あなたが本当にHIVである可能性は何パーセントでしょうか? 直観的には99%だろう。 しかし、悲観する前に調べておく事がある。 それは罹患率だ。全体の住人のうち、何人が本当の感染者であるのか、が非常に大事だ。
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話を分かりやすくするために、あなたは100万人がすむある都市に住んでいるとする。その中に、本当にHIVに感染している人は100人とする。 その都市全員に対して、HIV検査を行った。 検査の陽性率とは、本当にHIVに感染している人をHIVであると判断できる確率のことである。
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この場合は100人の99%、99人が陽性の判定を受ける。 もう一つ重要なのが、特異度99%の方である。これはHIVに感染していない人を、陰性と判断できる確率のことである。 HIVに感染していない人は999,900人。この中の99%は陰性と判断されるが、1%は陽性と判断されてしまう。その数はなんと9999人!
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まとめると、この検査によって、HIV陽性と判断された人の数は10098人。その中で本当のHIV感染者は99人である。 99/10098=0.98 陽性の結果を受け取ったあなたが、HIVを可能性は1%に満たない。
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にわかには信じられない結果であろうが、これは トーマス・ベイズ(c. 1701–1761) ピエール=シモン・ラプラス(1745–1827) の頃から知られている事実である。 条件付き確率やベイズ統計学は、直観では判断できない。 問題は感染していないのに、陽性の結果を受け取った人はどうすればよいのかだ。
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感染していないのに、陽性の結果を受け取った人は、この場合、9999人もいる。 これらの方々に対して、保険医療をつぎ込んで、確実にHIVに感染していないことを証明しなくてはならない。 話をがんに戻す。 どんな優れた検査でも、感度100%、特異度100%というのは非現実的である。
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報道を参考にすると、どのがんに罹患しているかまでは正確には分からないとのこと。 であれば、陽性の結果を受け取った方は、全身に対して、CT,MRI,PET-CT,内視鏡など多数の検査を保険診療で行うと推察される。
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画像診断が行われれば、我々放射線科医師は隅々までくまなく目を通して、正確なレポートを書くことが仕事である。 我が国のCT,MRIの設置台数は対人口比では世界一である一方、放射線科診断医師の数は対人口比では世界最低水準である。
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放射線科医師は、増大する検査数に圧倒されて疲弊している。 このニュースを受けてまだ増加するのかと想像して、憂鬱な気分になっていたと考える。 もっと大事なことがある。がんの陽性検査を受け取った時の患者の気持ちである。
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あなたは陽性ですと言われて、目の前が真っ暗になるであろう。 その後、仕事を休んで、多くのお金をかけて、痛い思いもして、沢山の精密検査を受けなければならない。 検査といっても、ノーリスクではない。合併症として、内視鏡では稀に消化管穿孔が起こることもある。
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以上が、感度99%、特異度99%の検査に対する私の懸念でした。 私は統計の専門家でも何でもありません。 間違いがあれば、ご指摘いただくようお願いいたします。
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レンドルミンを飲んでから書いたので、間違い部分があります。下記の通り訂正いたします。 まとめると、この検査によって、HIV陽性と判断された人の数は10098人。その中で本当のHIV感染者は99人である。 99/10098*100≒0.98 陽性の結果を受け取ったあなたが、HIV感染者である可能性は1%に満たない。
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やはり難しいというご意見も多いです。 私も、ベイズ推定を頭の中だけで計算する事は出来ません。 今回の内容も一度紙に書いて確認しました。紙に書いて確認する事をオススメ致します。 訂正箇所有りましたらご連絡よろしくお願い致します。
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