中日の大野雄大投手(31)が30日、今季を振り返り「0勝のような成績が続くと、雇ってくれるところはないと思ってやっていました」と退路を断って臨んでいたことを明かした。この日は地元テレビ局・東海テレビのドラゴンズ応援番組『ドラHOT+』に高橋と生出演した。
番組中にも「今年アカンかったらユニホームを脱がないといけないと、正直、思っていた」と話した左腕。今季は防御率のタイトル獲得に、ノーヒットノーランも達成。侍の一員として世界一にも輝いた。そんな充実の一年も、シーズン当初の気持ちは全く違うものだったようだ。
昨シーズンの0勝から見事な復権。よみがえった力強いストレートが原動力かと思われたが、大野雄は「メンタル面の安定」を挙げる。自分にノルマを課し、負けてもそれをクリアしたらいいと、あえて考えるようにした。そうやって先発の軸として投げ続けた。来季はその自らに課すハードルを、白星量産のために高めるという。
「今年の開幕は自信なんてゼロだった。来年は今年を自信にしてマウンドに上がれれば」。苦しい時期を乗り越え、新たな境地へ。冷静に、自然体で投げるその先には、5年ぶりの2桁勝利が待っている。