おそらく、Windows on Snapdragonで2020年以降に話題になりそうなのが「x64アプリケーションのArmエミュレーション」だ。Neowinが11月13日(米国時間)に報じているが、Microsoftは現在64bitで動作するIntelプラットフォーム向けに記述されたアプリケーションを、Arm64環境でエミュレーション動作させるための仕組みを開発中という。
Microsoftは、以前にパフォーマンスやバッテリー駆動時間の問題からその可能性を否定していたが、これが事実なら「機が熟した」と考えたのかもしれない。
現在は、32bit動作のいわゆるx86アプリケーションのみをArmプラットフォーム上でエミュレーション動作させることが可能で、x64ベースのAdobe系アプリケーションや、ゲーム系のアプリケーションなどは全て対象外となっている。
x86エミュレーションのみでも互換性維持には十分ではあるが、やはりx64で動作する最新アプリケーションが利用できないデメリットはある。Microsoftでは「Armネイティブアプリ」を開発するようアプリ開発者らにアピールを続けているが、同社が最近プッシュしているArmプラットフォームのテコ入れにあたってx64エミュレーションは重要だと考えた可能性がある。
ただしNeowinによれば、実際にこの機構が組み込まれるのは早くて2021年前半にリリースされる「21H1」のバージョンを待たねばならず、2020年いっぱいをかけてテストが実施されることになるという。
2019年も、12月3日~5日の日程で米ハワイ州マウイ島においてQualcomm主催の「Snapdragon Tech Summit 2019」が開催される。このイベントはWindows on Snapdragonが最初に発表された場所でもあり、毎年何らかの同プラットフォームに関する最新アップデートが発表されている。
今回話題になったChromium Edge関連の発表が行われた場所もここだ。ゆえに、もしNeowinの話が事実であれば、その発表は間もなく同サミットで行われることになる。Qualcommとの協業で独自SoCまでリリースしたMicrosoftが、どのような最新発表を持ち込むかに注目したい。
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