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Remember11「私的解釈:サトル編エピローグ´:I/Oバージョン」

優希堂悟
人類の救済を目指した《ライプリヒ製薬》の一員

ただ沙也香のために

彼とその一派の目的とは、人間が肉体の制限を受けない新世界の創造。
その世界では、人間は0と1のデータに還元される。

そして遺伝子ナノアセンブラも、
人間そのものを自在に構成できるプログラミング言語となるのだ。

そのとき沙也香は、
サイバースペースにおける《BW》のように、全知全能の存在に昇華する。

彼はもう、妹を失う悲しみを味わいたくないのだ。

だからこそ、沙也香は誰にも侵されることのない、至高の存在となる必要がある。
溺愛と狂気とは紙一重といったところか。

最終レベルに見られる世界。

そこは優希堂悟の計画が発動し、
リアルスペースとサイバースペースの境界、肉体とデータの境界のなくなった世界なのか。

具体的な記述は見られない。

しかし、大人たちに見守られながら、少年少女はすべてを見出すために旅立つ。

その光はふたつのペンローズの三角形を形成し、それが「重ね合わせ」られ、六芒星となる。

さらにそこへすべてを見通す目を持った対極のふたりが重ね合わされる。

それは宇宙創生にも匹敵する特異点の発生を示している。

やがて、どこからともなく少年と少女ふたりが現れ、海(母なる原初の海)で戯れる……。

彼らはやがてそこから、自分たちのいるべき場所へと帰ってゆくのだろう。

その場所とは楽園なのだろうか。
だが、彼らには共に歩む者がいる。

ならば、きっと……。

サトル編エピローグ´「世界の中心にて」

 どこでもない場所、いつでもない時間。あらゆるものの狭間──。

優希堂悟、内海カーリー、犬伏景子、《避難小屋》のメンバー……。みんながいて、楽しそうに笑っている。

 サイバースペースを介し、結び付けられた量子的世界と巨視的世界。
そこには、人類にとっての新たな可能性が広がっていた。
ゲノム解析計画によってDNA上のすべての情報は、メディアにコピーできるようになった。

そして量子コンピュータの誕生により、頭脳や意識ですら、電脳空間に再現できるようになった。

量子コンピュータによって生み出された「魂」と、
ネット上に記録された「ゲノム」を、現実世界にダウンロードしたらどうなるのか……?

 完全なる人体ができあがる。

 沙也香は、《ライプリヒ製薬》が設計し、作り上げた存在だった。

21年前、優希堂沙也香はこの世に生を受けた。

このとき生まれた沙也香と今生きている沙也香(犬伏景子)は、厳密に言えば別人である。
そんなある日のこと、交通事故で沙也香が死亡してしまう。

錯乱した悟は、人として超えてはならない領域に踏み込む。

研究対象だった沙也香は、その全記憶情報とDNAデータをコンピュータにバックアップされていた。
そして《装置》を利用して、彼女を現実世界に復元させたのだ。


かくして、新たな沙也香(犬伏景子)が活動を開始する。

悟はさらに、ナノアセンブラを使った計画を実行に移す。打算でも利欲でもない。
彼はただ、愛する妹の幸せを守りたかっただけだったのだ──。


 果たしてこの世界は、誰にとっての楽園なのだろうか。
優希堂悟と冬川こころの二人は沙也香を電子の海から救い出すため、新たな旅に出る。
自分たちの望む世界は、自分の手で切り拓くのだ。

 そこは、あらゆる可能性で満たされているのだから。



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True is not revealed.
And it circulates through an incident.
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