いかにも彗星! だけど、とにかくデカい。
ハワイの望遠鏡が、2l/Borisovことボリソフ彗星の近接写真を撮影しました。これは我々の住む太陽系外からやって来た、2番目の恒星間天体です。トップ画像左が今回撮影された星間彗星2l /ボリソフの画像。右は、サイズ確認のために同スケールの地球を合成したものです。
イェール大学の学者たちが撮影
プレスリリースによりますと、この素晴らしい写真は、ハワイにあるケック天文台に設置された低解像度画像分光計によって撮影されたものだとのこと。
2019年11月24日、イェール大学の天文学者ピーテル・バン・ドックカム教授、院生のチェンハン・シェイ氏、シャニー・ダニエリ氏、グレゴリー・ラフリン教授がこの画像を撮影しました。
我々の太陽系を通過してまた去ってしまう
恒星間彗星ボリソフは、太古の昔に遥か遠い太陽系で誕生しており、恒星系内でわずかに惑星と衝突したあと深宇宙へと旅立つことになったと考えられています。現在、この彗星は太陽系を気持ちよく移動していますが、すぐにまた恒星間空間に戻ってしまいます。
ボリソフ彗星は12月下旬に地球に近付きますが、その距離は2億8400万km以上になるようです。太陽に最も接近するのは12月8日で、その日は火星と木星の間の小惑星帯に接近します。新しい画像が示すように、彗星はすでに太陽の影響を受けており、大量のガスや塵を放出しています。
尾の長さは地球の14倍
イェール大学の天文学者たちは、地球と彗星を並べて表示する合成画像も提供しました。そこにはとにかく巨大な光輪と尾(コマと呼ばれる星雲状のガスや塵)が見られます。
尾自体の長さは約16万kmで、地球の大きさのおよそ14倍にもなるのだそうです。一方、この彗星の固い核は幅0.7kmから3.3kmの間くらい。比較的小さなサイズの天体なのに、けっこう派手な宇宙花火なのです。
オウムアムアはよくわからんかったけど
星間彗星ボリソフは、今年の9月に初めて発見されました。これは記録されている2番目に知られている星間天体であり、もうひとつは2017年10月19日に発見されたオウムアムアとなっています。天文学者たちは、あまり輝かず薄暗いオウムアムア をよく見ることができず、それが彗星なのか、小惑星なのか、それとも何か別のものなのか結局なんだかわかりませんでした。
しかしボリソフ彗星は、この最新の写真から明らかなように、間違いなく彗星であることがわかります。
今後の発見と研究に期待
ボリソフやオウムアムアのような天体を研究することによって、天文学者は私たちの太陽系以外の太陽系で形成された惑星、彗星、小惑星の基本的な構成要素をよりよく理解することができるようになります。
そして驚くべきことに、今後数年のうちに同様の発見があると天文学者たちは予測しています。また「エイリアンの母船だ」なんて説が飛び出すようなヘンテコ天体がやってくるとおもしろいんですけどね。
Source: YaleNews, Cornell University, EarthSky
Reference: Wikipedia