世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「人類が再び月へ 日本政府も参加」。GITAI創業者兼CEOの中ノ瀬翔氏に話を聞いた。
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世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「人類が再び月へ 日本政府も参加」。GITAI創業者兼CEOの中ノ瀬翔氏に話を聞いた。内閣府の宇宙政策委員会は、アメリカの国際宇宙探査計画への参画を決定した。NASA(アメリカ航空宇宙局)が進めている「アルテミス」計画は月周回有人拠点(ゲートウェイ)の整備を含む月探査をするとしている。ネット上では…「人類の宇宙への進出は素晴らしい」「月が重要な宇宙開発拠点になるか」「参加する日本にメリットはあるのか?」などの意見があった。――中ノ瀬さんにご意見をうかがいたいと思います。フリップをお願いします。「宇宙で働く時代」です。そもそもアルテミス計画自体は、約50年ぶりに人間をもう一度、月に送ろうというミッションです。それもすごく面白いと思いますし、素晴らしいと思うんですが、同時並行で進んでいる計画がまた別にあります。月に水を取りに行こうとか、今後、人類が宇宙に進出していく基地を月と月を回る宇宙ステーションにつくろうという計画があるんです。今までは宇宙に行って終わりでしたが、今後は宇宙で働いて、さらに遠くを目指していく時代になると思っています。そういう時代がくると思っていて「宇宙で働く時代」と書かせていただきました。――中ノ瀬さんが「アルテミス計画」に対して、特に注目しているポイントは何ですか?やはり、人類が今後、宇宙に継続的に出られるような基地をつくっていくというところと、さらにその基地をつくる大きな目的である「水」を宇宙に探しに行くというところに注目しています。宇宙における「水」というのは、飲む水というふうにもできると思います。――生活する「水」のことだと思って聞いてました。宇宙における「水」というのは、もうひとつ意味がありまして、液体燃料ロケットの燃料にできるんです。月でとれた「水」を電気分解して、液体水素と液体酸素にすると、まさにそれはロケットの燃料にできるので、要はガソリンスタンドをつくるような計画が今、NASAや日本でもあるんです。その「水」を探しに行くミッションが同時並行で今進んでいますので、個人的には、そこに注目をしています。――その「水」が見つかるか、見つからないかで大きく変わってきますね。そうですね。やはり人類が今後、宇宙に本格的に進出していく時代になるか、まだまだやはり時間がかかってしまうのかというのは、月にどれだけ、まとまった形で「水」があるのか。まあ「氷」なんですけど、「氷」があるかというところが大きなポイントになると自分は思っています。――ちなみに「アルテミス計画」にはGITAIさんは参加する計画はあるのですか?参加したいですね。やはり宇宙で今後どんどん「水」をとりに行くとか、基地をつくるときでも作業がどんどん発生してくると思うんですが、やはり人間だけでやると危ないし、お金がすごくかかるので、そこはやはりロボットでやりたいと思っているんです。そこにまさにGITAIのロボットが「氷」を掘っている。そんな未来がくれば、すごくやりたいですね。■中ノ瀬翔氏プロフィル宇宙で求められる様々な作業を宇宙飛行士の代わりに行うことのできるロボット「GITAI」を開発している。IBMで3年間勤務後、2013年にインドに移住してITベンチャーを設立。インド市場向けWebサービス・スマホアプリを複数開発した後サービスを売却。2016年にGITAIを設立する。宇宙飛行士の作業を「GITAI」ロボットで代替することで宇宙飛行士の負担やコストの大幅削減を目指している。【the SOCIAL opinionsより】