本格的なルーは簡単に作れた!
みんな大好き、クリームシチュー。でも、ルーから手作りするなんて考えたこともない人が多いのではないでしょうか。実は、ものすごーく簡単なんです。同量の小麦粉とバターを炒めて、水分でのばせばいいだけです。
クリームシチューはミルクを使うのが一般的ですが、今日は牛乳を水にかえて軽やかに作ります。小麦粉とバターと水だけで作ったルーは、香ばしい小麦とバターの香りがして、なんともいえずやさしい味。ここに、かぶと鶏肉を加えれば、ほんとうに簡素な、いわば「シチューの骨組み」みたいなシチューができあがります。これだけでも、十分においしいのです。
このルーの作り方を一度覚えてしまえば、クリームシチューは自分のもの。いくらでも展開が効いて、好きな時にクリームシチューやクリームスープが食べられます。ぜひ、トライしてみてください。
かぶと鶏肉のシンプルシチュー
材料(2~3人分) 所要時間25分
かぶ 中4個
鶏むね肉 200~250g
バタ― 30g
小麦粉 大さじ3
塩 小さじ1
胡椒 少々
水500mL
作り方
1.ルーを作る
鍋を中火にかけバターを溶かし、泡が立ったら小麦粉を一度に加える。
へらなどでよく混ぜながら、2分~2分半ほど加熱する。うっすら色がついたら火を止める。
水500mLを、少しずつ加えては混ぜ、ルーをゆるめていく。★1
2.材料を切る
鶏むね肉を3cm角ぐらいに切り、塩小さじ1をしっかりまぶしつける。
かぶは葉と尻尾を落とし、皮つきのまま1/4個に切る。(大きなものは1/6個に)
葉は1個分ぐらいを3cmぐらいに刻んで、ラップにくるみ、レンジに1分かけておく。★2
3.かぶと鶏を煮る
1の鍋を中火にかけ、煮立ったらまずかぶを入れて10分、その後、鶏を加えて5~7分、肉に火が通るまで煮る。味をみて、塩と胡椒でととのえる。
かぶの葉の水気を切って、シチューに加える。★3
レシピのポイント解説
・ルーの作り方
・かぶの扱い方
・野菜と鶏の煮方
★1 ルーの作り方
本格的な手作りホワイトソース。じつは、驚くほど簡単で、5分もかからずできてしまうんです。しかも缶詰やレトルトとは段違いのおいしさ。手作りする価値あるもののひとつだと思います。
今日は牛乳のかわりに水を使った、さっぱりしたホワイトソースを作ってみましょう。用意するのは、バターと小麦粉(薄力粉)、そして水だけ。具に味をつけるので、ここでは塩も不要です。
バターと小麦粉は30gずつ、同量です。鍋を中火にかけ、バターを溶かします。バターは焦げやすいので、いくつかに切っておくとスムーズに溶けます。塊のまま入れるときは弱火で溶かすのがいいかもしれません。
バターがプクプク泡立ったら粉を入れる
シリコンベラや木べらなどで、よく混ぜます。最初ワーッと泡が出ますが、すぐに落ち着きますので慌てずにそのまま火を入れていきます。火が強すぎると焦げるので、火加減に気を付けてください。慣れない方は弱火でゆっくりやっても結構です。
粉を入れた直後はダマダマだが、よく混ぜると…
とろっとクリーム状になる。たえず混ぜながら炒める
ルーの状態は、時間とともに変化します。1分ほどたつと、ボソボソした感じになってきます。
状態が変わっても不安にならずに、このまま混ぜながら加熱していく
再びとろっとした状態に戻る
時間は2~3分でしょうか。茶色く焦がしてはいけないのですが、白く仕上げたいからといってあまり気弱に切り上げると、粉っぽいソースになります。鍋の大きさや火力にもよって、2分から3分ほどしっかり炒めると、粉の香ばしさが出てきます。黄色っぽくなったかな?と思ったら火をとめましょう。
ぬらしたふきんの上に鍋をのせて熱を取ります。どんどん進んで色づきすぎてしまうからです。
ぬれぶきんで冷やしながら、もう少しの間かき混ぜて熱を取る
さて、このルーを水でのばします。最初は大さじ2ぐらいの水を加えてへらでよく混ぜるところからスタート。水少量→よくよく混ぜる、最初のうちはこれを守るのが、ダマにならないポイントです。
ルーに水を少し入れたらよく混ぜる
水を少しだけ入れて混ぜると、とろっとしていたルーがやや硬くなる
クリームのようになったルーに、少しずつ水を加えていくと、再度サラッとしてきます。ある程度ゆるくなってきたら、あとはまとめて水を加えても大丈夫。これをあたため、ソースの完了です。
ソース完成。あとはここで具材を煮るだけ
炒めたルーを牛乳でのばせば、リッチなホワイトソースになりますし、鶏のブイヨンなどでのばすと(水で伸ばしてコンソメキューブを入れてもOK)、よりコクのある仕上がりになります。でも、一度は水でやってみてください。
ちなみに、小麦粉とバターを30gずつ炒めたルーに300 mLの牛乳と塩ひとつまみを加え、ヘラで混ぜながら少し加熱すると、グラタンやコロッケ、パスタなど何にでも使えるホワイトソースができあがります。
ホワイトソースの作り方をマスターすると、料理のレパートリーがぐーんとふえる!
★2 かぶの扱い方
かぶは、まさに今の時期が旬。ハリのあるふっくらしたものを選びます。
スーパーなどでは「かぶ」か、せいぜい「小かぶ」ぐらいの売り分けしかされていませんが、かなり大きさに差があります。今回は1個100gぐらいの中ぐらいのかぶを使っています。
「かぶ1個」といっても、こんなに違う
かぶを洗ったら、まず、ヘタと、ちょろっと生えている尻尾を切り落とします。よく、ヘタに少し茎をつけておしゃれに切ってあるものがあるのですが、ヘタのきわの部分の茎には泥が詰まっていて、掃除するのがかなりたいへん。私は切り落としてしまい、葉は別に添えます。
ヘタは切り落とす。汚れた部分が残っていたらそれも切り落とす
これを、皮つきのまま、4つに切ります。大きなかぶなら6つです。
かぶは「食べごろの煮え加減」が意外と短い野菜です。大根などはいくら煮ても大丈夫なのですが、かぶは煮えると余熱でもどんどんやわらかくなり、くずれやすくなります。皮をつけておくと扱いやすいです。
葉は、1個分ぐらいを適当な長さに切ります。水をちょっとふってラップに包んで、1分ぐらいレンジにかけます。最後のいろどりに使うのでとっておきましょう。
かぶの葉は、2~5㎝と、好みの幅で切ってレンジにかける
鶏むね肉は3cmぐらいの大きさに切ります。あまりゴロゴロしていると火が通りにくいので、小ぶりに。塩小さじ1をしっかりまぶしつけて味をつけておきましょう。皮ははずしますが、好みなら食べやすく切って入れてください。
むね肉に塩をもみ込む
★3 野菜と鶏の煮方
1のソースがあたたまったら、そこにまず、かぶを入れます(葉は、まだです)。鶏も一緒に入れると煮えすぎて硬くなってしまうため、時間差で入れるのです。
火は中火から弱火のあいだ。表面にポコ、ポコ、とゆっくり泡が出るぐらいをめざします。
10分ほどでかぶが煮えてきたら、下味をつけた鶏を加え、さらに5分から7分煮ます。このときも同様の火加減です。鶏むね肉は煮過ぎると固くなるので、あまり長時間煮てはいけません。
バターと、鶏の下味で塩を使っています。一度味見をして、足りないようなら、塩と胡椒で調えます。
寒い日にうれしい、あったかシチュー
12月になりました。パーティなども多い季節ですね。クリスマスなど、家で家族や大事な人とゆっくり過ごす日もあるのではないでしょうか。
ホワイトソースの料理は、ご馳走感もあり、喜ばれるもの。普段からカジュアルに作り慣れておくと、こういうときにさっと作ることができて、メニュー作りに活躍するはずです。
かぶは野菜の中でもホワイトソースにベストマッチな野菜。ふっくら煮あがったかぶはまさに、寒い日のごちそうです。大人も子供も、笑顔になる一皿です。
【アレンジ】万能ソースでシチュー自由自在
ホワイトソースをマスターしてしまうと、あとは具材を変えるだけでいろいろなシチューが作れます。今日はかぶを基本に、肉をかえてアレンジしてみます。
かぶとベーコンのクリームスープ
鶏肉をベーコンに変えます。ベーコンに塩気があるのでそのまま加え、足りない塩を少し補います。
最後に牛乳を少しプラスしてサラッと仕上げれば、朝食にもぴったりです。
鶏としめじのクリームシチュー
ルーを覚えると、こんなに本格的なシチューもすぐに作れるのです。
まず鶏もも肉、それからたまねぎ、にんじん、じゃがいもを、別の鍋かフライパンで軽く炒めてから、ホワイトソースに混ぜて、ゆっくりと煮ていきます。具が多いのでホワイトソースは少し量を増やし、水の1/3を牛乳にかえました。
色が出やすいしめじは、野菜が煮える直前に加えます。ゆでたブロッコリーをいろどりに。クリスマスのごちそうにもなる、堂々たるシチューです。
(くわしい作り方はこちら!)