黒崎の日常-夏はおセンチ-

ご機嫌麗しゅうお嬢様、お坊っちゃま。


黒崎もとい、黒崎でございます。


夏も終わりでございますね。


ここで一つ黒崎の夏の思い出を振り返ってみましょう!




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Filed under: 黒崎 — 21:00

黒崎の日常 One of those days

お嬢様、お坊ちゃま

ご機嫌麗しゅうございます。



本日、黒崎は何かが可怪しいのです。



何かが....





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Filed under: 黒崎 — 00:00

ハードボイルドな朝

このお屋敷に来てからというもの、


朝は必ずアーリーモーニングティーを淹れることから始まります。


私のお気に入りはスリランカ産のコク深い茶葉「ルフナ」


CTCタイプのルフナを、少し濃い目に抽出してミルクをたっぷり...


濃厚で力強いルフナの味と共に、まろやかなミルクの味が、全身に染み渡ります。


ショパンを聴きながら、紅茶を飲み、窓の向こうの野良猫さんにご挨拶して黒崎の一日が始まります。


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Filed under: 黒崎 — 09:30

黒崎の日常 Day3

近頃、お屋敷の紅茶係を仰せつかる機会が増えてまいりました。


【紅茶】と一口に言えども、
お湯の温度、蒸らし時間、茶葉の量等によって、その味は千差万別でございます。


これが中々難しいもので、茶葉1品1品ごとの特性を知る為に幾度も試行を繰り返しましたが思うようにいきません...


ここはひとつ。
茶葉1品1品と向き合って見る事にいたしましょう。


何も、お湯を注いであげることでしか私の想いを伝えることが出来ないわけではございません。


1品1品と、


いえ、


1人1人と腰を据えて話でもしてみましょう。





〜黒崎茶葉面談〜



黒崎「今回は、当家のピュアティーの1つでもございます。アッサム茶葉のお品、【
ヴァサンティ】にお越しいただきました。本日は根掘り葉掘り聞かせていただきましょう。」



ヴァサンティ「.....」



黒崎「では、ご自身の出身茶園と、5gあたりの蒸らし時間を教えてください。」



ヴァサンティ「.....」



黒崎「ふむ。答えたくありませんか?では、ご自身の強みはなんでしょうか。」



ヴァサンティ「.....」



黒崎「黙っていてはなにもわからないでしょう?恥ずかしがらずに教えてくたさい。これもお嬢様の為なのですよ?」



ヴァサンティ「.....」



黒崎「....ふぅ。少々熱くなってしまいましたね。今日はこのくらいにしておきましょうか。」



隈川「....なにを、やっているの?」



黒崎「....隈川さん....いつからそこに////」



隈川「【近頃、お屋敷の紅茶係を....】からいたよ。」



黒崎「枕噺からすでに聞いてたんですか.....隈川さんもよかったら、茶葉トーク、しません?」



隈川「少し休もう、黒崎くん。お茶淹れるから。」



隈川「あと、悩みがあるなら...聞こうか?」



ー終ー
Filed under: 黒崎 — 22:22

黒崎の日常 Day2

お嬢様、ご機嫌麗しゅう。

黒崎でございます。



春を迎えたティーサロンには、新しい顔も増え、若々しいパワーが漲っておりますね。

お給仕に励む後輩達を見ておりますと、

「遮二無二頑張っているなぁ。私にもそんなころがあったっけ....」

と、心の中で老けたことを宣ってはおりますが、

そもそも私とてまだ1年も経たぬ生後11ヶ月ほどの元気な男の子。

首も座り、1人で立ち、ブーブー(車)とヴーヴ(シャンパーニュ)の区別が出来るようになったばかりでございますから、

そのように達観できるような立場でもございませんね。

私も精進せねば。


とはいえ、新しい者達にとっては私のような者でも先輩でございます。

時には、後輩達とのコミュニケーションを図り、様々なことを教えてあげるのも務めでございましょう。




〜お給仕後のヒトコマ〜


黒崎「浅葱くん、お疲れさま。」


緑川「今日も頑張ってたね!浅葱くん。」


浅葱「.....お疲れさまです。」


平山「どうしたの?暗い顔して。」


浅葱「私はまだまだ未熟です。先輩方のように華麗に給仕したくても、中々思うようにいかなくて....」


浅葱は真面目な者ですから、何か出来なかったことを反省しているのでしょう。
なんともまぁ健気な子.....ハァ


黒崎「よかったら、これから食事でもどう?反省することも大事だし、切り替えてまた明日晴れやかな気持ちでお給仕する為にも、ね♪」


緑川「いいねっ!黒崎くんの奢りね」


黒崎「...いや.....ちょっとそれは」


浅葱「いいですね、奢り!」


黒崎「(浅葱くん...すでに晴れやかな顔になってるよ....なんともまぁ幼気な子...ハァ)」


平山「僕も行きます!」


黒崎「よし行こう♪(...犬っぽいな平山くん)」


かくがくしかじかございまして、
さぁ食事が始まれば浅葱の暗い顔はどこへやら。

いつもの素敵な笑顔の浅葱がおりました。

さてさて場も盛り上がり、いつしかこんなお話に...


黒崎「浅葱くん、何か得意なことや趣味なんかないの?」


浅葱「え、なぜですか?」


緑川「ほら、もしかするとカウントダウンパーティーで浅葱くんも何かお嬢様に披露する機会があるかもしれないから」


浅葱「趣味...趣味..えーと..【落語】ですかね。」


緑・黒・平「落語......」


緑川「へ、へぇ...面白いね!じゃあ落語を披露してみなよ!」


浅葱「いえ...できませんよ。」


平山「どうして?」


浅葱「私、着物を持ち合わせてませんから。」


黒崎「そっかぁ...(そこ重要なんだ)」


浅葱「形からしっかりしておかないと、いいものをお見せできませんから。」


緑川「じゃあダンスは?最近、ダンスをしてみようかなって思うんだよね。楽しそうでしょ!」


平山「ダンスでしたら僕の得意分野ですよ!偶には自分で振り付け考えたりするんです。」


黒崎「それはすごいね!私もダンスしてみようかなぁ....浅葱くんは?何か踊れたりする?」


浅葱「ソーラン節でしたら少々。」


緑・黒・平「ソーラン節.....」


緑川「ひ、披露できるといいね!」


かくして使用人達は、お嬢様方の目に触れぬところで仲を深め絆を深め、また明日の給仕へと向けて、英気を養ったのでございます.....






緑・黒・平「ソーラン節....」


ー終ー
Filed under: 黒崎 — 23:45

黒崎の日常 Day1

お嬢様、ご機嫌麗しゅう。

黒崎でございます。


先日ティーアドバイザーの資格試験がございまして、若輩ながらも挑んで参りました。


お屋敷で学んだ紅茶の知識を、

さらに掘り下げて学ぶ日々は、

刺激的で新鮮で楽しゅうございました。



しかし.....1つ疑問が。



「ティーアドバイザーの資格を取るだけでお嬢様が喜んでくださるような美味しい紅茶が淹れられるのだろうか...」



自身で紅茶を淹れて飲むことは日課のように行ってはおりますが、


果たしてそれだけで美味しい紅茶を淹れることができるのでしょうか.....



1人で問答していても埒があきませんね。



ならば、当家の紅茶係を務める使用人達に聞いてみましょう!



〜黒崎、紅茶係を探して三千里〜


黒崎「さてさて、紅茶係はどこにいるんでしょうねぇ...」


黒崎「おやおやっ、怒髪天を衝く様なたてがみ、鋭い眼光、身の丈がティーカップ50客ほどありそうなあの方は....」


水瀬「どうしたの?黒崎くん」


黒崎「あの、美味しい紅茶の入れ方を教えていただきたくて...よかったら、水瀬さんの紅茶、飲ませてくれませんか?」


水瀬「そうかそうか。なら、今淹れたばかりのがあるから、飲んでみる?」


黒崎「ありがとうございます♪ゴクッ.......!?!?」


もう一人の黒崎「(これは人間が飲める物じゃないよっ....!!無理だよ無理!体内に摂取したらまずいよ!!!)」


刹那、気が遠くなるほどの【甘い汁】を口に含んだ私は、精神が崩壊するのを食い止めるので精一杯でございました...



水瀬「やっぱり日頃の疲れを取るには甘い物に限るからね。ティーポットの半分をお砂糖にして、そこに紅茶を注いだんだよ。どう?美味しい?....あ、豪徳寺執事もよろしければ、どうぞ。」


水瀬の甘党ヒストリーは私も度々耳にしておりましたがここまでとは。

彼は人間をやめたのでしょうか。

ティーポットの半分がお砂糖...

黒「それはもはや...紅茶風味の...ガム..シロッ..プ......バタッ」




豪徳寺「(ズズッ)........うん。(ゴクゴクゴクッ)」



ー終ー
Filed under: 黒崎 — 20:40

春物語

穏やかな風、背中をじわりと温める日向、仄かに香る緑。


春でございますね。




ふと考えてみました。


かつて地球上の生物をあまねく絶滅に追いやった氷河期が、

再びこの現代に襲いかかり、

すべての光、すべての命を閉ざす氷の世界になっていたとするならば...


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「春」


もはや伝説じみたものとなった。

世界に二度と春は来ない。

幾年待とうとも、朗らかな春の日差しを頬いっぱいに受ける日は来ない。

作物の育たぬ不毛の地。

凍てつく風はすべての生命をかっさらっていく。

いつしか人々の目からは希望の光は消え、

この氷の世界と共に、命の灯火が消えゆくのを待っていた。




春などという言葉の意味すら失われ、

この永久に不変で、普遍な世界に訪れたある日の朝。

朝といっても、光のささぬこの世界において朝夕の区別などどうでもよいことだが...

しかし、その日だけは違った。

瞼の裏がやけに明るい。

頬に当たる優しく暖かな光。

全身をかけめぐる血液が、

眠りについた体を無理矢理覚まさせる。

眩しい。

しかし、電球から放たれる刺々しい光の眩しさではない。

優しく包み込んでくれるような柔らかな光が、

凍てついた体と心をじんわりと溶かしていく。

その光は世界一面を照らし、一斉に命が芽吹き出す。

いつしか世界からは絶望の色は消えていた。

これが…「春」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

このような妄想ばかりしていると、

毎年当たり前の様に来る春にも、

私一人だけ、一際喜びを感じております。


何世紀ぶりかの様にやってきた春ならば、

お嬢様も花粉への苛立ちも少しはお許しいただけるのではないでしょうか。


なんて....


そんな妄想で花粉への怒りが和らぐはずもございませんよね。


申し訳ございません。

生まれてこの方花粉症に悩まされたことのない私の、

出過ぎた妄言でございました。



黒崎
Filed under: 黒崎 — 20:30

クロサキの大冒険

お嬢様、ご機嫌麗しゅう存じます。


”燕尾を着た眼鏡掛け器”

もとい

黒崎でございます。




夢を、見ました。


ひどく現実離れした夢。


まるで、ファンタジーの世界に飛び込んだかのような・・・




私は、旅人でした。

仲間と共に、旅をしながら様々な人と触れ合い、

時には人助け

時には悪者と戦い

そうして旅を続け、

自分の生きる道を模索していくという答えのない旅でした。

目的が何なのかもよくわからない旅の中、

最もよくわからないのが、共に旅をする仲間。



料理上手な回復担当 「白魔導士スギムラ」

無口な堅物。だけど本当は仲間想い 「剣士フルヤ」

なぜか子犬が寄ってくる 「吟遊詩人ニイヤマ」



このメンバー・・・・



上記二人は良いとしても、

一番下を仲間にしてしまった旅人クロサキを私は鈍器で殴打したい。

ともあれこの仲間達と共に旅をしておりましたが、

旅の途中で非常事態に巻き込まれてしまったのです。



お嬢様が悪者に攫われ、

救出に向かったのですが、道中、敵の罠に嵌ってしまい、

仲間の誰か一人を犠牲にしなければ脱出できない事態になってしまいました。


さて、どうしたものでしょう。

皆大切な仲間。誰一人として欠けることは許されない。

クロサキは悩みに悩みました。


スギムラは命を支えてくれる回復担当、外せませんね。

フルヤはいてくれるだけで心強く、力強い。皆を守ってくれるでしょう。

ニイヤマは・・・・・ついてきた子犬が寂しがるので、いてもらいましょう。


となると、やはりクロサキが犠牲になるほかない!

そう決意して、皆を助け出し、

今生の別れの一言

「おれにかまわず、先に行け」

このセリフ一度は言ってみたいものでございますよね。


意識と共に視界が薄れゆく中、仲間を見送る最期の瞬間。

ニイヤマが子犬に脛をかじられているのを見て、

「別になつかれているわけじゃなかったのかよ・・・・」

そうぽつりと呟き、目が覚めました。

結局死に際の一言が、子犬の件で更新されてしまいました...


この日の寝起きの悪さといったら、

筆舌に尽くしがたいものでございます。





しかしながら、夢の続きが気になりますね。

今頃お嬢様の夢の中へ、仲間達が助けに来ているところでしょうか。





くだらない話でございましたね。

お目汚しを失礼いたしました。


黒崎
Filed under: 黒崎 — 10:30

ディープブラック

お嬢様、お坊ちゃま


ご機嫌うるわしゅうございます。


"スワロウテイルの黒き翼"




もとい




黒崎でございます。






同じことを新山に伝えてみたところ、


まるで道端に転がる空き缶を見るような眼差しで、鼻で笑っておりました。


当分、彼とは口もききたくありません。








さて、当家の別館にあたりますブルームーンにて、


1月より、私がアレンジを務めますカクテル「ディープブラック」をご用意させていただく運びとなりました。






どのようなカクテルかと申しますと、


探求に探求を重ね、


やっと見つけ出した特別なリキュールを使いまして、


ラム酒と合わせた甘美なるカクテルに仕上げました。


少々巷の酒場では見かけぬ一品にございます。







このような伝え方では想像し難いかとは存じますが、


是非一度、ブルームーンに足をお運びいただき、


お試しいただければと存じます。








では、これにて失礼いたします。


本日はささやかなる楽しみが私を待っているのです。






杉村が私の為にと一つ余分に用意してくれていた、


柚子アイスパンケーキ・・・




お嬢様の目に触れぬところで、


ひっそりといただくとしましょう。








(はむ・・・)


嗚呼、得も言えぬ。






黒崎
Filed under: 黒崎 — 23:50

年忘れ....しません

忘れられません。


忘れたくありません。


お嬢様の為にお仕えして来た日々。


お嬢様の為に研鑽に励んだ日々。


少しばかりの苦労はございました。


自分は出来ない使用人だと己を責め立てることもございました。


されども、忘れたくはございません。





忘年とは名ばかり。





この1年、お嬢様から頂いた労いのお言葉や幸せそうな笑顔が、


わずかばかりの苦労など吹き飛ぶ程に、


私を勇気づけていただきました。


ですから、忘れません。


この一年の事をしっかと心と海馬に刻み、


また新しい年を共に迎えられることを願っております。





お嬢様。


この一年、お嬢様にお仕えすることが出来、黒崎は本当に幸せでございました。


心から、お礼を申し上げます。


そして、来年もお嬢様と共に一年を彩って参りましょう。




黒崎
Filed under: 黒崎 — 21:00