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【大リーグ】

17年世界一はく奪やヒンチ監督の1年間出場停止の厳罰も…メジャーはFA市場よりアストロズの「スパイ行為」の解明捜査が注目[AKI猪瀬コラム]

2019年12月3日 21時52分

今年のワールドシリーズでは敗退したアストロズ

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 今週はサンディエゴで開催される「ウインターミーティング」の取材に行きます。現地では、メジャー挑戦を表明している日本人選手の動向や大物FA選手の移籍先情報などを取材予定です。ただ、米国内では現在、FA市場の動きよりもアストロズの「スパイ行為」の解明捜査が最も注目を集めています。

 世界一に輝いた2017年に在籍していたファイアーズ投手(現アスレチックス)の「当時のアストロズは禁止されている電子機器を使ったサイン盗みをしていた」との発言で、一気に火を噴いた「サイン盗み疑惑」。MLBの捜査が本格化すると、ゴールドスタインGM特別補佐から配信されたメールの中に「どの場所にカメラを設置すれば、効率的にサインを盗めるか」などの核心的な文言が複数発見されるなど、疑惑は確証へと変化しました。

 その方法は、センター後方に設置された小型高性能カメラで相手捕手のサインを盗み、ベンチからゴミ箱をたたく音で打者に伝達するというものです。この方法について、アストロズは17年のシーズン中に3カ月間だけ実行していたことを認めています。ただ、ゴールドスタインGM特別補佐の指示で、スカウト部門の大半のスタッフがサイン盗みの実行部隊として動いていたことも解明されました。そうなると、「3カ月間だけ」という言い分を信じる人はいないでしょう。

 今後は17年以降についてもMLBの捜査が続けられ、来季開幕前までに全貌を明らかにする予定です。マンフレッド・コミッショナーは「捜査が終わり次第、アストロズには相応の罰を下す」と発言。マンフレッド体制では、他球団のデータベースを球団職員がハッキングしたカージナルスに対してドラフト上位2位指名権のはく奪と200万ドルの罰金を与え、中南米系選手との契約違反を起こしたブレーブスに対しては中南米系選手との契約を1年間凍結する罰則を与えています。

 今回のアストロズの件は、それ以上のペナルティーになることが確実なので、ヒンチ監督に対する1年間の出場停止処分や17年の世界一はく奪など、重大な罰が検討されています。(大リーグ・アナリスト)

 

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