11月23日の「サワコの朝」のゲストは、エッセイストの内田也哉子さん。母は樹木希林さん、父は内田裕也さん、夫は本木雅弘さんという芸能一家としても知られる也哉子さん。しかし、去年９月に最愛の母・樹木希林さんが他界。その後を追うようにして今年３月には、父の内田裕也さんも亡くなられました。生前は夫婦喧嘩が絶えない二人だったといいますが、実は…。樹木希林さんが、最後まで伝えたかったことを、娘の也哉子さんが語ってくれました。

「ありがとう」を３回...母・樹木希林との最期
「とにかく自分のたった1人の母親でありながら、とても親密なお別れができなかった」と、母・樹木希林さんとの最期を語る也哉子さん。「母は、元々家で死ぬことを目指していたんです。でも、あまりにも（身体の）状況が状況なので家に帰れないと思っていたのですが、本人が"私、もうそろそろ帰ろうと思う"って言うからお医者さんに申し上げたら、"よくご本人がわかりましたね。このタイミングを逃したらもう帰れませんよ"と言われました」と、何かを察知した希林さんの働きにより今しかないタイミングで自宅に戻ったことを明かしました。「元気な時から直感力が鋭い、ナイフのような直感力で生きてきたんですけど、最後の最後にあんなに疲れた状態でもなお、気配っていうものがしたんでしょうね」と母の知られざるパワーに驚かされたといいます。

１階に希林さん、２階、３階に也哉子さん一家が暮らす二世帯住宅に希林さんが帰宅したその日。母との会話を終え２階に上がろうとした也哉子さんは、「母に呼び止められた」とその時のことを回顧し、「"ありがとう"と３回言ったんですね。今までそんな事なかったので"ちょっと気持ち悪いからやめて"って言ったの」と言うと、それから３時間程経った夜中に看護師から"様子がおかしいので降りてきてください"と電話が来たといいます。そして、「真っ先に（内田）裕也に電話をかけた。本名が啓子っていうんですけど"啓子、しっかりしろ"と電話口で声をかけたら、孫の手をぎゅ〜っと握った。（内田さんの）声に凄く反応してた」と夫婦の最期について明かすと、「初めて内田家として一体感があった。寂しいけれど温かい瞬間だった。こういうことを母は目指していたんだなと」と、自宅での最期を希望した母の真意がわかったといいます。

激しい喧嘩で包丁が...！？也哉子さんが語る両親の素顔
「うちは、喜劇と悲劇が常に混在しているので」と内田家を語る也哉子さん。自身が生まれる前には、別居していた両親について「あまりにも喧嘩が激しくて包丁が何度も欠けるような日々だったんです。俗に言うD Vとはちょっと違うみたいで。母の場合は、やり返してたので（笑）」と言うと「自分の子供を守るっていう意味で、自分でマンションを買って"どうか出て行ってください"って（父に）鍵を渡したと言っていました」と、別居に至った経緯を説明。「でも、母らしいのは、ちゃんと住まいも用意してお父さんというポジションも確保しつつ出した。不思議ですよね。一切父親の悪口聞いたことがないです。気配もない。もう、立派なお父さんっていう感じ」と、激しくぶつかり合いながらも旦那様を立てる気質だった妻・樹木希林だったことを明かしました。

幼い頃は、年に一度、父の日に1人で内田さんに会いに行っていたという也哉子さん。「母と一緒に行ったら喧嘩するだけですから。１分もいられない。親が揃うことが本当に嫌でした」と振り返ると、思春期には怒りが母に向いたといい「何であれが立派な父なんだ！」と、教えと実像が異なる事に猛反発したと告白。すると母から「じゃあ、ちゃんと話しましょう」と切り出され、当時は理解不能だったと前置きした上で「自分は、最初にとても幸せな結婚をした。その時に幸せってものが息苦し過ぎて離婚して解消した後に生きること自体に絶望した。父のような破天荒の代名詞のような予測不可能なカオスに出会った時に、この人と一緒にいればブラックホールを紛らわすことが出来ると思ったんですって」と、母・希林さんから聞いたという、周りには到底わからない深い深い二人の関係について話してくれました。

「サワコの朝」はインタビューの達人・阿川佐和子が土曜の朝に素敵なゲストを迎えて送るトーク番組です。MBS/TBS系で毎週土曜あさ7時30分から放送中。ゲストの心に残る音楽と秘蔵トークをお楽しみに！

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