No.12 一般銘柄のピーク・ボトムの判定のしかた

2010年12月に執筆 ・・  HP目次へ.. 講座目次へ.


①仕掛けこそ重要、利食いの判断で悩むことはない



(10.11.22) TOPIX 875P(+5)  日経平均 10115円(+92)  17.4億株  (1兆1445億円)

相場が堅調になったせいか、相ついで投資相談がありました。相談といっても、私にすれば単に「うろたえている」としか思えませんでした。

ナスダックが(a)をつけた翌日に、保有しているソフトバンクをどうすればよいか?のメールがありました。次のような返事をしました。

NYは50日上昇してきたので、それなりの(10日とか)調整があるでしょうが、日本は、
①ロケットスタートをし、
②まだ上昇期間も短いし、
③過熱していない(ピークらしさは3か4ポイント)
なので大きな崩れはないと思います。

だが、この返事はあまり適切ではなかった。保有株式を損切りすべきか持続すべきかを判断するには、しっかりした相場感が必要である。との誤解を与えてしまいかねませんでした。この場合の相場感にはたいしたご利益はありません。極端にいえば利食いや損切りをするための相場感はいらないのです。

その株式を仕掛けた以上、その後の相場がどうなろうとも、「こうなれば決済する」という基準があれば、投資相談をする必要はありません。基準がないから毎日毎日今日はどうなるか、明日はどうなるかと悩むのです。迷った挙句に下した判断が正しいはずはありません。

相場で利益するには、①仕掛けが正しく、②決済が正しくなければならない、そのために③毎日相場がどうなるかを予想しなければならない。そう思うのは大間違いです。ナスダックが25日線を割込んだ(b)の日の翌朝、再び同じユーザーから投資相談がきました。今回は私の相場感はいわずに、株価終値が9日平均線を下回ったら売却すればよい、といい、 株式講座No.1 売買のしかた実況中継 を熟読するように勧めました。

相場を真剣に見るべきところは、「小波動のピーク・ボトムらしいか 」と判断するときだけです。ボトムらしいと判断して買った後は、悩むことはありません。

9984「ソフトバンク」は2010年10月27日に、75日線の水準で下落が止まるのではなかろうか、といいました。これは私の相場感です。相場感が正しかったのかといわれれば、75日線を割込んだので間違いといえば間違いです。 だが肝心なことは、75日線で止まるか止まらないかではなく、「小波動のボトムらしさ」が出たか出ていないかをカウントすることです。

上図で、(A)の日のポイントは、①新安値の、②陽線であり、右図では、③逆張りの条件表No.2が買いマーク、④25日騰落レシオが買いマーク、⑤25日投資マインド指数が買いマーク。合計5ポイントです。(A)の翌日の寄り付きで買う人はリスクとリターンを5分5分で行動できる人です。

翌日は⑥「窓空け陽線」となりました。この日が仕掛けて5分5分ないしは6分4分の確率の日です。 図の(B)を見て仕掛けなかった人は判断が遅すぎます。 では(B)の翌日の寄り付きで買ったときはどうすればよいのか?


買ったならばその後は、粛々と決済するタイミングを待つだけです。一番簡単なのは、①株価終値が9日線を下回ったときです。ソフトバンクは(B)以降、一度も9日線を下回っていないので、買い持続すればよいのです。ソフトバンクの例は、投資相談をするほどの事例ではありません。

人は利食いのタイミングを知りたいようですが、それは得ようとして得られるものではありません。(利食いのタイミングを他人に尋ねるのは間違っている。神様しかこれはわからない)。重要なのは利食いのタイミングではありません。「仕掛けるタイミング」です。真剣に判断し、仕掛けた後は、決済する基準に基づいて手仕舞えばよいのであって、今日決済しようかどうかとヤキモキする必要はなく、タンタンと決済の基準に基づいて手仕舞えばよいのです。


②仕掛けるには小波動のピーク・ボトムの判断ができなければならない



(10.11.24) TOPIX 866P(-8)  日経平均 10030円(-85)  21.2億株  (1兆4204億円)

3730「マクロミル」を保有しているユーザーから「急騰してきたので処分すべきかどうか」の相談を受けました。受けたのは図の青色●をつけた翌日(日曜日だった)です。

この方はどこで買われたのかは知りませんが、利が乗っていようとなかろうと、買った以上は決済べき客観的な水準を決めておかねばなりません。

昨日いったように、誰でもわかる決済の時期は「株価終値が9日線を割込んだ翌日の始値で決済する」ことです。 1000人の投資家のうちが1000人が同じ判断を下せます。

これが客観的な決済水準です。当然に投資相談への返事は「株価終値が9日線を割込んだ翌日の始値で決済するのがよい」というひとことでした。 その後(c)で新高値になり、今日(d)も新高値になっています。今日の9日平均線は1440円であるので1440円を割り込んだら手仕舞いすればよいのです。明日の9日平均は1510円くらいになるでしょうから、明日の9日平均線を見て決済すべき水準が決まります。

このように決済するかしいないかを、その日の「あなたの相場感」で決めてはなりません。投資で最も重要なことは、「利益を伸ばす」ことです。自分の相場感で決済を決めているうちは、「利を伸ばす」ことはできません。少し上れば利食いをしたいと思い、少し損がでると早めに損切りして損失の拡大を食い止めたいと思うのが、おおかたの投資家です。株式を仕掛けた以上は、毎日決済すべき水準(この例では9日平均線を割るか割らないのか)をチェックしていればよいのであって、利食いしようか損切りしようかとあれこれ悩む必要はないのです。

なお9日平均で決済する方法のほかにも、株式講座...1 株式講座No.1 売買のしかた実況中継 売買のしかた実況中継 で述べたような方法があります。今日はそれについて述べようかと思いましたが時間がないので後日に述べます。

利食いがどうのこうのというよりも、気になったのはこのユーザーはどこでこの銘柄を買ったのだろうかということでした。

上図を見ればボトムの(A)は最安値です。小波動のピークとボトムは切り下がっており、とうてい買える局面ではありません。

(A)の日の小波動のボトムらしさをカウントすると、①新安値の、②陽線で、③9日順位相関が-80以下、④25日順位相関が-80以下、の4ポイントです。この段階では買うことはできません。

様相が変ったのは10月末です。25日騰落レシオが75以下になり、5ポイントとなりました。この日でボトムかどうかが5分5分になります。

ついで(B)11月2日に25日投資マインド指数が15以下になり、ボトムらしさは6ポイントになりました。ようやく買いに分がある局面になったのです。だから(B)で買われたのであれば、これは私がいつも言っている「小波動のボトム」をまさしく掴んだ投資です。ここが投資のポイントなのです。


③条件表NO.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」を設定した



(10.11.29) TOPIX 874P(+7)  日経平均 10125円(+86)  17.2億株  (1兆1444億円)
11月22日に「ソフトバンク」、11月24日に「マクロミル」について小波動のボトムらしさのポイントをカウントしましたが、それ以来、いくつかの質問がきています。


11月1日に右の「小波動のボトムらしさのチェック表(個別株)」を掲げました。

個別銘柄の小波動のピークらしさのポイントをカウントするとき、見なければならない条件表は、
  1. No.20「平均線と順位相関」
    これで、①新高値、②新高値の陰線、③順下がりの陰線、④3陰連、⑤9日順位相関、⑥25日順位相関、をチェック。

  2. No.2「日経平均用'96」で、個別銘柄が売買マークを出しているかをチェック。

  3. No.23「25日騰落レシオ」で市場全体の強弱をチャック。

  4. No.46「投資マインド25指数を描画」で、楽観・悲観をチェック。


ついでなので右に「小波動のピークらしさのチェック表(個別株)」を掲げておきます。

4つもの条件表を切り替えてチェックするのは大変なので、できる限りのものを1つの条件表にまとめ、(標準3)No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」としました。

この条件表は(拡張8)のNo.75にも設定し、アップロードしています。《カナル24》Ver.3 または Ver.2の「アップデート」→「条件表をダウンロード」で、(拡張8)をダウンロードし、No.75「ピーク・ボトムのポイント(A)」を(標準3)のNo.21へ複写して下さい。

(「条件表の内容」の画面のメニューの「表を複写」で(拡張8)のNo.75を(標準3)のNo.21などへ複写する)。

なおユーザーが使っている(標準3)の条件表が書き換えられてもよいのであれば、(拡張8)をダウンロードする代わりに(標準3)をダウンロードしてもかまいません(このときは(標準3)の条件表のすべては東研ソフトが設定している条件表になるので注意)


No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」には、10ポイントのうちの8ポイントまでが設定されています。右図のように8つのグループ化がされているので、最高で8つの売買マークを出します。
  1. 9日順位相関が+80以上なら売り、-80以下なら買い1
  2. 25日順位相関が+80以上なら売り、-80以下なら買い
  3. No.2「日経平均用'96」の売買マーク
  4. No.23「25日騰落レシオ」の売買マーク
  5. No.46「投資マインド25指数を描画」の売買マーク
  6. 新高値で売り、新安値で買い
  7. 新高値の陰線で売り、新安値の陽線で買い
  8. 新高値の陰線の次の日が順下がりの陰線なら売り、新安値の陽線の次の日が順上がりの陽線なら買い
この条件表に欠けているのは、⑨3陽連(3陰連)、⑩《デンドラ24》の上値(下値)メドのチェックです。この2つが欠落していることに留意してください。

この条件表No.21を使って「日経平均」のグラフを描くと、右図のようになります。

(a)の日は4つの買いマークがでているので4ポイントですが、翌日の(b)の日に灰色の買いマークがでています。これは「順上がりの陽線」の買いマークです。よって(b)の日に5ポイントになります。

(c)の日には買いマークはでていませんが、グラフを見ると「3陽連」です。本来なら、この日に6ポイント目が加点されますが、条件表No.21には「3陽連(3陰連)」の設定がされていないので、売買マークは出ていません。これはユーザーがグラフを見て気づかなければなりません。


④売買マークの色数をカウントする



(10.11.30) TOPIX 860P(-13)  日経平均 9937円(-188)  21.78億株  (1兆5215億円)

昨日アップした(標準3)No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」の条件表の内容は、右のように8グループに分けて設定してあり、それぞれのグループが売買マークを出したときは、グループによって、その↑↓マークは異なる色で表示されます。

例えば「赤色の↑」が出ていれば、A「9日順位相関が-80以下」になっていることがわかるし、「ピンク色の↑」が出ていれば、D「25日騰落レシオが買いマーク」を出していることがわかり、「深緑色の↑」が出ていれば、G「新安値の陽線がでている」ことがわかります。

この売買マークの色は、ユーザーが使っているグラフ画面の「色指定」によって違いがでます。今後、No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」で出す売買マークの色を統一しておいたほうが説明しやすいので、次のような「色指定」をしてください。

  1. グラフ画面のメニューの「色指定」をクリックすると、右図が現れます。

  2. 「売買マークの色の順」に「1」~「8」の色が並んでいるので、「1」は赤色、「2」は緑色、「3」は青色、「4」はピンク色、「5」は空色、「6」は紫色、「7」は深緑色、「8」は灰色 としてください。

  3. 例えば「4」をピンク色にしたいなら、「4」の欄をクリックしておいて、その下に並ぶ16色のボタンの中から「ピンク色」ボタンをクリックすれば、「4」がピンク色に変ります。


売買マークの色は8色あります。1色の売買マークが1ポイントです。売買マークが同じ日に6つも7つも出ることは稀です。この売買マークの個数をカウントするのではなく、色数をカウントします。
  1. の日は新安値です。この日のポイントは「紫」「空色」「ピンク」「赤」の4ポイントです。

  2. の日には「灰色」の売買マークが出ました。(a)の日にはない色ですから、5ポイント目が加点されます。

  3. は売買マークは出ていませんが、「3陽連」なので、6ポイント目が加点されます(3陽連・3陰連は条件表に設定していないので、ユーザーが気づかねばなりません)

    これによって(a)の日が小波動のボトムらしいことがわかります。6ポイントでOKとしたのは、(a)の日の株価が4つの平均線よりも下位にあった(順調に下落していた)ので、念を入れたわけです。

    (b)の日に株価終値が9日平均線を上回っているので、リスクを取れる人は(b)の5ポイントで仕掛けてもよいのです。

    次にピークらしさのポイントを見みましょう。

  4. の日は、上昇小波動の新高値10157円をつけた日です。この日は「紫」「空色」の2つの売りマークが出ているので、ピークらしさは2ポイントです。

  5. で「緑」と「赤」の売りマークが出たので、4ポイントになります((d)から4色の売りマークが出たことになる)

  6. では4つの売りマークが出ていますが、「ピンク」の売りマークは(d)以来初めてです。ここで5ポイントになります。

    (f)の日の日のザラバ高値は10149円です。(d)の10157円よりも低いので、ピークらしさの対象はあくまでの(d)の日です。(f)の日に5ポイントになりましたが、それは「(d)の日が小波動のピークらしい」ポイントが5であるということです。
今日の終値は9日線を割込んだので、(d)が小波動のピークだったようです。(d)の日の株価と平均線の位置関係は、株価が4本の平均線(9日・25日・75日・200日)の上位にあったので、6ポイントになってくれれば「売り」の決断がしやすかったのですが、どうやら5ポイントでピークを出したようです。


⑤必要なデータをダウンロードしておくこと



(10.12.1) TOPIX 866P(+5)  日経平均 9988円(+51)  17.1億株  (1兆2051億円)

先日来から述べている(標準3)No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」のグラフの売買マークがうまく出ない、という質問が相次いでいます。 条件表No.21は、その銘柄の株価データとは別に、①「市場データ」(これは25日騰落レシオを計算する)と②「25日線より上位にある銘柄数」「25日線より上位にある銘柄数」(2つで投資マインド指数を計算する)が必要です。
  1. まず銘柄一覧表に、コード1201,1202,1203,1204の銘柄があるかをチェックしてください。

  2. この4つがあれば、「オンラインデータ」→「HPから株価データをダウンロード」で、①と②のデータがダウンロードできます。( 「ゼロ」は①②のデータを送信していないので、ダウンロードする必要がある)

  3. もし、コード1201,1202,1203,1204の銘柄がないときは、「銘柄」→「登録抹消変更」→「新規登録」で、この4銘柄を「新規登録」してから、ダウンロードしてください。

  4. 「オンラインデータ」→「HPから株価データをダウンロード」をクリックすると、右図の小画面が現れます。

    「国内株価をダウンロード」すれば、1009「日経先物」、1010「TOPIX先物」などのデータと市場データ、コード1201~1204のデータがダウンロードされます。これらデータは500日分をまとめてダウンロードできるので、必要なときにダウンロードしてください。
毎日、標準3)No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」のグラフを使って個別銘柄をチェックしたいなら、「国内株価データ」は「毎日」ダウンロードする必要があります。

そうでないと、市場データと1201~1204の古いデータを使うことになるので、条件表に設定している「4」騰落レシオと「5」投資マインド指数は、正しい売買マークを出しません。

「国内株価データ」は当日の午後7:00までにアップしたいと思っていますが、HPの記事を多く書いたときは8:00頃にアップすることがあります。


⑥仕掛けるときは6ポイントが必要



9984「ソフトバンク」を例にします。昨日、小波動のボトムらしさをカウントするとき、①株価が4つの平均線(9日、25日、75日、200日)よりも下位にあるときは、6ポイントになったときに「買い」を仕掛けるのがよいといいました。

逆に、小波動のピークらしさをカウントするとき、②株価が4つの平均線(9日、25日、75日、200日)よりも上位にあるときは、6ポイントになったときに「売り」を仕掛けるのがよいのです。


「買い」仕掛けのタイミングについて説明します。注目するのは、その小波動で新安値になった日です。
  1. 例えば右図の(p)は新安値ですが、この日は「深緑」「紫」の買いマークがでています。小波動のボトムらしさは2ポイントです。

  2. その後(q)で新安値になったので、(p)はボトムではなくなりました。(q)の日は「紫」「ピンク」なので2ポイントです。買うことはできません。

  3. (r)で新安値になったので、(q)はボトムではなくなりました。(r)の日は「紫」なので1ポイント、前日の「ピンク」を入れても2ポイントです。買うことはできません。

  4. (a)で新安値になったので、(r)はボトムではなくなりました。(a)の日は「紫」「空色」「ピンク」「青」なので4ポイントです。翌日(b)で「灰」の買いマークが出たので5ポイントになります。

    ここで(a)の日の株価に注目してください。(a)の終値は200日線よりも上位にあります。この場合は5ポイントで「買い」の仕掛けをすればよいのです。(正しくは小波動のボトムが切り上がっているので、5ポイントで買い仕掛けができるのです)
「売り」仕掛けのタイミングについて説明します。注目するのは、その小波動で新高値になった日です。
  1. 例えば右図の(c)は新高値ですが、この日は「紫」の売りマークがでています。小波動のピークらしさは1ポイントです。

  2. 翌日(d)で新高値になったので、(c)はピークではなくなりました。(d)の日は「紫」「青」「赤」なので3ポイントです。売ることはできません。

  3. (e)で新高値になったので、(d)はピークではなくなりました。(e)の日は「紫」なので1ポイントです。売ることはできません。

  4. (e)の翌日、あるいは(f)で新高値になったので、(e)はピークではなくなりました。(f)の日は「灰」「空色」ですが、前日に「紫」を出しているので3ポイントです。売ることはできません。

  5. (g)で新高値になったので、(f)はピークではなくなりました。(g)の日は「紫」「緑」ですが、前日に「灰」と「空色}を出しているので4ポイントです。まだ売ることはできません。

  6. (h)で新高値になったので、(g)はピークではなくなりました。(h)の日は「紫」「空色」「緑」「赤」の4ポイントです。

  7. (i)で「灰」「ピンク」が出たので6ポイントになります。(i)の日に売り仕掛けをしてもよいのです。
ここで(h)の日の株価に注目してください。(h)の終値は4本の平均線(9日、25日、75日、200日)よりも上位にあります。この場合は「順調に上昇している」ので、5ポイントで「売り」を仕掛けるのは危険です。せめて6ポイントにならねば、売り仕掛けはできません。

(10.12.2) TOPIX 877P(+11)  日経平均 10168円(+180)  18.5億株  (1兆3746億円)

11月24日にユーザーから相談のあった、3730「マクロミル」の小波動のボトム(ピークらしさ)らしさについて述べましたが、同じ銘柄について条件表No.21を使って描画したときはどうなるかを説明します。
  1. で「深緑」「紫」「緑」「赤」の買いマークが出ています。

    4ポイントです。この日が小波動のボトムであったとしても、株価は4本の平均線(9日・25日・75日・200日)よりも下位にあるので、小波動のボトムらしさが、最低でも6ポイントにならねば新規に仕掛けないほうがよい。

  2. で「ピンク」の買いマークがでました。この日の株価は、(a)のザラバ安値を下回っていないので、1ポイント追加され5ポイントになります。

  3. で「空色」の買いマークがでました。この日の株価は、(a)のザラバ安値を下回っていないので、1ポイント追加され6ポイントになります。翌日の始値で、新規の買い仕掛けをすることになります。

    仕掛けた後、いつ決済するかですが、これは余り神経質にならないほうがよい。終値で9日線を割込んだなら、その翌日の始値で決済する。という方針が簡単でわかりやすいということをいいました。今日のところはまだ9日線を割り込んでいないので、(c)の翌日に買い仕掛けたものは、まだ買い保有中です。

  4. 売り仕掛けについて述べると、(d)は3ポイントなので売り仕掛けはできせん。
  5. は4ポイント。
  6. も4ポイント。
  7. で「ピンク」の売りマークが出たので5ポイントです。株価は4つの平均線の上位にあるので、最低でも6ポイントにならない限り、売り仕掛けをすることはできません。
ここまでポイントは売買マークの数ではなく、売買マークの色の数であると説明してきましたが、厳密にはそうではありません。


条件表No.21は小波動のピーク(ボトム)らしさをチェックするためのものです。ある日が小波動のピークらしい、ある日が小波動のボトムらしい、ということをカウントするための条件表です。

右図で、ピークらしいと判断できる絶対条件は、Fの「新高値」とGの「新高値の陰線」です。(ボトムらしいと判断できる絶対条件は、Fの「新安値」とGの「新安値の陽線」です)

つまり、この日がピークらしい・ボトムらしいと思われる日には、「紫」か「深緑」売買マークが出ているはずです。

小波動のピークでは必ず「紫」の売りマーク(プラス「深緑」の売りマーク)がでているし、小波動のボトムでは必ず「紫」の買いマーク(プラス「深緑」の買いマーク)がでています。

9984「ソフトバンク」の例をもう一度引き出すと、(a)の日に「紫」「空色」「ピンク」「青」の4つの買いマークが出ています。この「紫」の買いマークは「新安値」であるので、(a)は小波動のボトムの可能性が4ポイントあるのです

だが(a)の6日前を見ると「深緑」の買いマークがでています。単純に色の数をカウントすれば(a)の日は5ポイントになり、新規の買いをしてもよいことになります。

だがそれは間違いです。「深緑」は「新安値の陽線」のマークです。(a)の時点で、(p)は新安値ではないことが明らかなので、(a)の4ポイントに(p)の1ポイントを加算するのは間違いです。

このように単純に売買マークの色数をカウントしては間違います。
  1. 小波動のピーク(ボトム)の日には、必ず「紫」の売買マークがあるはずです。

  2. 「紫」の売買マークから遡って売買マークの色を調べたとき、「深緑」があってもカウントしてはならない(その日はピーク(ボトム)ではなかったのだから)
なお(b)の5ポイントで買い仕掛けをしたとき、損切りする水準は(a)のザラバ安値2507円です。この水準がボトムであると判断して買い仕掛けをしたのであるから、株価終値が2507円を下回ったときは、いさぎよく翌日の始値で損切りすべきです。

同じように売り仕掛けをしたときの損切り水準があります。(c)で小波動のピークらしさが4ポイントになり、(d)で2ポイントが追加されて、6ポイントになりました。(d)の翌日の始値で売り仕掛けをすればよいのです。

このときは(c)のザラバ高値2980円がピークであろうと判断しての売り仕掛けですから、2980円以上の株価になった今日(終値は3020円)は、2980円がピークであるという判断は間違っていたことが明らかになりました。

このときの売り仕掛けの損切り水準は(c)のザラバ高値の2980円です。終値の3020円を見て、明日の始値で損切りをするのが正しいの「です。


⑦ポイントをカウントする際の注意点



(10.12.3) TOPIX 879P(+2)  日経平均 10178円(+9)  15.6億株  (1兆1639億円)

条件表No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」でポイントのカウントのしかたをまとめておきます。
  1. 右図で(a)の日がボトムらしいと思うには、「紫(新安値)」または「深緑(新安値の陽線)」が出ていなければなりません。

  2. 「灰色(順上がりの陽線)」は「紫(新安値)」または「深緑(新安値の陽線)」の翌日にしか出ません。つまり(a)の①日後に限定されます。

  3. また条件表では売買マークを出していませんが、「3陽連」は(a)の日あるいは(a)の翌日から3本連続してでる順上がりの陽線ですから、(a)の②日後か③日後に出るものです。

  4. このように「深緑(新安値の陽線)」、「灰色(順上がりの陽線)」、「3陽連」は(a)の日あるいは(a)の翌日以降に出るので、(a)の日より前の時期にでた3つのポイントは、(a)の日のポイントに加点してはなりません。

  5. そのほかの「赤(9日順位相関)」「緑(25日順位相関)」「青(No.2の売買マーク)」「ピンク(25日騰落レシオ)」「空色(25日投資マインド」の5つは、(a)の日より前に出ていても、(a)の日より後に出ていても、(a)のポイントに加点できます。

  6. ただし(a)よりあまりにも時期がずれているものは、ポイントとすべきではないので、図のように(a)の前なら5日間、(a)の後なら10日間に出たポイントは(a)のポイントに加点してもよい。としておきます。
以上の注意点に留意して、ポイントをカウントする練習をしてみましょう。


  1. の日には、「紫」「青」「緑」「赤」の4つの買いマークが出ています。(a)の日より前5日間に「灰色」と「深緑」の買いマークがでていますが、「灰色」は(a)の翌日に出たものが有効であり、「深緑」は(a)と同じ日に出たものが有効です。

    よって「灰色」と「深緑」は(a)の4ポイントに加点してはいけません。(a)は4ポイントのままです。

  2. の日には、「紫」「空色」「青」「緑」「赤」の5つの買いマークが出ています。(a)の前日に「深緑」が出ていますが、「深緑」は(a)と同じ日に出たものが有効です。

    よって「深緑」は(a)の5ポイントに加点してはいけません。(a)は5ポイントのままです。

  3. の日には、「紫」「赤」の2つの売買マークがでています。その2日前に「青色(No.2の買いマーク)」がでているので、これを加点すると、(a)の日は3ポイントです。(a)の翌日「灰色(順上がりの陽線)」の買いマークがでています。「灰色」は(a)の翌日に出たものが有効なので、(a)に1ポイント加点できます。「灰色」の買いマークが出た日は4ポイントになります。


  1. (a)の日には、「紫」「緑」「赤」の3つの買いマークがでています。まずは3ポイントあります。

  2. (a)の2日前の(p)に「空色(25日投資マインド)」が出ているので、1ポイント加点して4ポイントになり、

  3. (a)の4日前の(q)に「青色(No.2が買いマーク)」が出ているので、1ポイント加点して5ポイントになります。(a)の日は5ポイントです。

    なお(q)の日の「灰色」は(a)より前に出た買いマークなので、ポイントにはなりません。(q)の前日の「深緑」も同様にポイントにはなりません。

  4. (a)の日の翌日の(b)に「ピンク(25日騰落レシオ)」が出たので 、(b)の日は1ポイント加点して6ポイントになります。


売りマークのポイントのカウントのしかたも同じです。
  1. (a)の日には、「紫」「空色」「ピンク」「緑」の4つの売りマークがでています。まずは4ポイントあります。

  2. (a)の2日前の(p)に「赤(9日順位相関)」の売りマークが出ているので、1ポイント加点して5ポイントになり、

  3. (a)の5日前の(q)に「深緑」が出ていますが、「深緑」は(a)の日と同じ日に出たものしか有効ではありません。よってポイントにはなりません。(a)の日は5ポイントです。
ついでに10月末からの買いのポイントを見ると、
  1. (b)の日には、「深緑」「紫」「ピンク」「緑」の4つの買いマークがでています。まずは4ポイントあります。

  2. (b)の前日に「赤(9日順位相関)」の買いマークが出ているので、1ポイント加点して5ポイントになります。(a)の日は5ポイントです。

  3. (b)の翌日の(c)に「灰色(順上がりの陽線)」が出たので、1ポイント加点して(c)の日は6ポイントになります。

  4. (d)の日には買いマークはでていませんが、「3陽線」です。当然に1ポイント加点し、(d)の日は7ポイント。

  5. (e)の日に「空色(25日投資マインド)」の買いマークがでました。(e)の日にはなんと8ポイントになります。


⑧同じ6ポイントでも信頼性は大いに異なる(買いのタイミング)



(10.12.6) TOPIX 881(+2)  日経平均 10167円(-11)  14.8億株  (1兆 354億円)

条件表No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」を使って、個別銘柄の小波動のピーク(ボトム)らしさの判断のしかたを述べています。これまでに、ポイントのカウントのしかたについて述べ、仕掛けるには6ポイントが欲しいといいました。

「6ポイント」にだけ目をくけて、「6ポイントになった日(の翌日)に仕掛けるのだ」と、単純な解釈をされた方があると思いますが、そうではありません。「小波動のピークらしさ・ボトムらしさを判断する」のが目的なのです。6ポイントになった日が仕掛けのタイミングであるとは言っていません。

右図の4063「信越化」は(a)(b)(c)の日が6ポイントの日です。「ボトムらしい」とは、その日のザラバ安値を今後しばらくは下回らないだろうということです。
  1. は前日の陰線から、下窓を空けて寄り付き、わずかに戻して小さな陽線で終わりました。杓子定規には「新安値の陽線」ですが、この日の始値は4650円、終値は4655円で実体の値幅はわずかに5円幅です。

    これでは(a)の日がボトムらしいと判断するのは無理です。(a)の日がボトムだとしたならば、(b)の日にさらに株価は下落し、(a)がボトムだと判断したことは2日後に間違いであったと判明します。

  2. の日は陰線です。ただいまは下落の真っ最中です。こういう状況下にあって、(b)の日がボトムであるといえるのは、占い師しかおりません。

  3. の日は大きな陽線になりました。しかも前日の終値から下放れて寄ったものの終値にかけて上昇し、前日のザラバ高値以上の水準で終わりました。足型は「包み上げ」です。この場合は(c)がボトムか?と判断してもよいところです。
同じ6ポイントであっても、ボトムらしさの可能性は(c)が最も高く、次に(a)、ついで(b)の順に可能性は低くなります。(b)にいたってはいくらポイントが高かろうと、(b)をボトムであると判断するのは「丁半バクチ」のたぐいです。単純に6ポイントだからといって、ボトムらしい確率は同じではないのです。


右にボトム時の足型の図を掲げます。①→⑤の順にボトムらしさの可能性は高くなります。
上図にピンク色の水準が引いてありますが、これはザラバで最安値をつけた日の前日のザラバ高値の水準です。ボトムであったらしいと判断できるのは、この水準を終値で上回ることが必要です。

(b)は①陰線で、当然に前日のザラバ高値は上抜けていません。(a)は②陽線ですが、やはり前日のザラバ高値は上抜けていません。(c)は包み上げで、終値が前日のザラバ高値を上抜いています。

統計をとっていないので、「感じ」でいいますが、いくら6ポイントになったとしても(b)の「陰線」だけでは小波動のボトムらしさの確率は5分5分です。(a)で5.5分、(c)で6分くらいでしょう。

右図は、4503「アステラス」です。(d)の日は5ポイントです。この日の終値は、前日の陰線のザラバ高値を上回っています。5ポイントではあるが、上図の6ポイントの(b)陰線、(a)陽線、よりもボトムらしさの可能性は高く、(c)包み上げに匹敵します。

翌日(e)で「灰色(順上がりの陽線)」となって6ポイントになりましたが、これは上図の6ポイントの(c)よりもボトムらしさの可能性は高いのです。(しかも株価終値が9日平均線を上回っています)

(f)で「3陽連」となりました。7ポイント目です。どんなに判断が遅くとも、7ポイント目の「3陽連」という状況を見ては、(d)の日が小波動のボトムであったと判断するしかないのです。

買い仕掛けをすべきタイミングは(e)の日の「順上がり陽線」しかも9日線を上回る、がベスト、ついで(f)の「3陽連」、(d)陽線の終値で前日のザラバ高値を上回る。こういう順番です。

図では、(d)→(e)→(f)の順にボトムらしさの確率は増大していきますが、当たり前のことですが、この順に利益は減少していきます。仮に、翌日の始値で仕掛けて、株価終値が9日線を下回った翌日の始値で決済するとしたならば、

(d)は3210円買い→3370円決済=+160円。
(e)は3280円買い→3370円決済=+ 90円。
(e)は3400買い→3370円決済=- 30円。

となります。(d)のように早く仕掛けると、リターンは大きいがボトムらしさの可能性は(f)よりも劣ります。(f)のようにボトムらしさを念をいれて確認して仕掛けるとリターンは小さくなるが、ボトムらしさの可能性は高まります。実際のところ。株価終値が9日線ではなく25日線を割込むまで粘れば、現状では利益が出ています。

(10.12.7) TOPIX 879(-2)  日経平均 10141円(-26)  17.2億株  (1兆2949億円)

買い仕掛けのタイミングの例を掲げます。
  1. 5401「新日鉄」は(g)の日に「紫」「空色」「ピンク」「緑」「赤」の5ポイントです。この日はまだ5ポイントである上、陰線なので、ここで買い仕掛けはできません。

  2. 翌日(h)で「青色」が加点されて6ポイントになりました。だが陰線であるので、ボトムらしさは6ポイントとはいっても、実質は5ポイントくらいのものです。仕掛けるタイミングではありません。

  3. (i)の日は加点できるものはありません。6ポイントのままです。この日は陽線であったので、実質5.5ポイントです。

  4. (j)の日は連続陽線となりました。ポイントは加点されず6ポイントのままですが、ボトムらしいとしている(g)の日のザラバ高値を終値で上回りました。ここで実質6ポイントになります。さらによいことには、この日の終値320円は、9日平均線の319円を上回っています。買い仕掛けのタイミングはこの日に決定します。

  5. (j)の翌日の始値で買い仕掛けをすると、325円です。ここで損切りの方針が決まります。(g)のザラバ安値が小波動のボトムではないか?と判断しているのだから、(g)のザラバ安値298円を終値で下回ることがあれば、損切りです。

  6. 利食いの予定水準はありません。株価終値が9日線を下回ったところが決済するときです。その後株価は369円まで上昇し、したがって9日線も上昇しましたが、(k)の日に9日線を割込みました。この日の終値は357円です。

  7. (k)の翌日の始値で決済すると357円。結局357円-325円=+32円の利益 になります。
このようにトレードのルールがあれば、①迷うことなく仕掛けができるし、②仕掛けたとたんに損切り水準は確定します。あとは③株価終値が9日線を下回るかどうかを日々チェックするだけです。どこにも悩んだり、迷ったりする余地はないのです。


⑨同じ6ポイントでも信頼性は大いに異なる(売りのタイミング)



(10.12.8) TOPIX 887(+8)  日経平均 10232円(+91)  19.2億株  (1兆4327億円)

売り仕掛けのタイミングも買い仕掛けのタイミングと同じです。

右にピーク時の足型の図を掲げます。①→⑤の順にピークらしさの可能性は高くなります。


売り仕掛けのタイミングの例を掲げます。
  1. 5401「新日鉄」は(a)の日に「紫」「空色」「ピンク」「青色」「緑」「赤」の6ポイントですが、この日は陽線であるので、ここで売り仕掛けはできません。

  2. 翌日(b)で「深緑」が加点されて7ポイントになりました。陰線ですが、今日の陰線のザラバ安値は昨日の陽線のザラバ安値よりも切り上がっており、上昇はストップしたらしいが、下落に転じたとは判断できません。実質6.5ポイントというところです。

    6.5ポイントあるのだから、(b)の翌日の始値で売り仕掛けをしてもよいのです。このときは(b)のザラバ高値374円が小波動のピークだと思っているので、売り仕掛けをした後、終値が374円を上回ったならば損切りです。

  3. (b)の翌日に売り仕掛けをしなかった場合はどうなるのか? (c)の日に新高値をつけて、「紫」「空色」「ピンク」「青色」「緑」「赤」の売りマークを出しています。(a)で「青色」の売りマークを出しているので、(c)の日は6ポイントです。ただし(c)の日のザラバ安値は前日の安値よりも切り上がっているので、実質は5.5ポイントです。

  4. 翌日(d)の日は、順下がりの陰線となって、「灰色」が追加され、6ポイントになりました。(c)の日のザラバ安値366円を、(d)の終値366円は下抜くことはできませんでしたが、実質でも6ポイントです。翌日の始値で売り仕掛けをしてよいのです。

    このときは(c)のザラバ高値375円が小波動のピークだと思っているので、売り仕掛けをした後、終値が375円を上回ったならば損切りです。

  5. (d)の翌日に売り仕掛けをしなかった場合はどうなるのか? (c)が目下のところ新高値の日です。この日のザラバ安値369円を終値が下回るまで売り仕掛けしないとしていたならば、翌日(e)の陰線を見て売り仕掛けすることになります。

    (e)の日は「3陰連」となったので、小波動のピークらしさは(d)の6ポイントに1ポイントが加点されて7ポイントです。さらに(e)の終値363円は、(c)のザラバ安値369円を下抜いているし、9日平均線をも下回っています。まあ「ここで売らなければどこで売る?」といった局面です。

    このときは(c)のザラバ高値375円が小波動のピークだと思っているので、売り仕掛けをした後、終値が375円を上回ったならば損切りです。

  6. その後、再び9日線の上位に反発しましたが、終値で(c)の375円を上回ることはなく、株価は時間とともに下落しました。いつ決済すればよいのかは、簡単には株価終値が9日線を上回ったときです。

(10.12.9) TOPIX 891P(+4)  日経平均 10285円(+53)  21.2億株  (1兆4184億円)

8058「三菱商」の売り仕掛けの例を掲げて、仕掛けのタイミングの説明を終ります。
  1. (f)の日に「紫」「空色」「ピンク」「青色」「緑」「赤」の6ポイントとなりましたが、この日は陽線であるので、ここで売り仕掛けはできません。

  2. 翌日(g)も6ポイントになりました。この日は陰線でした、ザラバ高値2499円・ザラバ安値2477円の22円幅です。これはこの日の終値2477円の0.88%です。小さな陰線です。

    大きな陰線というには最低でも3%くらいの値幅が必要です(条件表No.21は2%幅に設定しているが、これはやや控え目)。よってまだ下落に転じたとは判断できません。実質5.5ポイントというところです。

  3. (h)は陰線の順下がりとなって「灰色」の売りマークが出ました。7ポイントです。(h)の翌日の始値で売り仕掛けをしてもよいのです。このときは(g)のザラバ高値2499円が小波動のピークだと思っているので、売り仕掛けをした後、終値が2499円を上回ったならば損切りです。

  4. (h)の翌日に売り仕掛けをしなかった場合はどうなるのか? (i)の日は「3陰連」です。売買マークはついていませんが、8ポイントになります。しかも(i)の終値2462円は(g)のザラバ安値2477円を下回っています。 ここで売り仕掛けをしないなら、どこで売るのか?というダメ押しのタイミングです。

  5. (j)のザラバ高値は2500円と(g)の2499円を1円上回りました。もし終値で2500円で引けておれば、(j)の翌日に損切りをしますが、幸いにして終値は2480円であったので、損切りはしなくてすみました。

  6. その後株価は9日線を割込み、下落を続けました。 いつ決済すればよいのかは、簡単には株価終値が9日線を上回ったときです。


⑩条件表No.59「ピーク・ボトム①②段階」を設定した




(標準3)No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」は、グラフを見てピークらしさ・ボトムらしさを判断するための条件表です。

この条件表を使って、例えば6ポイントになっている銘柄を検索することはできません。その理由は、 「同じ日に6ポイントになるとは限らないからです。

例えば右図の5401「新日鉄」は、
  1. (a)の日は「深緑」「紫」「青」「緑」「赤」の買いマークを出しています。5ポイントです。

  2. (b)の日に「空色」を出したので6ポイントです。

  3. (c)の日の終値が(a)の日のザラバ高値を上回ったので買い仕掛けができます。
(a)の日は5ポイントできたが、(b)の日に6ポイントになったのでした。 新日鉄が6ポイントになったことを判断するためには、(a)の日に新日鉄がボトムらしいと知っていなければなりません。また(d)の日がピークらしいと知っていなければ、(d)以降の日に売り仕掛けのタイミングを計ることはできません。そこでピークに近い・ボトムに近いと思われる銘柄を見つけるための条件表を設定しました。(標準3)No.59「ピーク・ボトム①②段階」です。


この条件表を使うと右図のような売買マークを出します。

買いマークは「赤色」と「緑色」の2種類があります。売りマークも「赤色」と「緑色」の2種類があります。

買いの条件は、
  1. 9日順位相関が最近6日以内に-80以下

  2. 25日順位相関が最近6日以内に-80以下

  3. その小波動で新安値である

  4. 大きな陰線(値幅が終値の2%以上)のとき「赤色」の買いマーク

  5. 大きな陽線(値幅が終値の2%以上)のとき「緑色」の買いマーク
が出ます。先日掲げた「ボトムの足型」の①陰線が「赤色」、②陽線が「緑色」に該当します。

売りの条件は、
  1. 9日順位相関が最近6日以内に+80以上
  2. 25日順位相関が最近6日以内に+80以上
  3. その小波動で新高値である
  4. 大きな陽線(値幅が終値の2%以上)のとき「赤色」の売りマーク
  5. 大きな陰線(値幅が終値の2%以上)のとき「緑色」の売りマーク
が出ます。先日掲げた「ピークの足型」の①陽線が「赤色」、②陰線が「緑色」に該当します。


(標準3)No.59「ピーク・ボトム①②段階」の条件表は、(拡張8)のNo.76にも設定し、アップロードしています。

《カナル24》Ver.3 または Ver.2の「アップデート」→「条件表をダウンロード」で、(拡張8)をダウンロードし、No.76「ピーク・ボトム①②段階」を(標準3)のNo.59へ複写して下さい。

(「条件表の内容」の画面のメニューの「表を複写」で(拡張8)のNo.76を(標準3)のNo.59などへ複写する)。

なおユーザーが使っている(標準3)の条件表が書き換えられてもよいのであれば、(拡張8)をダウンロードする代わりに(標準3)をダウンロードしてもかまいません。

(このときは(標準3)の条件表のすべては東研ソフトが設定している条件表になるので注意)

これでユーザーは、(標準3)No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」 と(標準3)No.59「ピーク・ボトム①②段階」の条件表を使えることになりました。この2つの条件表をどう使い分けるのかを次に説明します。

まずは、(標準3)No.59「ピーク・ボトム①②段階」を使って、ピーク・ボトムに近いと思われる銘柄を検索します。
  1. 例えば「TOPIX100」銘柄を選択して、「計算」→「単独検索」に進み、

  2. No.59「ピーク・ボトム①②段階」を選択

  3. 検索期間を「999999」までの「3」日間とし、

  4. 「売買共」を指定して

  5. 「開始」をクリック


  6. ピーク・ボトムに近いと思われる銘柄が検索されたら、

  7. 「全部選択」をして紺色にし、

  8. 「グラフ」をクリック

  9. 1928「積ハウス」のグラフが描画されます。青色○の日に「赤色」の売りマークがでています。(ピークの足型の①陽線です)

  10. ここで条件表No.21「ピーク・ボトムのポイント(A)」に切り替えます。

  11. No.59とNo.21はしょっちゅう切り替えるので、スクラムバーの「鉛筆」にNo.59とNo.21を登録しておけば、この切り替えが簡単にできます。


  12. No.21は(a)の日に6ポイントになっていることがわかります。

    (a)の穂のザラバ安値を終値で下回れば、売り仕掛けのタイミングですが、今日のところはまだ割り込んでいません。

  13. 「次」をクリックして、次の銘柄のグラフを調べます。


  14. 4005「住友化」は5ポイントです。売ることはできません。
このようにして、No.59でピーク・ボトムに近い銘柄を検索しておき、No.21でポイントをカウントし、仕掛けてよいかどうかを判断するのです。


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株式会社 東研ソフト

執筆:坂本 正治