汚染水の浄化処理
汚染水に含まれる放射性物質によるリスクを低減させるため、まずは、セシウム吸着装置を使い、汚染水に含まれる放射性物質の大部分を占めるセシウムとストロンチウムを重点的に取り除きます。
その後、多核種除去設備(ALPS)で処理することによって、トリチウム以外の大部分の放射性核種を取り除くことができます。
※事故当初に発生した、ストロンチウムを含む高濃度汚染水(RO濃縮塩水)については、2015年に浄化処理が完了しています。
汚染水を浄化した「処理水」に関するデータ・情報については処理水ポータルサイトをご覧ください。
トリチウムとは
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トリチウムは普通の水素に中性子が2つ加わった水素の仲間で、三重水素とも呼ばれます。水素とほぼ同じ性質を持っており、主に水として存在し、自然界や水道水のほか、私たちの体内にも存在します。ベータ線という弱い放射線を出しますが、そのエネルギーは小さいため、紙1枚で遮ることができます。日常生活でも飲水等を通じて体内に入りますが、新陳代謝などにより、蓄積・濃縮されることなく体外に出ていきます。
タンク保管状況
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セシウム吸着装置や多核種除去設備で処理した水は、敷地内のタンクに保管しています。現状、敷地内には、約900基のタンクがあり、 およそ約110万トンの水を保管していますが、タンクからの漏えいリスクを低減させるため、震災直後に使用していた組み立て式のフランジ型タンクから、順次、より信頼性の高い溶接型タンクへの切り替えを進めています。さらに、タンクの周辺に堰を二重で設けるなど、万が一漏えいした場合においても、敷地に流れ出ることを防いでいます。
浄化処理した水について
多核種除去設備等で浄化処理を行った水の扱いについては、国の委員会等で技術的かつ社会的な観点等から議論頂いております。当社は、このような議論を踏まえて、地元のみなさまともご相談しながら、検討を進めてまいります。