黒崎の日常 One of those days

お嬢様、お坊ちゃま

ご機嫌麗しゅうございます。



本日、黒崎は何かが可怪しいのです。



何かが....










今朝入れた紅茶はとても渋く、
飲めたものではなかった。


「.....美味しくない」


お庭の掃除をしていると、
集めた塵が風で舞ってしまい天手古舞。


「.....やり直し」


客室、使用人寮の清掃に来てみれば、
既に整えられた様子。


「.....仕事がない」





何か可怪しい。





体調は万全。


いつも通りの日常。


いえ、1つだけ違うことが。


ですがそんなことは関係ない。


関係ない、はず。


私の日常に影響を及ぼすほどのことではない。


更に言えば、そうであることの方が正常でいられる、はず。


いつも私の行く手を阻む。


だから違っていてもかまわない、はず。


気持ちよくお給仕できる、はず。


心の余裕が紅茶を美味しくさせる、はず。


眼前にそびえるものはもうそこにあらず。
先を越されることはない、はず。






はず。はず。はず。はず。






きっとすぐに正常な日常が戻る。


きっとすぐに正常な心が戻る。


だから、今日だけ。


こんな日があったって、大丈夫。


気にしない。





...それにしても


この、すり切れてくたびれた古い本。


邪魔ですね。




「...燃やしてしまおう」




ー終ー













































































































































































































































































































































































































































....元気でね。
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