欧州ツアーの2019―20年シーズンは先週、南アフリカで開幕した。初戦のアルフレッド・ダンヒル選手権では、ゴルフ界初めての試みが実施された。「試合日も短パンの着用」が認められたのだ。プロたちが生足を出してフェアウエーを闊歩(かっぽ)する見慣れない風景が4日間、続いた。
同大会は熱波に見舞われ、気温は40度近くになる予報だったため、その対策として欧州ツアーが短パン着用を解禁した。同ツアーでは16年から、練習日とプロアマ戦では短パン着用が許可されている。ただし、試合が始まると長ズボン着用が規則で、これは米ツアーでも同じだ。しかし、温暖化の影響もあるのだろう。「昨今の暑さは選手の健康状態が心配される」という声は少なくなかった。
「これはゴルフを変える画期的なこと。長い間論争になってきたが、正しい方向に向かっている」とアーニー・エルス(南アフリカ)。今大会は特別措置だったが、選手はみな大歓迎していた。今後も状況に応じて解禁されることが多くなるとの見通しで、選手は「いずれは米ツアーでも」と導入を希望する。
ここで気になるのは、来年の東京五輪だ。マラソンの開催場所が札幌に変更されたほどだから、ゴルフも猛暑が懸念される。もし短パンが許可されたら暑さ対策だけでない。カジュアルで格好良い選手の姿は、新たなゴルフファンの獲得になるかもしれない。一考の価値は大いにありそうだ。
(全米ゴルフ記者協会会員)