J2京都のDF田中マルクス闘莉王(38)が1日、今季限りでの現役引退を発表し、名古屋グランパス、日本代表でともにプレーした楢崎正剛クラブスペシャルフェロー(43)がメッセージを送った。
楢崎氏は昨季限りで引退。闘莉王からは今季開幕前に引退の意志を伝えられていたといい、「『お疲れ』というか『ありがとう』しかない。人生の中でも重要な人物。同じピッチにいた年下の選手にそう思えるのは光栄だし、感謝しかない」と語った。
センターバックと守護神として、グランパスで2010年のJ1優勝、代表では同年のW杯南アフリカ大会を経験した。「(闘莉王は)4人ぐらいマークに付ける。GKと2人で守れば、相手が11人いても守れるんじゃないかなって(笑)。絶妙なポジショニングや読み。見る力はすごい」。お互いに絶大な信頼を置き、高め合ってきた。
5つ年齢が離れている2人だが、厳しい要求をし合うがゆえに言い争いに発展することもあったそう。何日間か口を聞かない“冷戦状態”を経て、歩み寄るのはいつも楢崎氏のほう。「女の子みたいなところがあってね。歩み寄らないとスネちゃうから(笑)。かわいいんですよ」と、独特の関係性を明かした。
強烈なリーダーシップでDFラインを統率してきた闘将には、指導者への転身も待たれる。「(闘莉王は)監督とか向いてるんじゃないですか。でも、あいつを一人にしたらえらいことになるから(笑)。フォローする人間がいたら、すごくいい監督になりそう」。サポート役の存在を条件に“闘莉王監督”に期待を寄せた。