UltraWarm
UltraWarmはAmazon Elasticsearch ServiceにHot-Warm層を設ける、新しいアプローチのサービスです。最大900TBものHot-Warm層を設けることで 90%ものコスト削減を実現すると述べられています。
データ分析
Amazon Redshiftの次世代ノードタイプRA3
次世代ノードタイプ『RA3』の特長は、ストレージに「SSD Cache」と「S3」の2つのストレージ組み合わせた構成です。具体的には、参照する頻繁が高いデータブロックはコンピュートノード本体のSSD Cacheにつねに保持して、更新・追加が生じたデータブロックはS3に保存します。
Amazon Redshiftでマテリアライズドビューをサポート
マテリアライズドビューは一言で表すと「データを持つデータベースビューオブジェクト」です。リレーショナルデータベースには古くからあるポピュラーな機能で、「マテビュー」あるいは「MV」などとも呼ばれています。
Amazon Redshift Federated Query
RDSとAurora PostgreSQLのテーブルにRedshiftから直接アクセスできるようになりました。所謂、RedshiftからPostgreSQLに対してデータベースリンクする機能です。
Amazon Redshift の新機能「Data Lake Export」
今までRedshiftは、Parquetファイルの読み込みに対応していましたが、 UNLOADではParquet形式に対応していませんでした。「Data Lake Export」を使うことで、より手軽にParquetフォーマットへの出力が可能になりました。
AQUA(Advanced Query Accelerator)for Amazon Redshift
AQUA(Advanced Query Accelerator)は、Amazon Redshiftが他のクラウドデータウェアハウスよりも最大10倍高速に実行出来るようにするために用意された、新しい分散型ハードウェアアクセラレーションキャッシュです。
AI/機械学習
Amazon SageMaker Notebooks
これまでNotebook Instancesを自分で作成して利用を行う必要がありました。また、利用が終了したらNotebook Instancesも停止を自分で行うため少々手間がかかりました。これからは使用したいときにワンクリックすることでJupyterNotebookを数秒で利用を開始できます。
Amazon SageMaker Studio
SageMakerのWebベースのIDEです。
- NoteBookの管理
- トレーニングモデルの管理
- ジョブの管理
- デバッグの管理
- トレーニングの分析、アラート
- モデルのモニタリング
- アルゴリズムの選択
- データセットの前処理
- モデルのチューニング
など、SageMakerの使えるあらゆる機能をこのSageMaker Studioから操作できます。
Amazon SageMaker Processing
Amazon SageMaker Processingは前処理と評価処理の部分を担ったサービスです。これまでの場合、前処理や評価処理の部分については別で用意する必要がありましたが、Amazon SageMaker Processingを利用することでAmazon SageMakerに統合することができます。また、検証時においてもノートブック環境で実行するには時間がかかりすぎる、重たい処理をAmazon SageMaker Processingに任せることもできます。
Amazon SageMaker Experiments
機械学習のモデルバージョンを整理、追跡、比較、評価できるAmazon SageMakerの新しい機能です。できるだけ簡単にExprerimentを作成し、Traialを投入し、TrialとExperiment全体で分析の実現します。
Amazon SageMaker Debugger
Amazon SageMaker Debuggerは、TensorflowなどのFrameworkでの学習時にログに出てくるメトリクスを自動でSageMakerが収集してくれます。
Amazon SageMaker Autopilot
機械学習のプロセスを完全に制御ししながら、最適な分類および回帰の機械学習モデルを自動的に作成できます。
Amazon SageMaker Model Monitor
Amazon SageMaker Model MonitorはAmazon SageMakerのエンドポイントをモニターします。SageMaker上で動作するあらゆるタイプ(組み込みアルゴリズム、組み込みフレームワーク、または独自のコンテナでトレーニングされたモデル)をモニタリング対象とすることができます。
- 機械学習モデルのドリフトを自動で検知
- 1クリックでモニタリングを開始
- ドリフトが検知されると、開発者にアラートをあげることができる
- トレーニング時に使用したデータから統計のベースラインを作成
- ベースラインと実際に推論に使用したデータの比較
- Amazon SageMaker Studioを使用したモニタリング結果の可視化
Amazon Fraud Detector
Amazonが長年ECサイトを運営するなかで培われてきた不正検出の知見がサービスとして提供されることになりました。
Contact Lens for Amazon Connect
Amazon Connectで行われた通話情報を解析し、テキストに書き起こしするフルマネージドサービスです。
- Connectの画面からワンクリックでアクティベート可能
- 顧客の通話を自動的に書き起こし & 分析し、以前に録音した通話を書き起こす
- スピーカー検出で全文転写を入手、既存のソリューションの2倍の精度
- 感情、長い沈黙、およびエージェントと顧客が互いに話し合っている時間を分析
- キーワード、フレーズ、分析基準についてすべての文字起こしを検索
- 通話が行われているときに、ほぼリアルタイムで文字起こしを確認できる
Amazon Kendra
Kendraは、マシンラーニングを使ったエンタープライズのための検索サービスです。
- 社内に散らばったデーターをKendraで統合し共通のインタフェースを使って検索できる
- 検索結果に対するユーザーからのリアクションを元に、検索機能が最適化される(バックエンドでマシンラーニングが実行される)
コードレビュー自動化
Amazon CodeGuru
CodeGuru は機械学習に最適なパフォーマンスと、ベストプラクティスに沿ったコードをユーザに提供するための自動化されたコードレビューサービスです。以下の2つの機能を提供します。
- CodeGuru Reviewer
- CodeGuru Profiler
ロケーションの拡張
AWS Outposts
AWSから提供される物理ハードウェアをお客様環境(オンプレミス)に設置し、AWSを拡張するサービスです。AWS OutpostsはAWSのデータセンターのアーキテクチャ、つまりNitro Systemで設計されています。またオンプレミスと物理的な線での接続、近距離のロケーションに配置することで超低レイテンシーを実現します。
AWS Local Zones
Outposts と同じく、レイテンシに関して非常に厳しい条件がある場合向けのサービスとなります。
異なる点としては、Outposts は 「AWSから提供される物理ハードウェアをお客様環境(オンプレミス)に設置」する事に対して、Local Zones は「AWSが特定のエリアに展開しているインフラを使用する」サービスです。
AWS Wavelength
超低遅延が求められるモバイルアプリケーションを、キャリア網内の5Gネットワークのエッジにデプロイできるサービスです。
キーノート以外での発表
キーノート以外でもたくさんの新サービス/新機能が公開されています。
AWS Compute Optimizer
AWS Compute Optimizerは、EC2で利用しているリソース利用状況に対し機械学習を行い、推奨事項を表示します。同じファミリー内のインスタンスサイズの提案だけではなく、別のファミリーの提案も行います。また、推奨事項はCloudWatchを利用し、仮想マシンレベルでのCPU使用率、ディスクIO、ネットワークIOなどのメトリクスを参照します。
Amazon Detective
潜在的なセキュリティ問題または疑わしいアクティビティの根本原因を簡単に分析、調査、および迅速に特定できます。Amazon Detectiveは、AWSリソースからログデータを自動的に収集し、機械学習、統計分析、グラフ理論を使用して、データのリンクセットを構築します。これにより、より迅速かつ効率的なセキュリティ調査を簡単に実行できます。
最後に
今年のキーノートでもたくさんのサービスが公開されました!
これからガンガン触って機能を紹介していきますのでお楽しみに!また、明日以降もまだまだ新サービスが登場すると思いますので、期待しましょう。