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【競馬・ボート・競輪】

[競馬]チャンピオンズC 無敗砂王クリソベリル6連勝 古馬一蹴

2019年12月2日 紙面から

直線でゴールドドリームなどをかわすクリソベリル(右)=中京競馬場で

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 「第20回チャンピオンズC」(GI・ダート1800メートル)は1日、中京競馬場で行われ、2番人気のクリソベリルがゴール前の叩き合いで1番人気のゴールドドリームに首差競り勝ち、デビュー6連勝でJRA・GI初制覇を飾った。川田将雅騎手(34)=栗東・フリー、音無秀孝調教師(65)=栗東=は、ともに同レース初勝利。3着は逃げたインティが粘った。

 3歳にして、隙は皆無。これまでダート界でしのぎを削ってきた古豪猛者の壁を、若武者クリソベリルが鋭い刃を切り入れ、見事に突き破った。無傷6連勝、チャンピオンズCレコードで、完全なる世代交代に成功。ダート古馬GIでは史上初となる無敗戴冠を成し遂げ、令和初代ダート王に輝いた。

 「スタートを上手に出てくれたし、とてもリズム良く走ってくれた。最後は両サイドが素晴らしい馬で、なかなか前に出ることは難しかったですけど、自分で抜け出してくれました。改めて強いと思いましたね」と手綱を取った川田は、期待に応えたパートナーを称賛した。逃げ馬インティの直後で息を潜め、直線はラスト100メートルで、ゴールドドリームとの間に鼻先を突っ込む。ここからが無敗馬の真骨頂。優れたパワーと勝負根性を発揮して、両GI馬の間を割って出た。

 川田にとっても二つの壁を乗り越えた。まずは今年のJRA初GI。2着5回、3着4回と、惜しいレースが続いていた。「勝つという結果を得られず、申し訳ないと思っていた。ここでクリソベリルが勝ったことをありがたいと思います」と終止符を打って胸をなで下ろす。

 もう一つがJRAダートGIの初優勝。地方のJpnIは、ほぼ半分勝ってるが、中央は不思議と縁がなかった。これらをクリアしてくれたのは「圧倒的なポテンシャルがある」と、川田が絶大な信頼を寄せる最強パートナー。JBCクラシックを制したチュウワウィザードの主戦でもあったが、もう夏の段階で、クリソベリルに乗ることを決めていた。

 「堂々とした乗り方をしてくれたし、着差以上の強さがあった。前走後の2カ月ですごく成長したね」と音無師も強豪古馬撃破にさらなる自信を深める。今後は東京大賞典に使わず放牧に出し、2週間のうちに、今後の指針を表明する見込み。「フェブラリーSは距離が短いし、ここまで来たら春は海外へ行くしかないかなと思う」とトレーナーは世界を視野。アメリカか、ドバイか、サウジアラビアか。いずれにしろ、この無敗3歳馬には、日本のダート界に革命を起こせるだけの、夢と可能性が詰まっている。 (黒柳勝博)

 

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