No.19 《Qエンジン24》のオートマで条件表を作る

2014年12月に執筆 ・・  HP目次へ.. 講座目次へ.

2014年4月に《カナル24》はVer.5になりました。Ver.5で追加した機能のうちで、条件表を設定するときに重要なものは、「統計」と「検証」の2つの機能です。2014年6月に、この2つの機能を使ってどうすれば成績のよい条件表が設定できるのかの講座No.18 「統計」と「検証」を繰り返せば成績がよい条件表ができる を執筆しました。

講座No.18を読まれて、「では私もその手順で条件表を設定してみよう」と挑戦されたユーザーがいると思いますが、1銘柄について(例えば日経平均とか日経先物のため)の条件表は何とかできただろうと思いますが、多くの銘柄を対象にした条件表を設定しようとすると、あまりにも作業量が膨大なものになることがわかり、ほとんどの方は頓挫されたと思います。

2014年12月に《Qエンジン24》Ver.5を出したのは、実にこのことをパソコンに任せて、膨大な作業をさせ、自動的によい条件表を生成させようという目的からでした。この作業は「オートマ」がやってくれます。従来もオートマはあり自動的に条件表を生成することはできましたが、その理論と手順は講座No.18出述べたものと少し違っていました。今回のオートマ講座No.18で述べた理論と手順を忠実に実行します。

理論から導かれた手順どおりにすればよいのだから、「オートマ」を実行するに際してはユーザーが迷うような選択肢はなくなりました。ほぼ「実行」ボタンをクリックするだけで条件表ができあがるといっても過言ではありません。 この講座では、「オートマ」用に用意されている条件表と、これを使って3つの条件表を生成する手順を解説します。

 [ 1 ] 用意されているトリガーと局面判別用の条件表
 [ 2 ] 日経先物用の寄引売買のための条件表を作る。
 [ 3 ] Core30用の寄引売買のための条件表を作る。
 [ 4 ] 日経225銘柄用の条件表を作る。(目標は10日間で5%以上の利益が出るような条件表)
 [ 5 ] 2014年の成績はどうだったか?



 [ 1 ] 用意されているトリガーと局面のための条件表について




右図はHPでお馴染みのNo.20「平均線と順位相関」のグラフですが、ある点で売買マークを表示するようにしています。
  1. 買いマークは、9日順位相関が-80を超えた日(a,b,c)に出す。

  2. 売りマークは、9日順位相関が+80を下回った日(A,B,C,D,E,F)に出す。

という簡単なものです。これらは「トリガー」です。

トリガーというのは、売買マークを出すときのキッカケのことです。この日が仕掛ける日だということがわかるチャートのある一点です。

例えば、図の(a,b,c)の日は何日間に一度しかないのでトリガーですが、「9日順位相関が+80以上になっている日」は何日間も続くことがあるので、これはトリガーではなく「局面」です。

すべてのトリガーがよい仕掛けのタイミングではありません。仮に、
  1. 売りマークがでたら翌日の始値で仕掛け、
  2. 6日目の始値で決済したとき、
  3. 1%以上の利益が出ているトリガーを成功とし、そうでないものを失敗したと判定する。

としましょう。すると(A,B,C,D,E)は次のように判定されます。
  1. 15194円で売り→15369円で決済=-1.1%の損失(失敗)
  2. 15474円で売り→15022円で決済=+3.0%の利益(成功)
  3. 15482円で売り→15701円で決済=-1.9%の損失(失敗)
  4. 16339円で売り→15882円で決済=+2.80%の利益(成功)
  5. 16869円で売り→17188円で決済=-1.8%の損失(失敗)

成功したトリガーは(B)と(D)の2つ、失敗したのは(A)(C)(E)の3つです。では(B)(D)では売りマークが出て、(A)(C)(E)では売りマークが出ないような条件表を作るにはどうすればよいのか? (B)(D)と(A)(C)(E)の日のその他のチャートがどうなっているのかを調べます。図では4本の平均線(9日・25日・75日・200日)と25日順位相関を使っているので、このチャートについて調べると次表のようになりました。

トリガー 25日順位相関 25日順位相関向き日数 9日線カイリ率 25日線カイリ率 75日線カイリ率 200日線カイリ率 9日線向き日数 25日線向き日数 75日線向き日数 200日線向き日数
B(成功) 60.2 +6日 0.3% 1.0% 4.3% 4.0% +9日 +52日 +23日 +50日
D(成功) 92.2 +2日 0.7% 2.7% 4.9% 7.4% +28日 +17日 +61日 +88日
A(失敗) 71.9 -1日 0.1% 0.8% 4.2% 3.1% +3日 +35日 +6日 +32日
C(失敗) 2.5 +7日 0.3% 0.9% 2.7% 3.4% +8日 +10日 +41日 +68日
E(失敗) 44.5 +10日 2.6% 7.2% 7.3% 11.1% +10日 +6日 +10日 +6日

上表では局面を表す10種類のチャートについて調べていますが、(B)(D)では売りマークがでて、(A)(C)(E)では売りマークが極力でないようにするには、次の売買条件をつければよいことがわかります。
  1. (25日順位相関)が60.2以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(A)の1例。成功率は66.6%。
  2. (25日順位相関の向き日数+6日以下のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(A)の1例。成功率は66.6%。
  3. (9日線カイリ率)が0.7%以下のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(A)(C)の2例。成功率は50.0%。
  4. (25日線カイリ率)が1.0%以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(E)の1例。成功率は66.6%。
  5. (75日線カイリ率)が4.3%以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(E)の1例。成功率は66.6%。
  6. (200日線カイリ率)が4.0%以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(E)の1例。成功率は66.6%。
  7. (9日線の向き日数)が+9日以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(E)の1例。成功率は66.6%。
  8. (25日線の向き日数)が+17日以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(A)の1例。成功率は66.6%。
  9. (75日線の向き日数)が+23日以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(C)の1例。成功率は66.6%。
  10. (200日線の向き日数)が+50日以上のとき、成功は(B)(D)の2例、失敗は(C)の1例。成功率は66.6%。

このようにトリガーの日の局面を表すチャートを調べると、どういう売買条件をつければよいのかがぼんやりとわかります。しかし、この例はトリガーの個数が5個で、チャートが10種類というごく小さなデータであるから手作業でもできたのです。もしトリガーが30000個あり、局面のチャートが150種類あるとするなら、4,500,000個の数値を調べなくてはなりません。次に、どういう売買条件をつけると最もよい判別ができるのかを検討して、ようやく1つの売買条件が決まります。条件表にたった1行の売買条件を設定するだけで、この作業量です。とうてい人間が手作業でできることではありません。これをラクラクとやってくれるのが「オートマ」です。

オートマには①トリガーの条件表と、②局面を判別するチャートの条件表の2つが必要ですが、《Qエンジン24》Ver.5 には次のように実用的なサンプルの条件表を用意しているので、ユーザーは①②を設定することなく、すぐにオートマに条件表を生成させることができます。

用意してあるトリガーの条件表

用意してある局面チャートの条件表

上の左側の図のNo.2~No.12は一般銘柄用のトリガーです。11種類あります。

上の右側の図のNo.17 ~No.27は日経先物用のトリガーです。同じく11種類あります。一般銘柄用に比べて短期間のトリガーが設定されています。

右図のNo.1~No.3は日経先物用の局面を判別するチャートの条件表です。

No.1「日経先物A」には22種類のチャート
No.2「日経先物B」には76種類のチャート
No.3「日経先物C」には144種類のチャート

が設定されています。

No.11~No.14が一般銘柄用の局面を判別するチャートの条件表です。

No.11「一般銘柄A」には22種類のチャート
No.12「一般銘柄B」には76種類のチャート
No.13「一般銘柄C」には120種類のチャート
No.14 「一般銘柄D」には156種類のチャート

が設定されています。

チャートの種類が多いNo.3(日経先物用)またはNo.14(一般銘柄用)を使えばよいでしょう。


 [ 2 ] 日経先物用の寄引売買のための条件表を作る



日経先物の「寄引売買」のための条件表をオートマで生成する手順と、できた条件表の成績を掲げます。 寄引売買とは売買マークが出たら、翌日の始値で仕掛け、その日の終値で決済します。1日(9:00~15:15)しか建て玉しないという単純なトレード法です。

次図は日経先物用のトリガーのひとつの(描画1)No.17「*トリガー 陰陽/順」の条件表の内容です。買いの条件は、No.3行で(陽線なら買い)、No.4で(昨日にこの5日間の最高値をつけていたら買い) という簡単なものです。



(a~h)の8個の買いマークが出ていますが、買いマークの出た翌日の始値が買い、その日の終値で決済したときの利益額は次のようになります。
  1. 13720→13600 (-120円)
  2. 14190→14480 (+290円)
  3. 13930→14010 (+ 80円)
  4. 13640→13410 (-230円)
  5. 13720→13650 (- 70円)
  6. 13580→13350 (-230円)
  7. 14110→14200 (+ 90円)
  8. 14290→14340 (+ 50円)

4勝4敗で、トータルで-140円の損失になっています。このトリガーにどういうチャートを組み合せると成績がよい条件表ができるのか? これをオートマを使って生成してみます。

(1)オートマを使う手順(寄引売買の買い)


1009「日経先物」を選択しておいて、 メニューの「オートマ」をクリック。


オートマ指示書の一覧表が現れるので、ここから日経先物の寄引売買用のオートマ指示書を選択します。

寄引売買用の指示書はNo.16「日経先物(BS)陰陽/順 寄引売買0.2%」とNo.17「日経先物(BS)陰陽/逆 寄引売買0.2%」に設定していますが、これはサンプルです。

日経先物用のトリガーは(描画1)No.17~No.27に11種類の設定をしていますから、トリガーの部分をNo.17~No.27に変更すれば、11種類の「日経先物の寄引売買用のオートマ指示書」ができます。

ここではNo.16の「日経先物(BS)陰陽/順 寄引売買0.2%」を例題とします。


オートマ指示書No.16の内容が表示されます。「寄引売買」のオートマ指示は次のことが重要です。
  1. 注目点と雑音点を仕分けする基準は(n基準)を選び、(0日後)の利益率が(0.2%)とします。

    (0.2%)の数字はユーザーが希望する数字を入力できますが、必ず(0日)としておかないと「寄引売買」になりません)。

  2. 計算用条件表は(計算2)No.3「日経先物C」を使いましたが、No.1「日経先物A」やNo.2「日経先物B」を指示してもかまいません。

  3. 最小注目数は(50個以上)としました。一般銘柄と違って、対象は日経先物1銘柄だけなので(50個)くらいが限界かと思いますが、できれば(100個)あれば生成した条件表の信頼性は高まります。

以上のことを確認したら「新規実行」ボタンをクリックすれば、(拡張4)の条件表No.33に、「陰陽/順」をトリガーとした寄引売買(買い)の条件表が自動的に生成されます。

(2)日経先物の寄引売買(買い)のための条件表の成績

オートマが生成した寄引売買(買い)の条件表の成績を表にまとめました。検証の前提は以下のようにしています。
  1. 対象期間は2001年1月~2013年12月までの13年間
  2. 売買ルールは、買いマークがでた翌日の始値で仕掛け、その日の終値で決済する。(寄引売買)
  3. 仕掛けの単位は「一定株数」とする。
  4. 手数料は(1.05円)とする。

なお「評価」欄に○印があるのは、①トレード数が50回以上あって、②平均利益額が30.0円以上、③勝率が70%以上、④PFが2.0倍以上 のものです。

また②③④を満足していている場合、「最小注目数」を(60回)に増やしたらトレード数が増加したものは(60回)の成績を掲げ、タイトルに「(60回)」を表記しています。

注目数が少なすぎてオートマが条件表を生成できなかったものには「評価」欄に「×」印をつけています。

(表1) 日経先物寄引売買(買い)の成績 (手数料は往復1.05円)

No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
33 陰陽足/順 (60回) 66回 5550.7円 84.1円 -302.1円 84.8 % 8.20倍
35 陰陽足/逆 59回 5618.1円 95.2円 -341.0円 84.7 % 5.72倍
37 5日線クロス (60回) 95回 4320.3円 45.5円 -354.2円 72.6 % 3.34倍
39 小波動 102回 1932.9円 19.0円 -362.1円 58.8 % 1.65倍 ×
41 5日高安/順 84回 2201.8円 26.2円 -363.1円 65.5 % 2.22倍 -
43 5日高安/逆 77回 2589.2円 33.6円 -560.5円 67.5 % 2.13倍 -
45 パラボリック 99回 616.1円 6.2円 -1139.4円 48.5 % 1.14倍 ×
47 7日RCI/順 65回 -368.2円 -5.7円 -951.5円 50.8 % 0.89倍 ×
49 7日RCI/逆 85回 2360.8円 27.8円 -681.0円 64.7 % 1.61倍 ×
51 5日/9日線クロス/順 100回 4085.0円 40.9円 -272.6円 63.0 % 2.86倍 ×
53 5日/9日線クロス/逆 65回 2791.8円 43.0円 -305.2円 73.8 % 3.20倍

(3)オートマを使う手順(寄引売買の売り)


(売り)の場合は、
  1. 生成する条件表を(売り条件)と指示し、

  2. 生成先条件表を、(買い条件)とは異なる条件表No.を指示します。

    これ以外は(買い)の指示とまったく同じです。

以上のことを確認したら「新規実行」ボタンをクリックすれば、(拡張4)の条件表No.34に、「陰陽/順」をトリガーとした寄引売買(売り)の条件表が自動的に生成されます。

(4)日経先物の寄引売買(売り)のための条件表の成績

オートマが生成した寄引売買(売り)の条件表の成績を表にまとめました。検証の前提は以下のようにしています。
  1. 対象期間は2001年1月~2013年12月までの13年間
  2. 売買ルールは、買いマークがでた翌日の始値で仕掛け、その日の終値で決済する。(寄引売買)
  3. 仕掛けの単位は「一定株数」とする。
  4. 手数料は(1.05円)とする。

なお「評価」欄に○印があるのは、①トレード数が50回以上あって、②平均利益額が30.0円以上、③勝率が70%以上、④PFが2.0倍以上 のものです。

また②③④を満足していている場合、「最小注目数」を(60回)に増やしたらトレード数が増加したものは(60回)の成績を掲げ、タイトルに「(60回)」を表記しています。

注目数が少なすぎてオートマが条件表を生成できなかったものには「評価」欄に「×」印をつけています。

(表2) 日経先物寄引売買(売り)の成績 (手数料は往復1.05円)
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
34 陰陽足/順  (60回) 63回 5833.9円 92.6円 -172.1円 87.3 % 8.13倍
36 陰陽足/逆 68回 3688.6円 54.2円 -323.1円 70.6 % 3.67倍
38 5日線クロス  (60回) 68回 5188.6円 76.3円 -251.0円 80.9 % 5.35倍
40 小波動 67回 2769.7円 41.3円 -457.3円 73.1 % 2.37倍
42 5日高安/順  (60回) 78回 4338.1円 55.6円 -161.0円 74.4 % 4.03倍
44 5日高安/逆  (60回) 79回 3767.1円 47.7円 -273.1円 77.2 % 3.28倍
46 パラボリック 101回 -1446.0円 -14.3円 -2009.7円 40.6 % 0.73倍 ×
48 7日RCI/順 82回 283.9円 3.5円 -1358.9円 45.1 % 1.09倍 ×
50 7日RCI/逆 77回 2979.2円 38.7円 -765.2円 71.4 % 2.51倍
52 5日/9日線クロス/順 64回 4122.8円 64.4円 -680.5円 76.6 % 4.31倍
54 5日/9日線クロス/逆 72回 3004.4円 41.7円 -342.1円 73.6 % 3.44倍

(5)生成した寄引売買の条件表をまとめる


(表1)で、成績がよかったのはNo.33、No.35、No.37、No.53 の4つの条件表でした。この4本を(拡張4)No.35「B 日経先物寄引売買」にまとめました。

また、(表2)で、成績がよかったのはNo.34、No.36、No.38、No.40、No.42、No.44、No.50、No.52、No.54 の9つの条件表でした。この9本を(拡張4)No.36「S 日経先物寄引売買」にまとめました。

最後に(拡張4)条件表No.35「B 日経先物寄引売買」の80行と(拡張4)条件表No.36「S 日経先物寄引売買」の166行を、(拡張4)No.37にまとめ「◎BS 日経先物寄引売買」としました。241行の巨大な条件表です。

(6)「日経先物寄引売買」の成績

拡張4)条件表No.35「B 日経先物寄引売買」、(拡張4)条件表No.36「S 日経先物寄引売買」、(拡張4)No.37「◎BS 日経先物寄引売買」の成績を表にまとめました。検証の前提は以下のようにしています。

  1. 対象期間は2001年1月~2013年12月までの13年間

  2. 売買ルールは、売買マークがでた翌日の始値で仕掛け、当日の終値で決済する。(寄引売買)

  3. 仕掛けの単位は「一定株数」とする。

  4. 手数料は往復で(1.05円)

  5. 同一日に反対の売買マークがでたときは仕掛けない。

  6. 同一日に複数の売買マークがでても1枚だけ仕掛ける。

(表3) 寄引売買の成績 (手数料は往復1.05円)

「評価」欄の印は、以下のことを表しています。
○・・・①平均利益が30円以上、②勝率が70%以上、③PFが2.0倍以上。
◎・・・①平均利益が5 0円以上、②勝率が75%以上、③PFが3.0倍以上。

No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
35 寄引売買(買い) 257回 15630.2円 60.8円 -547.3円 76.3 % 4.16倍
36 寄引売買(売り) 564回 30177.8円 53.5円 -646.3円 74.3 % 3.45倍
37 寄引売買(売買共) 751回 45881.5円 61.1円 -646.3円 77.2 % 4.26倍

No.35の(買い)とNo.36の(売り)を単純に合計すると、トレード数は821回(257+564)になるところですが、No.37(売買共)のトレード数は751回になっています。これは(同じ日に反対の売買マークが出たときは仕掛けない)という売買ルールによってトレードが制限されたためです。821回と751回の差の70回は同じ日に買いマークと売りマークが出ていたことになります。

このトレードの制限は成功しています。平均利益は(買い)の60.9円と(売り)の53.5円の中間にあってよいところですが、61.1円と最もよい数字になっています。これは勝率とPFにも同じことがいえます。

13年間で751回のトレードは、平均して年に57~58回のトレードをしていることになります。これはややもの足りませんが、ここで使った11種類のトリガー以外のトリガーを見つけていけば、次第にトレード数は増加していきます。

(7)「日経先物寄引売買」の年別成績

条件表を1つにまとめる(統合する)大きな理由は、①トレード数を増やすし、②仕掛ける日を分散させる(リスクの分散をする)、③結果として毎年安定した成績になるようにするためです。

安定した成績を出しているかどうかを知るには「検証結果」→「損益経過」→「年別成績」を見るのが一番です。年別成績の図を掲げます。

(表4)No.35「日経先物寄引売買(買い)」の年別成績


13年間で一度も損失になった年がないのは安定した成績です。また13年で257回のトレードをしているので、1年当たり20回のトレード数が平均値ですが、最も少なかった2013年でも11回のトレードがあります。平均値の1/2程度です。(平均値の1/4の5回程度のトレード数なら、極端にトレード数が少ないといってよい)

逆に2007年は33回のトレードをしていますが、平均値の1.6倍強でしかありません。2007年にトレードが集中しているわけでもありません。トレード数や平均利益がすべてプラスという点から(買い)の成績は安定しています。


(表5)No.36「日経先物寄引売買(売り)」の年別成績


13年間で一度も損失になった年がないのは安定した成績です。また13年で564回のトレードをしているので、1年当たり43回のトレード数が平均値ですが、最も少なかった2005年でも21回のトレードがあります。平均値の1/2ほどです。

逆に2008年は56回のトレードをしていますが、平均値の1.3倍でしかありません。2008年にトレードが集中しているわけではありません。トレード数や平均利益がすべてプラスという点から(売り)の成績も安定しています。


(表5)No.37「日経先物寄引売買(売買共)」の年別成績



13年間で一度も損失になった年がないのは安定した成績です。また13年で751回のトレードをしているので、1年当たり58回のトレード数が平均値ですが、最も少なかった2005年でも36回のトレードがあります。平均値の1/2にもなっていません。

逆に2007年は78回のトレードをしていますが、平均値の1.3倍強でしかありません。ある年にトレードが極端に少なかったり、多かったりはありません。トレード数や平均利益がすべてプラスという点から(売買共)の成績も安定しています。


 [ 3 ] Core30用の寄引売買のための条件表を作る



TOPIX Core30(コア30)の「寄引売買」のための条件表をオートマで生成する手順と、できた条件表の成績を掲げます。日経先物1銘柄を選択するか、Core30銘柄を選択するかの違いだけで、オートマの指示などはほぼ同じです。

結果ファイルNo.974「TOPIX Core30」を利用して、Cor30銘柄を選択しておいて、 メニューの「オートマ」をクリック。

(1)オートマ指示書を選ぶ


オートマ指示書の一覧表が現れるので、ここから一般銘柄(Core30)用の寄引売買用のオートマ指示書を選択します。

一般銘柄の寄引売買用の指示書はNo.94「Core30(BS) 寄引売買 1.0%」に設定していますが、これはサンプルです。

一般銘柄用のトリガーは(描画1)No.2~No.12に11種類の設定をしていますから、トリガーの部分をNo.2~No.12に変更すれば、11種類の「一般銘柄の寄引売買用のオートマ指示書」ができます。

オートマ指示書No.94の内容が表示されます。図の青色線の部分は変更することはありません。
  1. 対象期間は(2001年1月1日~2013年12月31日)とする。

  2. 注目点と雑音点を仕分けする基準は(n基準)を選び、(0日後)の利益率が(1.0%)とします。
    (1.0%)の数字はユーザーが希望する数字を入力できますが、必ず(0日)としておかないと「寄引売買」になりません)。

  3. 注雑ファイルはのちに変更することはないので、いつでもNp.199に記憶させることにします。No.199の内容はオートマをかけるたびに書き換えられます。

  4. 計算用条件表は(計算2)No.14「一般銘柄D」を使いましたが、No.11「一般銘柄A」やNo.12「一般銘柄B」などを指示してもかまいません。

  5. 最小注目数は(100個以上)としました。(100個)あれば生成した条件表の信頼性は高まります。



このオートマ指示で変化させるものは次の3点です。
  1. (買い)の条件か(売り)の条件かの指示をする。
  2. トリガーを変える。((描画1)のNo.2~No.12の11種類について条件表を生成する)
  3. 生成先条件表は、1)(買い)か(売り)か? 2)11種類のトリガーによって条件表No.を変更する。

    この例では、(買い)の条件表は奇数No.へ、(売り)の条件表は偶数No.へ生成するすることにします。具体的には次のNo.になります。
      (拡張5)No.1へは、(描画1)No.2のトリガーの(買い)の条件表を生成する
      (拡張5)No.2へは、(描画1)No.2のトリガーの(売り)の条件表を生成する
      (拡張5)No.3へは、(描画1)No.3のトリガーの(買い)の条件表を生成する
      (拡張5)No.4へは、(描画1)No.3のトリガーの(売り)の条件表を生成する
         :      :
      (拡張5)No.21へは、(描画1)No.12のトリガーの(買い)の条件表を生成する
      (拡張5)No.22へは、(描画1)No.12のトリガーの(売り)の条件表を生成する

以上のことを指示したら「新規実行」ボタンをクリックすれば、(拡張5)の条件表No.1に、(描画1)No.2「陰陽/順」をトリガーとした寄引売買(買い)の条件表が自動的に生成されます。

(2)トリガーNo.2の(買い)の条件表を作る


(拡張5)No.1へ(描画1)No.2「陰陽/順」をトリガーとした寄引売買(買い)の条件表が生成されました。

銘柄数が30銘柄と少ないので、だいたい10分くらいで条件表が生成されます。

注雑ファイルNo.199のタイトルをみると、注目点は1210個・雑音点は3939個ありました。始値で仕掛けて終値で決済したとき、1%以上の利益が出たのは30銘柄で延べ1210回、1%の利益が出なかったのは3939回あったわけです。

これは注目点と雑音点の仕分けを(0日で1%)とした場合ですが、例えば(0日で0.5%)とすれば、注目点はもっと多くなり、雑音点はもっと少なくなります。


(拡張5)No.1のトリガーNo.2(買い)の条件表は以下のようになっていました。



(3)トリガーNo.2の(売り)の条件表を作る


右図は(売り)の条件表の指示をし、(拡張5)No.2に(売り)の条件表を生成した直後の画面です。
  1. (売り)を指示し、

  2. トリガーは(描画1)No.2「一般銘柄 陰陽/順」をそのまま使う。

  3. (拡張5)No.2に、トリガーNo.2の(売り)の条件表を生成する。

注雑ファイルのタイトルをみると、注目点は1394個・雑音点は4587個ありました。生成された(拡張5)No.2は26行の条件表になっていました。

(拡張5)No.2のトリガーNo.2(売り)の条件表は以下のようになっていました。



(4)トリガーNo.3の(買い)の条件表を作る


右図は(描画1)No.3のトリガーを使って(買い)の条件表の指示をし、(拡張5)No.3に(買い)の条件表を生成した直後の画面です。
  1. (買い)を指示し、

  2. トリガーは(描画1)No.3「一般銘柄 陰陽/逆」に変更する。

  3. (拡張5)No.3に、トリガーNo.3の(買い)の条件表を生成する。

注雑ファイルのタイトルをみると、注目点は764個・雑音点は2430個ありました。注目点が少ないのは、「足型」が陰線のときの買いはあまり成功していないということです。

(5)生成された(拡張5)No.1~No.22の「検証」をする

「連続検証」を使って、22本の条件表を一度に「検証」します。


結果ファイルNo.974「TOPIX Core30」を利用して、Cor30銘柄を選択しておいて、 メニューの「検証」→「連続検証」をクリック。

「連続検証」の画面が出たら、
  1. (拡張5)に切り替え、

  2. No.1~No.22の22本の条件表を選択し、

  3. 「売買ルールを見る」をクリックすると、No.1の売買ルールが表示されるので、次のようになっているかを確認します。

    1)翌日の始値で仕掛ける
    2)時間切れは(1日)
    3)当日の終値で決済する
    4)同一日に反対の売買マークが出たときは仕掛けない

  4. 売買ルールが正しければ、「売買ルールを連続して複写する」ボタンをクリックすれば、No.1~No.22の売買ルールは、No.1の売買ルールと同じものになります。

  5. 「実行」ボタンをクリックすると「連続検証」ができます。

(6)Core30の寄引売買(買い)のための条件表の成績

オートマが生成した寄引売買(買い)の条件表の成績を表にまとめました。検証の前提は以下のようにしています。
  1. 対象期間は2001年1月~2013年12月までの13年間
  2. 売買ルールは、買いマークがでた翌日の始値で仕掛け、その日の終値で決済する。(寄引売買)
  3. 仕掛けの単位は「理論金額」とする。
  4. 手数料は片道(0.1%)とする。
  5. 同一日に反対の売買マークが出たときは仕掛けない。
  6. 同一日に複数の銘柄が売買マークを出したときは、株価が最も高い1銘柄だけを仕掛ける。

「評価」欄印は、トレード数が100回以上あって、
○印・・・①平均利益率が 0.5%以上、②勝率が70%以上、③PFが2.0倍以上のもの。
◎印・・・①平均利益が0.5%以上、②勝率が75%以上、③PFが3.0倍以上 のもの。
△印・・・①利益率、②勝率、③PF のどれか1つが不合格のもの。

(表1) Core30寄引売買(買い)の成績 (手数料は往復0.2%)
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
1 陰陽足/順 85回 55.32% 0.65% -12.4% 52.9 % 1.72倍 -
3 陰陽足/逆 68回 56.44% 0.83% -17.7% 73.5 % 2.01倍 -
5 9日線クロス (90回) 102回 54.89% 0.54% -13.1% 63.7 % 1.72倍 -
7 小波動 161回 72.63% 0.45% -19.1% 60.9 % 1.64倍 -
9 9日高安/順 (90回) 129回 122.97% 0.95% -8.7% 60.5 % 2.80倍
11 9日高安/逆 (90回) 123回 87.37% 0.71% -21.6% 65.9 % 1.96倍 -
13 パラボリック 123回 115.58% 0.94% -7.3% 68.3 % 2.96倍
15 9日RCI/順 155回 68.17% 0.44% -10.5% 60.6 % 1.70倍 -
17 9日RCI/逆 148回 113.78% 0.77% -17.9% 62.2 % 2.12倍
19 9日/25日線クロス/順 179回 31.17% 0.17% -15.0% 52.5 % 1.22倍 -
21 9日/25日線クロス/逆 198回 9.51% 0.05% -26.8% 47.0 % 1.06倍 -

(7)Core30の寄引売買(売り)のための条件表の成績

オートマが生成した寄引売買(売り)の条件表の成績を表にまとめました。
「評価」欄印は、トレード数が100回以上あって、
○印・・・①平均利益率が 0.5%以上、②勝率が70%以上、③PFが2.0倍以上のもの。
◎印・・・①平均利益が0.5%以上、②勝率が75%以上、③PFが3.0倍以上 のもの。
△印・・・①利益率、②勝率、③PF のどれか1つが不合格のもの。

(表2) Core30寄引売買(売り)の成績 (手数料は往復0.2%)
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
2 陰陽足/順 114回 135.27% 1.19% -10.5% 79.8 % 4.00倍
4 陰陽足/逆 107回 80.34% 0.75% -20.1% 70.1 % 2.42倍
6 9日線クロス 134回 108.62% 0.81% -7.2% 74.6 % 3.17倍
8 小波動 105回 93.29% 0.89% -13.7% 73.3 % 2.49倍
10 9日高安/順 136回 101.76% 0.75% -13.8% 64.7 % 1.92倍 -
12 9日高安/逆 108回 109.97% 1.02% -8.6% 74.1 % 3.50倍
14 パラボリック 147回 57.37% 0.39% -14.2% 55.1 % 1.58倍 -
16 9日RCI/順 131回 96.21% 0.73% -11.9% 64.1 % 2.31倍 -
18 9日RCI/逆 114回 87.77% 0.77% -8.8% 70.2 % 2.65倍
20 9日/25日線クロス/順 150回 78.17% 0.52% -8.3% 62.0 % 1.98倍 -
22 9日/25日線クロス/逆 159回 84.42% 0.53% -20.6% 66.0 % 1.96倍 -

(8)統合したときの成績

(買い)の(標準4)条件表No.32には、(表1)のNo.9、No.13、No.17の3つを統合(1つにまとめる)しました。(売り)の(標準4)条件表No.33には、(表2)のNo.2、No.4、No.6、No.8、No.12、No.18の6つを統合しました。

「評価」欄印は、トレード数が100回以上あって、
○印・・・①平均利益率が 0.5%以上、②勝率が70%以上、③PFが2.0倍以上のもの。
◎印・・・①平均利益が0.5%以上、②勝率が75%以上、③PFが3.0倍以上 のもの。
△印・・・①利益率、②勝率、③PF のどれか1つが不合格のもの。

(表3) 寄引売買の成績 (手数料は往復0.2%)
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
32 Core30 寄引売買(買い) 366回 284.75% 0.78% -12.6% 62.8 % 2.35倍
33 Core30 寄引売買(売り) 583回 484.87% 0.83% -12.1# 72.4 % 2.76倍
34 Core30 寄引売買(売買共) 934回 788.57% 0.84% -11.7%円 69.5 % 2.72倍

No.32の(買い)とNo.33の(売り)を単純に合計すると、トレード数は949回(366+583)になるところですが、No.47(売買共)のトレード数は9341回になっています。これは(同じ日に反対の売買マークが出たときは仕掛けない)という売買ルールによってトレードが制限されたためです。949回と934回の差の15回は同じ日に買いマークと売りマークが出ていたことになります。

13年間で934回のトレードは、平均して年に72回のトレードをしていることになります。これはややもの足りませんが、ここで使った11種類のトリガー以外のトリガーを見つけていけば、次第にトレード数は増加していきます。

(9)「Core30 寄引売買」の年別成績

条件表を1つにまとめる(統合する)大きな理由は、①トレード数を増やすし、②仕掛ける日を分散させる(リスクの分散をする)、③結果として毎年安定した成績になるようにするためです。

安定した成績を出しているかどうかを知るには「検証結果」→「損益経過」→「年別成績」を見るのが一番です。年別成績の図を掲げます。

(表4)No.32「Core30 寄引売買(買い)」の年別成績



13年間のうち2010年に累積損益%が-0.69%とわずかな損失を出しています。また13年で366回のトレードをしているので、1年当たり28回のトレード数が平均値ですが、最も少なかった2005年は4回のトレードしかありません。平均値の1/7程度です。これは極端に少ないトレード数であるといえます。(平均値の1/4の5回程度のトレード数なら、極端にトレード数が少ないといってよい)

逆に2008年は66回のトレードをしていますが、平均値の2.3倍強です。2008年にトレードが集中しているわけではないが、2005年の極端に少ないトレード数を見ると、(買い)の成績は不安定であるといえます。買いマークが出ても、翌日の寄引売買で利益になることはナカナカ難しいことがわかります。


(表5)No.33「Core30 寄引売買(売り)」の年別成績


13年間で一度も損失になった年がないのは安定した成績です。また13年で583回のトレードをしているので、1年当たり45回のトレード数が平均値ですが、最も少なかった2005年は14回のトレードがあります。平均値の1/3ほどです。

逆に2008年は98回のトレードをしていますが、平均値の2.2倍です。2005年の14回と2008年の98回を比べると、やや年によってトレードが集中したり、疎らになったりしていますが、(買い)ほどにはトレードの偏りは小さいといえます。トレード数や平均利益がすべてプラスという点から(売り)の成績はある程度安定しているといえます。


(表6)No.34「Core30 寄引売買(売買共)」の年別成績



13年間で一度も損失になった年がないのは安定した成績です。また13年で934回のトレードをしているので、1年当たり72回のトレード数が平均値ですが、最も少なかった2005年は18回のトレードしかありません。平均値の1/4になっています。これはトレード数が少なすぎます。

逆に2008年は162回のトレードをしていますが、平均値の2.2倍強でしかありません。2005年のように極端にトレード数が少な少ない年はありますが、概ね(売買共)の成績は比較的に安定しているといえます。


 [ 4 ] 日経225銘柄用の条件表を作る



日経225銘柄について(買い)の条件表をオートマで生成する手順と、できた条件表の成績を掲げます。


結果ファイルNo.980「日経225銘柄」を指定して、225銘柄を選択しておいて、 メニューの「オートマ」をクリック。



オートマ指示書の一覧表が現れるので、ここから一般銘柄用のオートマ指示書を選択します。一般銘柄用の指示書は、局面を絞るチャートを設定してある「描画用条件表」の違いによって、次の4種類があります。
  1. (描画用条件表A)・・・22種類の基本的なチャートが設定してある。

    トリガーによって(No.20~No.32)の13個の指示書がある。

  2. (描画用条件表B)・・・76種類の基本的なチャートが設定してある。

    トリガーによって(No.35~No.47)の13個の指示書がある。

  3. (描画用条件表C)・・・120種類の基本的なチャートが設定してある。

    トリガーによって(No.50~No.62)の13個の指示書がある。

  4. (描画用条件表D)・・・156種類の基本的なチャートが設定してある。

  5. トリガーによって(No.80~No.92)の13個の指示書がある。

図の(No.80~No.92)はトリガーが違うだけです。 ここではNo.82の「一般銘柄(BS)陰陽/順 m10D5% Cルール」を例題とします。

オートマ指示書No.82の内容が表示されます。図の青色線の部分は変更することはありません。
  1. 対象期間は(2001年1月1日~2013年12月31日)とする。

  2. 注目点と雑音点を仕分けする基準は(m基準)を選び、「10日間で+5%以上上昇、-5%以上下落しない」とする。

  3. 注雑ファイルはのちに変更することはないので、いつでもNp.199に記憶させることにします。No.199の内容はオートマをかけるたびに書き換えられます。

  4. 計算用条件表は(計算2)No.14「一般銘柄D」を使いましたが、No.11「一般銘柄A」やNo.12「一般銘柄B」などを指示してもかまいません。

  5. 最小注目数は(100個以上)としました。(100個)あれば生成した条件表の信頼性は高まります。


このオートマ指示で変化させるものは次の3点です。
  1. (買い)の条件か(売り)の条件かの指示をする。
  2. トリガーを変える。((描画1)のNo.2~No.12の11種類について条件表を生成する)
  3. 生成先条件表は、1)(買い)か(売り)か? 2)11種類のトリガーによって条件表No.を変更する。

    この例では、(買い)の条件表は奇数No.へ、(売り)の条件表は偶数No.へ生成するすることにします。具体的には次のNo.になります。
      (拡張4)No.163へは、(描画1)No.2のトリガーの(買い)の条件表を生成する
      (拡張4)No.164へは、(描画1)No.2のトリガーの(売り)の条件表を生成する
      (拡張4)No.165へは、(描画1)No.3のトリガーの(買い)の条件表を生成する
      (拡張4)No.166へは、(描画1)No.3のトリガーの(売り)の条件表を生成する
         :      :
      (拡張4)No.183へは、(描画1)No.12のトリガーの(買い)の条件表を生成する
      (拡張4)No.184へは、(描画1)No.12のトリガーの(売り)の条件表を生成する


以上のことを確認したら「新規実行」ボタンをクリックすれば、(拡張4)の条件表No.163に、「トリガー  陰陽/順」をトリガーとした(買い)の条件表が自動的に生成されます。

(2)生成された(拡張4)No.163~No.184の「検証」をする

「連続検証」を使って、22本の条件表を一度に「検証」します。


結果ファイルNo.980「日経225銘柄」を利用して、日経225銘柄を選択しておいて、 メニューの「検証」→「連続検証」をクリック。

「連続検証」の画面が出たら、
  1. (拡張4)に切り替え、

  2. No.163~No.184の22本の条件表を選択し、

  3. 「売買ルールを見る」をクリックすると、No.163の売買ルールが表示されるので、次のようになっているかを確認します。

    1)翌日の始値で仕掛ける
    2)時間切れは(10日)
    3)仕掛けた日の10日後の始値で決済する
    4)同一日に反対の売買マークが出たときは仕掛けない

  4. 売買ルールが正しければ、「売買ルールを連続して複写する」ボタンをクリックすれば、No.163~No.184の売買ルールは、No.163の売買ルールと同じものになります。

  5. 「実行」ボタンをクリックすると「連続検証」ができます。

(3)「一般銘柄D」で局面を絞った条件表の成績

オートマが生成した(買い)と(売り)の条件表の成績を表にまとめました。検証の前提は以下のようにしています。
  1. 対象期間は2001年1月~2013年12月までの13年間
  2. 売買ルールは、買いマークがでた翌日の始値で仕掛け、10日後の翌日の始値で決済する。
    (丸10日間建て玉する)
  3. 仕掛けの単位は「理論金額」とする。
  4. 手数料は考慮しない(0円)
  5. 同じ日に複数の銘柄が売買マークを出していたら、株価の最も高い1銘柄だけを仕掛ける。

なお「評価」欄の、
○は、①トレード数が70回以上あって、②平均利益が3.0%以上、③勝率が66%以上、④PFが3.0倍以上 のもの。
◎は、①トレード数が70回以上あって、②平均利益が5.0%以上、③勝率が75%以上、④PFが5.0倍以上 のもの。
□は、2001年~2013年の年別成績が無敗のもの。

(表1) 「一般銘柄D」(買い)の成績 (手数料なし)
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
163 陰陽足/順 70回 617.9 % 8.83 % -21.7 % 85.7 % 13.41倍 ◎□
165 陰陽足/逆 35回 263.2 % 7.52 % -8.5 % 77.1 % 12.07倍 -□
167 9日線クロス 69回 543.3 % 7.88 % -13.8 % 87.0 % 14.32倍 -□
169 小波動 58回 395.7 % 6.82 % -41.5 % 81.0 % 5.30倍 -
171 9日高安/順 74回 460.4 % 6.22 % -10.5 % 81.1 % 8.09倍 ◎□
173 5日高安/逆 45回 258.7 % 5.75 % -23.6 % 80.0 % 4.62倍 -
175 パラボリック< 71回 498.8 % 7.03 % -17.1 % 84.5 % 10.34倍 ◎□
177 9日RCI/順 31回 219.0 % 7.07 % -11.1 % 71.0 % 10.36倍 -
179 9日RCI/逆 60回 235.0 % 3.92 % -62.3 % 70.0 % 2.97倍 -
181 9日/25日線クロス/順 70回 352.5 % 5.04 % -31.5 % 78.6 % 4.83倍
183 9日/25日線クロス/逆 77回 418.8 % 5.44 % -27.3 % 74.0 % 6.58倍

評価欄に◎か○が付いているものは5個あります。


(表2) 「一般銘柄D」(売り)の成績 (手数料なし)
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
164 陰陽足/順 71回 348.4 % 4.91 % -18.1 % 80.3 % 6.35倍 ○□
166 陰陽足/逆 64回 447.9 % 7.00 % -15.7 % 81.3 % 7.98倍 -
168 9日線クロス 55回 322.3 % 5.86 % -25.3 % 78.2 % 6.98倍 -
170 小波動 54回 517.9 % 9.59 % -18.3 % 94.4 % 16.79倍 -□
172 9日高安/順 74回 442.0 % 5.97 % -57.8 % 74.3 % 4.40倍
174 5日高安/逆 91回 425.4 % 4.68 % -93.1 % 76.9 % 2.44倍 -
176 パラボリック 66回 406.8 % 6.16 % -26.1 % 77.3 % 6.19倍 -
178 9日RCI/順 90回 313.2 % 3.48 % -40.4 % 76.7 % 3.46倍
180 9日RCI/逆 48回 302.7 % 6.31 % -11.8 % 85.4 % 10.56倍 -
182 9日/25日線クロス/順 78回 462.6 % 5.93 % -19.4 % 80.8 % 7.37倍
184 9日/25日線クロス/逆 33回 284.7 % 8.63 % -8.6 % 87.9 % 21.14倍 -□

評価欄に◎か○が付いているものは4 個あります。

(4)統合したときの成績


(買い)の(標準4)条件表No.185には、(表1)のNo.163、No.171、No.175、No.181、No.183の5つを統合(1つにまとめる)しました。また(売り)の(標準4)条件表No.186には、(表2)のNo.164、No.172、No.178、No.182の4つを統合しました。

(拡張4)No.187には、No.185とNo.186を統合して(売買共)の条件表にしました。

この成績は次のようになります。

(表3)「一般銘柄D」(買い)(売り)を統合したときの成績 (手数料なし)
なお「評価」欄の、
○は、①トレード数が70回以上あって、②平均利益が3.0%以上、③勝率が66%以上、④PFが3.0倍以上 のもの。
◎は、①トレード数が70回以上あって、②平均利益が5.0%以上、③勝率が75%以上、④PFが5.0倍以上 のもの。

No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
185 「一般銘柄D」の5つの条件表を統合(No.163,171,175,181,183) 332回 2114.3 % 6.37 % -32.4 % 80.1 % 7.67倍
186 「一般銘柄D」の4つの条件表を統合(No.164,172,178,182) 288回 1272.8 % 4.42 % -62.8 % 76.0 % 3.90倍
187 「一般銘柄D」のNo.185(買い)とNo.186(売り)を統合。

620回 3408.7 % 5.50 % -57.2 % 78.2 % 5.49倍

(5)統合した条件表No.187の年別成績



「一般銘柄D」の欠陥は、(2005年)のトレード数が2回しかないことです。2005年は例外的な年であったとすることもできますが、2005年のような年にもトレードできるようにするには、もう少し工夫する必要があります。


 [ 5 ] 2014年の成績はどうだったか?



この講座では、オートマを使って、
  1. 日経先物用の寄引売買のための条件表
  2. Core30用の寄引売買のための条件表
  3. 日経225銘柄用の条件表

の3種類の条件表を生成しました。これらはどれも2001年1月~2013年12月までの13年間のデータを手本として作ったものです。では2014年はどのような成績を出したのか? オートマで生成した条件表は役立ったのか? を掲げます。(この章は、2015年のデータが揃うのをまって、2015年1月10日に執筆しました)

(1) 日経先物の寄引売買のための条件表No.37の2014年の成績


8月以降の売買マークについて検討すると、

(A)8月5日(売り)15260円→15140円 (+120円)

(a)8月6日(買い)15140円→15190円 (+50円)

(b)8月11日(買い)15160円→15150円 (-10円)

(B)8月14日(売り)15310円→15320円 (-10円)

(C)8月15日(売り)15340円→15330円 (+10円)

(c)9月1日(買い)15520円→15670円 (+150円)

(D)9月11日(売り)15870円→15880円 (-10円)

(E)9月18日(売り)16100円→16220円 (-120円)
(F)9月29日(売り)16240円→16140円 (+100円)
(G)9月30日(売り)16170円→16110円 (+60円)
(d)10月6日(買い)15820円→15820円 (0円)
(e)10月20日(買い)15110円→14780円 (-330円)
(H)10月24日(売り)15400円→15400円 (0円)
(I)11月14日(売り)17400円→17040円 (+360円)

となっています。なお(x)の日が2度ありますが、この日は買いと売りマークが同時にでているのでトレードはしません。

2014年の成績は次のようになります。売買ルールは以下。
  1. 売買マークが出た翌日の始値で仕掛け、
  2. その日の終値で決済する。
  3. 手数料は往復1.05円
  4. 同一日に反対の売買マークが出ているときはトレードしない。

 
  1. 57回のトレードをして
  2. 累計利益は1070.2円だった(ラージなら107.02万円、ミニなら10.70万円の利益)
  3. 平均利益は1回のトレード当たり18.8円。
  4. 勝率は54.4%
  5. PFは1.47倍


実際のところ2014年の相場は変則でした、変則というのはチャート(相場つき)から次のチャートが生まれるのではなく、材料が次のチャートを作っていったということです。

「日経先物のための寄引売買システム」は2010年から2013年の4年間にわたり毎年1年限りで発売してきました。手本とした期間に応じて(2008)(2009)(2010)(2011)と名づけており、全部で26本の条件表になります。

2009年~2013年の成績は全体的にみれば悪くはありませんが、2012年には多くのシステムがマイナスになりました。(2013年は全部が大幅なプラス)

2014年の成績を見ると、「日経先物のための寄引売買システム」の26本の条件表のうちでプラスになったのは4本に過ぎません。最もよいものが(2010)のNo.24で、累計損益が+644.9円(勝率65.1%)、次いで(2008)のNo.4で、累計損益が+430.2円(勝率50.0%)です。

今回オートマで生成した(標準4)No.37の累計損益は +1070.2円(勝率54.4%)です。これは過去4年間に発売した26本の条件表のどれよりもよい成績です(もっとも2014年に限ってのことだが)。何も考えることなくオートマで生成した条件表は、2014年につい てはよい成績でした。

(2) Core30の寄引売買のための条件表No.34の2014年の成績


6758「ソニー」の売買マークについて検討すると、

(A)9月11日(売り)2154円→2127円 (+24円)

(B)10月7日(売り)1874円→1915円 (-41円)

(C)11月26日(売り)2516円→2500円 (+16円)

(D)12月2日(売り)2461円→2596円 (+45円)

売買ルールは次のようにしています。
  1. Core30銘柄について、売買マークが出た翌日の始値で仕掛け、
  2. その日の終値で決済する。
  3. 仕掛ける単位は(理論金額)とし、
  4. 手数料は往復0.2%とする。
  5. 同一日に反対の売買マークが出ているときはトレードしない。
  6. 同一日に複数の銘柄が売買マークを出しているときは、株価が最も高いものを仕掛ける。
 



2001年~2013年の1年円間は損益がマイナスになった年はありません

  1. 19回のトレードをして
  2. 累計利益は39.5M(3.95%)だった。
  3. 平均利益は1回のトレード当たり2.1M(0.21%)。
  4. 勝率は68.4%
  5. PFは1.53倍

となっていますが、トレード数は2005年の18回とほぼ同じで、したがってる累計損益も小さい。ただ勝率だけはよい。という結果になっています。

売買ルールの(同一日に複数の銘柄が売買マークを出しているときは、株価が最も高いものを仕掛ける)というルールをはずして、(同一日に複数の銘柄が売買マークを出したときは、そのすべての銘柄を仕掛ける)と変更しても、次図のようにトレード数は21回に増えるだけです。



2014年は2005年(トレード数は21回)と同様に売買マークが出にくい、変動が少ない年であったといえます。
なお2013年2月に「core30のための寄引売買(30-2011)」を発売しましたが、ここにはNo.195~No.199の5本の条件表が収められています。この5本の2014年の成績は次のようになります。売買ルールは以下。
  1. Core30銘柄について、売買マークが出た翌日の始値で仕掛け、
  2. その日の終値で決済する。
  3. 仕掛ける単位は(理論金額)とし、
  4. 手数料は往復0.2%とする。
  5. 同一日に反対の売買マークが出ているときはトレードしない。


5本の条件表と今回オートマで作ったNo.34の成績の順序を見ると、
  1. トレード数(19回)は最も少なく第6位。
  2. 累計利益(39.5M)はNo.195よりもよく第5位。
  3. 平均利益(2.1M)はNo.199(4.4M)・No.198(3.5M)に次いで第3位。
  4. 利益率(68.45)はどれよりもよく第1位。
  5. PF(1.53倍)はNo.199(1.94倍)・No.198(1.75倍)に次いで第3位。
となっています。「Core30(2011)」の5本の条件表のうちで、だいたい中間の成績です。これは2014年だけのことなので今後の成績はどうなるかわかりませんが、機械的にオートマに「core30のための寄引売買」の条件表を生成させても、そこそこの成績がでると思われます。

(3) 一般銘柄のための条件表No.187とNo.188の2014年の成績

  1. 日経225銘柄について、売買マークが出た翌日の始値で仕掛け、
  2. その日の終値で決済する。
  3. 仕掛け中に反対の売買マークが出たら決済する。
  4. 仕掛ける単位は(理論金額)とし、
  5. 手数料は往復0.2%とする。
  6. 同一日に反対の売買マークが出ているときはトレードしない。
  7. 同一日に複数の銘柄が売買マークを出しているときは、株価が最も高いものを仕掛ける。

  という売買ルールによって、 2001年~2014年のトレードをしたときの年別成績は次のようになりました。




2001年~2013年までで成績が悪かった年は、①トレード数が2回しかなかった2005年、②平均利益が34.8M(=3.48%)だった2005年、③勝率が73.5%だった2002年、④PFが2.61倍だった2002年です。 ところが2014年はこれ以上に悪い年となっています。
  1. 9回のトレードをして3勝・6敗
  2. 累計利益は-148.3M(=-14.8%)
  3. 平均利益は-16.5M(=-1.65%)
  4. 勝率は33.3%
  5. PFは0.47倍

です。この14年間で最悪の成績です。2001年~2013年を手本にして作った条件表なので、2001年~2013年の成績はよくて当然ですが、2014年は悪過ぎます。またこの9回のトレードはのうち8回は買いマークによるものです。2014年は2001年~2013年にはなかったような局面が出たとしかいえません。

オートマがいくら手本に合うような条件表を生成したとしても、手本にないことが出現すればよい成績はでないという悪い見本が2014年でした。今後は2014年が終わったなら2001年~2014年の期間を対象にして、新しい条件表を作らねばなりません。

2014年に、どういう日に買いマークが出たのかをグラフに掲げます。
  1. 7735「スクリーン」1月23日(空色)、530円買い→521円決済 (-1.70%)

  2. 5803「フジクラ」2月22日(ピンク)、489円買い→459円決済 (-6.13%)

  3. 6367「ダイキン」2月28日(ピンク)、5712円買い→5324円決済 (-6.79%)



  4. 7951「ヤマハ」3月6日(ピンク)、1434円買い→1302円決済 (-9.21%)

  5. 6367「アルプス」4月7日(ピンク)、1165円買い→1142円決済 (-1.97%)

  6. 7012「川重」5月9日(ピンク)、378円買い→374円決済 (-1.06%)



  7. 7004「日立造」5月22日(赤色)、477円買い→518円決済 (-8.60%)

  8. 5413「日新鋼」8月11日(空色)、1139円買い→1167円決済 (-+2.46%)

失敗した日の売買マークを調べると、ピンク色の買いマークが5か所でていて、これは全部いけません。

ピンク色の買いマークは、 [ 4 ] 「日経225銘柄用の条件表を作る」の(表1)のNo.181が出しています。 また空色の買いマークは2か所あって、1つは成功しているがいまひとつは失敗しています。空色の買いマークはNo.183が出しています。

(No.181の2001年~2013年の成績)


No.181は2001年と2012年の年別成績がマイナスになって、2014年の年別の累計利益は-261.7Mです。

(No.183の2001年~2013年の成績)
No.183は2004年と2008年にマイナスになっていて、2014年の年別の累計利益は+3.6Mでしかありません。13年間のうち2年もマイナスになる年があれば、今後も年別の累計利益がマイナスになる年がでてくる可能性が高くなります。そこで、2001年~2013年の13年間にマイナスになっていない条件表を探してみると、(買い)の条件表はNo.163,No.165,No.167,No.171,No.175の5つがあり、(売り)の条件表はNo.164,No.170,No.184の3つがありました。

この8つの条件表を統合して、No.188「一般銘柄D(13年無敗)」と名づけ、検証をすると次のようになります。




オートマが生成したNo.163~No.184の条件表は同じものですが、1つの条件表に統合するときに工夫をすれば、成績は変わってくるという例です。オートマはほとんどの点で自動化されていますが、できた条件表を最後に総合することは自動化されていません。
  1. 累計利益が大きいものをまとめる
  2. 平均利益が大きいものをまとめる
  3. 勝率が高いものをまとめる
  4. 年別の利益が無敗のものをまとめる
など、目のつけどころによって、統合した条件表の成績は違ってくるので、いろいろと試してみてください。


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執筆:坂本 正治