小説『空席のある教室』が「R18相当」と指定されました件についての当方の見解を申し上げます。

2019年 04月24日 (水) 09:27


 私の小説『空席のある教室』が4/23(火)に、小説家になろう運営から「R18相当」の指定を受けました。

 以下に運営側からの通知メールの一部を抜粋します。

《いつも小説家になろうをご利用頂き、ありがとうございます。
小説家になろう運営です。
本日(略)投稿されている作品内におきまして、利用規約第14条6項に抵触する部分を確認致しました。
■当該小説
タイトル:空席のある教室
当該小説を確認致しました結果、
・18歳未満の閲覧に不適切と判断される性描写が存在すること
以上の点におきまして、当該小説1点をR18相当であると判断致しました。》

 具体的な該当箇所について、運営側からの指摘はありませんでした。
 よってもし対応するならば運営側の意向を当方が忖度せざるをえず、それが忖度にもとづくものである以上、対象は際限なく作品全編に及ぶものとなりうるところとなります。

 小説家になろう運営の指摘する、当方作品が抵触しているおそれのあるとされている、利用規約第14条6項とは以下のようなものです。

《・利用規約第14条6項
わいせつ(小説家になろうのガイドラインに抵触するものを含む)、児童ポルノ又は児童虐待に相当するテキスト等の情報(以下、本号において「これらの情報」といいます)について、次に掲げるいずれかの行為を行うこと。
(ア) これらの情報を投稿又は表示する行為。
(イ) これらの情報を収録した媒体を販売する行為。
(ウ) これらの情報を収録した媒体の送信、表示、販売を想起させる広告を投稿又は表示する行為。》

 もしご一読いただけていたとしたら明らかにご理解可能と思いますが、当作品はいささかも「わいせつな性的描写、およびそれによる扇情」を目的とするものではありえず、「15歳未満の人間」が現実に直面しうる諸問題をささやかながら提起するのが意図するところであり、まさにその年齢にある人が現実にそのような場面に立ち会ったとしたらどうするべきかを問いかけるものであるとこころえます。
 また、描写についても一般でなされている以上に慎重に直接的な表現を抑える配慮を施したところです。もしこれが指摘にあたるようなものであるならば、大江健三郎も村上春樹もカズオイシグロも、一様にポルノ作家であるということになりえます。

 小説家になろうガイドラインには以下のような記述があります。

《R18描写については一般書籍や漫画とは異なる判断を行なっております。
一般書籍等で見られる描写であっても、小説家になろうではR18相当と判断するものもあります。》

 「一般的な基準」を超えた判断を適用するというのであれば、それは運営側の主観・恣意にもとづくものともなりかねず、投稿者側とすればこれもまた運営側の意向を忖度して際限なく自主規制することにもなりうるところとなり、そのような判断にもとづく措置はまさしく戦前のような検閲につながりうるものと懸念されます。

 以上の見地に鑑み、当方としては小説家になろう運営側からの指摘は不当かつ不見識なものと考え、その要求である作品の改稿など対応は一切とらないことといたします。

 よって私の小説『空席のある教室』は、小説家になろう運営の通告によれば5/7(火)をもってサイトより削除されるものと思われます。

 また、現在連載中の『不十分な世界の私』は最終更新分をもって小説家になろうサイトへの投稿を停止いたします。加えて今後の新作などについても同サイトへは掲載いたしません。

 現在発表分の作品ならびに今後の更新状況につきましては、note、カクヨム、ピクシブなどをご参照ください。

 よろしくお願い申し上げます。

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