No.20 《アラーム24》の使い方と工夫 |
2015年2月に執筆 ・・ HP目次へ.. 講座目次へ. (1)株価データをリアルタイムで受信するちょうど1か月前の2015年4月27日に「10年ぶりの《アラーム24》を改良中」という近況を報告しましたが、今日ようやく《アラーム24》Ver.5のヘルプを書き終えました。 2006年に出した《アラーム24》Ver.1は取引所の朝令暮改によって撤退を余儀なくされましたが、9年を経て、一足飛びにVer.5としました。Ver.5とは現在の《カナル24》Ver.5と同じことができるということです。 画期的なことはエクセルシートの作成の自動化です。Ver.1ではユーザーにとってはチンプンカンプンで、受信するためのエクセルシートの登録はなかなかできるユーザーはありませんでしたが、そのエクセルシートの作成を、《アラーム24》Ver.5が自動的に作成するようにしたことです。 その秘密は「結果ファイル」にあります。ユーザーが《カナル24》を使って検索したなら、検索された銘柄を結果ファイルに記憶させることができますが、その結果ファイルを指定すれば、エクセルシートがアッというまに出来上がります。 ユーザーはできたエクセルシートを使って、①リアルタイムのデータを受信し、②《カナル24》の条件表を使って、当日に売買マークが出た銘柄があるかをリアルタイムで知り、③分足で買ってよいかどうかを判断することができます。つまり《アラーム24》Ver.5は、《カナル24》より半歩・一歩先に売買の決定を下すことができるわけです。 《アラーム24》Ver.5の構成図を掲げます。
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(2)《アラーム24》による分足ベースの検索《アラーム24》と《カナル24》の関係について述べると、 《カナル24》は日足ベースの検索をしたり、グラフを描画します。しかしその日足データは過去のものです。その日の立会いが終り、データゲットから株価データをダウンロードして、検索をして「買い」になった銘柄を見つけても、翌日の始値でしか買えません。 《アラーム24》は当日のリアルタイムのデータを受信しているので、立会い中に検索をしたり、グラフを描くことができます。したがって当日に仕掛けることが可能です。では《アラーム》を使うと、どのようなタイミングで仕掛けることができるのか? これは使う条件表の性格(順張りか逆張り)によって異なります。順張りの条件用を使ったときと、逆張りの条件表を使ったときの《アラーム》の使い方を述べます。 ①順張りの条件表を使ったときの《アラーム》の使い方右図は《カナル24》を使って描いた、3863「日本製紙」のグラフです。条件表No.69「4平均線突破買い」を使っています。No.69は株価が上昇したら買いマークがでるので「順張り」の条件表です。 (a)2015年5月22日(金曜)の日に株価が4本の平均線のすべてを上まわったので、買いマークがでています。 この日の終値は2070円です。 普通はこの買いマークを見て、日本製紙を買うか買わないかを決めますが、もし買うと決めても一番早く買えるのは翌日の始値です。 翌日(5月25日)の始値は2098円でした。終値2070円から28円高く寄りました。 《アラーム》はリアルタイムのデータを受信し、《カナル24》の昨日までの日足データに当日のリアルタイムの日足を連結して、検索したり、グラフを描くことができます。 もし5月22日の立会い中に《アラーム24》で、条件表No.69「4平均線突破買い」の検索をしていたなら、(a)の水準(2033円)のときに、日本製紙が検索されます。グラフを見ると買いマークを出したことがわかります。 図の右側は5分足のグラフですが、22日の寄り付き直後に2033円になっています。 22日の寄り付き直後には、アラーム検索が3863「日本製紙」が買いになったということを表示します。それから左側の日足グラフを見て、右側の5分足のグラフをみて、注文を出して、2040円で買ったとすれば、翌日の始値2098円のときにすでに+58円の利益になっています。 順張りの条件表を使う場合は、買いマーク(売りマーク)を出したことがわかったなら、いち早く仕掛けるのが有利です。この点で《アラーム》は《カナル24》よりも早く売買マークを出すので優れています。 ②逆張りの条件表を使ったときの《アラーム》の使い方右図は《アラーム24》で描いた5月25日の10:50ころの、6301「コマツ」のグラフです。左側は日足で条件表No.2「一般銘柄用(2013)」を使っています。 No.2は「逆張り」の条件表です。高くなれば売りマークが、安くなれば買いマークがでます。「逆張り」の条件表で買いマークがでても、株価が上昇し始めたことを確認しないと仕掛けることはできません。 売りマークがでたときは、株価が下落し始めたことを確認してからでないと売り仕掛けをすることはできません。 右側の日足のグラフでは、前日(a)の5月22日に売りマークが出ています。この日の終値は2568円でした。今日5月25日に始値で売ったならば2580円ですが、その後2629円まで上昇しています。-61円のマイナスです。 だが右側の5分足のグラフで、No.87「パラボリック」が(b)で売りマークを出したのを見て売ったならば、2620円で売ることができます。5分足で下げ始めたことを確認してから売るわけです。 5月22日の引け後に《カナル24》で条件表No.2[ 一般銘柄用(2013)」を使って検索して、6301「コマツ」が売りマークを出していると知ったとき、翌日仕掛けるタイミングによって損益に大きな違いがでてきます。
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(3)《カナル24》と《アラーム24》の連携 (予想検索)《カナル24》と《アラーム》がどう連携し、《アラーム》と《カナル24》はどこが違っているのかの例を掲げます。 東証1部の約1900銘柄について、 条件表No.69「4平均線突破買い」の予想検索をしました。 日足データは2015年5月27日までのものです。 73銘柄が検索されました。 この73銘柄は、明日5月28日に買いマークを出す可能性がある銘柄です。 「予想検索」によって明日買いマークがでる可能性があるというだけのことです。 例えば上図の5707「東邦亜鉛」のNo.69のグラフを見ると、5月27日の段階ではまだ買いマークは出ていません。 もし《カナル24》しかないならば、この73銘柄を印刷しておいて、明日はネット証券のグラフを取っかえ引っかえして、4平均線を突破した銘柄を見つけねばなりません。 ネット証券のグラフは「4平均線を突破」と同じチャートは描けるかも知れないが、買いマークは出してくれないので、目視で判断せねばなりません。まず不可能です。 73銘柄をエクセルシートに登録しておけば、《アラーム》を使って28日には9:00から検索することができます。 買いマークを出した銘柄があれば、画面左の検索欄に表示されます。 13:20現在で、73銘柄のうちで買いマークを出したのは右側の株価ボードに表示させている8銘柄だけです。(だいたい買いマークを出した時刻の順に8銘柄を表示しています) 左側の日足グラフを見ると、5707「東邦亜鉛」は買いマークを出しています。 寄り付き直後に459円をつけて買いマークを出したのですが、その後高値467円まで上昇しました。 ただし「4平均線を突破」は終値で4平均線を抜いて初めて買いマークが出ます。 今日の終値で459円以上を維持できておれば《カナル24》で買いマークがでますが、はたして459円以上で引けるのかどうかはわかりません。 459円より安く引けたならば、今日の5707「東邦亜鉛」の買いは失敗ですが、《カナル24》よりも一歩先に買いマークを予見することができます。 なお右側は5分足で、No.87「パラボリック」のグラフを描かせていますが、一般銘柄においては小幅な値動きであってもパラボリックは買いマーク→売りマーク→買いマークを繰り返し出すことが多いので、分足での売買は難しいでしょう。 |
(4)《カナル24》と《アラーム24》の連携 (逆張りの検索)《アラーム》の発売が始まり、私もプログラムを作ることもなく、ヘルプを書くこともないというヒマな状況になったので、《アラーム》の使い方についていろいろ試しています。当初の構想した使い方は
そこで、しばらく(5日間くらい)は、「逆張り」の条件表No.2「一般銘柄用(2013)」が買いマークを出した銘柄について、翌日《アラーム》の5分足が「分足ベース」の検索をして、株価が上昇した銘柄を買うとどうなったか、について調べてみます。(当日の成績と5日後の成績を調べる) 2015年6月2日の午後7:00に、条件表No.2「一般銘柄用(2013)」を使って、東証1部(ETFやREITは除く)の1887銘柄について「単独検索」をしたところ、
ほかにも、2791「大黒天」は10:30に、条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出しています。 (a)の5分足の終値は4720円 (b)のその後の最高値は4795円 (c)でNo.182とNo.183が同時に売りマークを出していますが、この終値は4760円 (d)の終値は4745円です。 5日間のトレードをするのであれば、(a)の4720円で買って、今日の終値(d)4745円では+25円の利益がでています。この後4日間の株価がどうなるのかです。 1日に1%の利益のチョイ取りをしたいなら、(a)の1%の4720円の1%高は4770円です。ここで売り指値をしていたならば、高値は4795円まであったので、当然に13:25頃に4770円で決済できています。(a)から+50円の利益です。1日に1%の利益がでるということは、1か月に20%の利益が出る、1年に240%の利益が出るということです。チョイ取りを馬鹿にしてはならない。 4676「フジメディ」は10:40に、条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出しています。 (a)の5分足の終値は1663円 (b)のその後の最高値は1669円 (d)の終値は1665円です。 5日間のトレードをするのであれば、(a)の1663円で買って、今日の終値(d)1665円では+2円の利益がでています。この後の4日間の株価によって利益は違ってきます。 1日に1%の利益のチョイ取りはできませんでした。(d)の終値1665円で決済するならば+2円(100株単位なので+2000円の利益)でした。 8327「西日本銀」は10:40に、条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出しています。 (a)の5分足の終値は340円 (b)のその後の最高値は342円 (d)の終値は340円です。 5日間のトレードをするのであれば、(a)の340円で買って、今日の終値(d)340円では損得なしの0円。この後の4日間の株価によって利益は違ってきます。 1日に1%の利益のチョイ取りはできませんでした。(d)の終値340円で決済するならば0円(手数料分だけ損失)でした。 8616「東海東京」は10:40に、条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出しています。 (a)の5分足の終値は875円 (b)のその後の最高値は886円 (d)の終値は883円です。 5日間のトレードをするのであれば、(a)の875円で買って、今日の終値(d)886円では+11円の利益。この後の4日間の株価がさらに上昇するのかを追跡せねばなりません。 1日に1%の利益のチョイ取りをしたいなら、(a)の1%の875円の1%高は884円です。ここで売り指値をしていたならば、高値は886円まであったので、12:35頃に884円で決済できています。(a)から+9円の利益です。 こういったことで、①仕掛けて5日以内にどうなったのか、②1日で決済したときはどのくらいの利益になったのかを、今週中は追跡してみます。 |
逆張りの条件表No.2で検索された銘柄を、翌日は5分足で検索して、5分足で条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出したら仕掛ける。ということを昨日いいました。 条件表No.182とNo.183の内容を掲げます。これは《アラーム》の「アップデート」→「条件表をダウンロード」で(サンプル0)をダウンロードすることができますが、そのNo.12(No.182と同じもの)とNo.14(No.183と同じもの)が入っています。これを(標準3)に複写したものです。 |
(5)《カナル24》の逆張り、《アラーム24》の順張り (5日間)逆張りの条件表No.2で検索された銘柄を、翌日は5分足で検索して、5分足で条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出したら仕掛ける。ということをすればどうなるかを5日間にわたって追跡しています。売買の方針は、
6月2日に条件表No.2で買いマークが出た銘柄を検索したところ13銘柄がありました。 図の青色●が6月2日です。翌日6月3日に5分足で「上昇を開始した」と思われる銘柄を検索したところ、右図と次図の7銘柄が検索されました。 分足で買いマークがでたときの株価で買い指値をしておくと、次の株価で買いが約定します。 ①2791「大黒天」4720円 ②4095「パーカライ」1309円 ③4676「フジメディ」1663円 ④8327「西日本銀」340円 ⑤8616「東海東京」875円 ⑥9409「テレ朝日」2128円 ⑦9413「テレ東京」1990 それぞれの買値に1.01倍(利益率+1.0%)を上乗せして、決済のための売り指値をしておくと、 ①2791「大黒天」4770円 ⑤8616「東海東京」884円 の2銘柄が+1%の利食いとなりました。 次の日(6月4日)に買値の1.02倍(利益率+2.0%)を上乗せして、決済のための売り指値をしておくと、 ④8327「西日本銀」347円 ⑥9409「テレ朝日」2171円 の2銘柄が+2%の利食いとなりました。 今日6月5日は日経平均が下がったように全般の株価は思わしくなかったので、3日目で+3.0%の利益を出した銘柄は出ませんでした。今のところ仕掛けた7銘柄のうち4銘柄の利食いができています。 |
2015年6月2日の立会いが終わった後、条件表No.2「一般銘柄用(2013)」で東証1部銘柄について単独検索をしたところ、右の13銘柄がありました。 翌日3日に、5分足で条件表No.182とNo.183が同時に買いマークを出したものを買うとすると、7銘柄を仕掛けることができます。右図の赤色○をつけた銘柄です。 買ったならば、 ①5日間は買い玉を持続する、とするのが基本ですが、②1日に1%の利益が出たら利食いするとしてみます。
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