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【プロ野球】

相手投手が嫌がっていたのはどっちだ? セ新人王激戦だった阪神・近本とヤクルト・村上 2人に隠された意外な数字とは…

2019年12月1日 16時45分

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 ヤクルト・村上宗隆168票、阪神・近本光司129票。激戦が予想された今季のセ・リーグ新人王は、僅差で村上に軍配が上がった。

 19歳だが2年目の村上は、高卒2年目以内では最多タイの36本塁打と同最多の96打点。卓越した長打力がアピールポイントだ。新人だが25歳の近本は、リーグの新人記録を更新する159安打を放ち、盗塁王にも輝いた。俊足、好打が武器である。村上が放ったサヨナラ弾は史上最年少で、近本は球宴で史上2人目のサイクル安打とインパクトも互角。どちらも受賞にふさわしいすばらしい成績だったのは間違いない。

  ここでは2人の「意外な数字」を紹介したい。村上は打率(2割3分1厘)だけでなく、三振(184)、空振り(376)、三振率(3割1分)もリーグワースト。ファンが「やっぱりな」とうなずく数字だが、同時に「ホームランか三振か」の粗いだけの打者ではなかった。

 4・33。これは村上の1打席あたりの平均投球数である。これは最高出塁率の広島・鈴木(3・89)や最多四球のヤクルト・山田哲(4・24)を上回るリーグ最多。投手が細心の注意をはらい、神経をすり減らしたということだ。

 

 一方、近本はリーグのファウル王(549)だった。ほぼ打席数が同じ山田哲が374。ただ、この数を粘りの証明と言っていいのかは微妙なところだ。というのも、四球率(四球÷打席数)4分8厘はリーグワーストなのだ。果敢に振っていく姿勢はすばらしいが、四球には結び付かなかった。

 実は球数を最も費やさせていた空振り王と、四球が増えなかったファウル王。村上から3つの空振りを奪うまでに、当てられたら終わりという恐怖感を抱く。出せば走られる近本には、四球も単打も同じだと腹をくくる。この4・33と4分8厘という数字には、打者としてのタイプだけでなく投手心理も投影されているのかもしれない。(渋谷真)

 

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