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小説家になろう あなたが信じる『評価数』・『ブックマーク数』を――『ぶっ壊す』。2016改訂版 作者:森永ピノ子
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深海――底辺作家が住む世界

 小説家になろう深海世界――。

 ここには私を含め、沢山のお魚さんたちが棲んでいます。

 お魚さんたちはいつも水圧にいじめられ――。

 呼吸困難で口をパクパクさせながら、見えない海面から餌が落ちてくるのを、ひたすら待っています。


 まずはこの深海――いわゆる底辺作者たちが住む世界がどういうものなのか、ダイジェスト方式で説明しましょう。


「おもちろーい!」

 読者さんが船の上から『評価ポイント』という名の餌をぽいぽい投げます。

「ポイント&ブクマおいちいいいいいっ!」

 水面にいる“でかい魚”に、ほとんどの餌を喰われます。

「もらったぁぁぁっ! ザプーンッ!」

 さらに中間層にいる魚に餌を取られ、

「「え……?」」

 深海魚(Me & You!)には、まったく餌が届きません。

 はい、餌タイムは終了です。――本日もおつかれさまでした。


「「……」」

 なんというか……番付がすべての『相撲の縦社会』のような世界です。

 横綱が『ちゃんこ鍋』食べて、次に大関がむしゃむしゃと食べて……(省略)

 最後にあなたと私が、鍋にこびりついたものを食べるみたいな場所です。


 大抵が遅かれ早かれ、お腹が空いて動けなくなります。

 執筆活動する為のエネルギーが足りなければ、作品を生み出すための『原動力』が生まれなくなるのです。

 つまりはガソリンがなくなった車と同じです。


「競争社会だからしょうがないね」

 その言葉で片付けるのは、非常に簡単です。

 ランキング形式を採用しているこのサイトには、深海にはポイントが流れてこない……という法則があります。

 すなわち、お魚さんたちによる『餌』の奪い合いです。


「ブックマークがほしい……」

「評価がほちい……」

「感想がほしい……」


 他者よりも一歩先に……。

 二ポイントでも多くの餌を……。

 苦しめば苦しむほど、こんなことしか考えられなくなります。


「もう駄目だ俺は人間をやめるぞッ! ――やめた」

「あたちもやめるーッ! ――もう何も怖くない」

「落ち着けおまえら! ――感想欲しいから僕もやーめたッ!」


 そして――。


「コーホーッ……」

 フォースの暗黒面に堕ちたアナ○ン・ス○イウォーカーのように、ダークサイド――否、ダウンロードサイトへと向かいます。


 さあ、準備はできましたかアナ○ンさん?

 それでは、あなたに真のフォースの使い方を教えましょう。


 評価ポイントやブックマークを増やす方法……実に簡単です。

 有名なのは下記のふたつになります。


 1.複数アカウントを使って自作を評価しポイントを水増しをする。

 2.相互クラスタの仲間入りをし、互いに評価しあう。


 これが小説家になろうを攻略するための、正攻法では絶対に勝てない方法です。

 大体50Pt取れば、ジャンル別で日刊一位は取れるのですが……常にこの方たちがランキングにドヤ顔で居座っています。

 しかも占拠するだけでは飽き足らず――。

 気に入らない相手や、群れを形成していない弱い人をみつけると、ありとあらゆる手段を使って(おとし)め、スズメバチのように集団で中傷攻撃を仕掛けてくるのです。


 どうして――なぜそこまでするのか。


 もちろん評価とブックマークを増やし、やがては書籍化したいからです。

 邪魔なライバルを蹴落とし、たとえBANされる危険があろうとも、光も当たらない深海で過ごすよりは……つまらない誇りなど捨てて、チャンスを手に入れたいと考えているからです。


 これはそんな暗黒面へと堕ちた、ひとりの作者の物語……。


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