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【政治】

桜を見る会 首相説明不足、幕引き図る ジャパンライフ元会長と面識否定

 安倍晋三首相は二日の参院本会議で、二〇一五年に首相主催の「桜を見る会」に招待され、悪質なマルチ商法を展開していた「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長について「個人的な関係は一切ない」と話し、面識を否定した。廃棄したとしている招待者名簿の電子データについては「復元は不可能」と語った。九日に閉会する予定の今国会で、首相の答弁はこの日が最後となる見通し。首相は数々の疑惑について説明責任を果たさず幕引きを図る。 (川田篤志)

 元会長は、首相らの推薦枠で招待されたことが内閣府の内部資料で判明している。首相は元会長とは「多人数の会合で同席した可能性は否定しないが、一対一で会ったことはない」と強調。妻の昭恵氏とも面識はないと説明した。同社が桜を見る会の招待状を、会社の信用を高めるために利用していたことは「容認できない」と語った。

 内閣府が今年の招待者名簿を、共産党議員から資料要求があった日と同じ五月九日にシュレッダーで廃棄したことについて、首相は資料要求に先立つ四月二十二日に廃棄の予約が入っていたと説明。廃棄により隠蔽(いんぺい)を図ったとの指摘に「資料要求とは全く無関係だ」と反論した。

 首相は、桜を見る会を廃止する可能性について「現時点で考えていない」と否定した。招待者が増加し、支出額が予算を超過したことについて「支出の詳細は承知していなかったが、結果的に望ましいものではなかった」と陳謝した。

 コンピューターの管理に詳しい上原哲太郎・立命館大教授(情報セキュリティー)は本紙の取材に、データ削除後も一部の細かいデータがサーバーに残っている可能性を指摘する一方、削除から半年以上が経過しているため「復元はかなり難しい」と話した。

 

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