No.9 検証なしでは売買ルールは決められない |
2009年12月に執筆 ・・ HP目次へ.. 講座目次へ. ①「日経平均用'96」について条件表No.2「日経平均用'96」は、1995年に《Qエンジン》Ver.1を作った折に、日経平均の小波動のピーク・ボトムの付近に売買マークが出せないか?と「オートマ」を使って設定した条件表です。 理想は、すべての日経平均の小波動のピークで売りマークを出し、すべてのボトムで買いマークを出すことですが、小波動の姿は一様ではないので、そうはうまくいきません。 右図を見ると、ボトムは(a,b,c,d,e)の5つが確定していますが、ボトムの近辺で買いマークを出したのは (a,d,e)の3か所だけです。(b,c)では出なかったし、(e')ではボトムではない位置で買いマークを出しています。また(a')からの3日連続して出た買いマークはボトムよりも早めに出ています。 小波動のピークは(A,B,C,D)の4つが確定していますが、ピークの当日あるいはその前後の日に、売りマークがでたか所はひとつもありません。 このグラフからは、条件表No.2「日経平均用'96」の売買マークにしたがって日経先物の売買を繰り返したとき、満足できる結果がでるとは思えない方もあるでしょう。 私は1997年以来、HP「TOPIXは語る」の記事は、①条件表No.20「平均線と順位相関」と②条件表No.2「日経平均用'96」の2つを使って述べてきました。長く使ってきた条件表ですから、ユーザーにとっても条件表No.2は馴染みの深い条件表です。 メインのグラフはNo.20「平均線と順位相関」であり、条件表No.2「日経平均用'96」は小波動のピーク・ボトムらしさを判断するときの10ポイントのうちの1ポイントをカウントする役割でしかありませんが、売買マークを出したから1ポイントとカウントしているのは、No.2が出す売買マークにある程度の信頼を持っているからです。 例えば、条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークだけにしたがって日経先物の売買をしたとき、トータルで利益が出ないようでは、1ポイントとしてカウントする価値はありません。どころか売買マークにしたがって売買したとき「大負けに負けた」というのでは、売買マークを1ポイントとしてカウントするのは大間違いであることになります。 はたして条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークはアテになるのか?頼りになるのか?をまず明らかにしてみます。具体的には次の2点について調べます。
次に、条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークを、個別株に応用することができるのか?、そのためにはどのような工夫が必要なのか?についてアレコレ試してみようと思います。うまくいけば「個別株用'09」という条件表まで設定したいと思っていますが、どうなるか? |
②「日経平均用'96」の検証のしかた今日は2009年12月です。メニューの「ドライブ」に行き、図のように日足データの「連結」が設定できているかをチェックして下さい。 図のような設定ができていれば、1999年1月1日から2009年12月現在までの約11年間の期間についての検証ができます。 《Qエンジン24》Ver.2を起動し、図のことを指示します。
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上図の売買ルールの(b)「時間切れ」の日数を(1日)から(2日)へと変更したときは、①条件表No.2が売買マークを出したら→②翌日の始値で仕掛け→③売買マークが出て2日目の終値で決済する。となります。
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③「日経平均用'96」の成績を調べる日経先物(1銘柄)の過去10年ほどの検証はあっという間に終わります(5~10秒くらい) 「損益経過」では詳しい成績を知ることができます。 ここで使っている売買ルールは、①翌日の始値で仕掛けて、②X日後の終値で決済する。ので、①については寄り付き前に「成行」の注文を出しておけばよいし、②については「大引け」の「成行」注文を出しておけば、日足データと同じ値段で約定するはずです。 さらに実際の売買に近づけるために、次のような指示をします。
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図のような「損益経過」がまとめられます。重要な項目は次のものです。
最大ドローダウンの数字以外は、全部数字が大きいものほど成績は優れています。(最大ドローダウンの数字は小さいものが優れている) 図は、①条件表No.2が売買マークを出した翌日の始値で仕掛け、②売買マークがでた日の1日後の、③終値で決済する、としたときの成績ですが、②のか所を2日後、3日後、4日後として「検証」をしてみましょう。売買マークは何日間くらい有効なのかがわかります。 |
(表1) |
決済する日 | トレード数 | 累計損益額 | 平均利益 | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | 最大ドローダウン |
1日後 | 241回 B 137回 S 104回 |
* 4047円 B 1146円 * S 2900円 |
16.8円 B 8.4円 S 27.9円 |
52.3% B 48.9% S 56.7% |
* 1.32倍 B 1.12倍 * S 1.90倍 |
* 3.32倍 B 0.92倍 S 4.98倍 |
-1217円 |
2日後 | 168回 B 91回 S 77回 |
2673円 B 494円 * S 2179円 |
15.9円 B 5.4円 * S 28.3円 |
53.0% B 57.1% S 48.1% |
1.20倍 B 1.05倍 * S 1.58倍 |
0.82倍 B 0.15倍 S 3.07倍 |
-3246円 |
3日後 | 135回 B 75回 S 60回 |
328円 B -1138円 S 1467円 |
2.4円 B -15.2円 S 24.5円 |
50.4% B 48.0% S 53.3% |
1.02倍 B 0.89倍 S 1.38倍 |
0.07倍 B -0.22倍 S 1.78倍 |
-5110円 |
4日後 | 123回 B 68回 S 55回 |
3700円 * B 2588円 S 1112円 |
30.1円 * B 38.1円 S 20.2円 |
53.7% B 55.9% S 50.9% |
1.25倍 * B 1.27倍 S 1.21倍 |
1.44倍 B 1.17倍 S 1.43倍 |
-2563円 |
5日後 | 120回 B 68回 S 52回 |
* 4384円 * B 1898円 * S 2485円 |
* 36.5円 * B 27.9円 * S 47.8円 |
53.3% B 55.9% S 50.0% |
* 1.26倍 * B 1.17倍 * S 1.45倍 |
* 1.67倍 B 0.77倍 S 2.23倍 |
-2629円 |
6日後 | 115回 B 65回 S 50回 |
2829円 B 1331円 S 1497円 |
24.6円 B 20.5円 * S 30.0円 |
53.0% B 55.4% S 50.0% |
1.15倍 B 1.10倍 S 1.26倍 |
0.74倍 B 0.35倍 S 1.35倍 |
-3804円 |
7日後 | 109回 B 60回 S 49回 |
* 5485円 * B 4547円 S 938円 |
* 50.3円 * B 75.8円 S 19.2円 |
51.4% B 55.0% S 46.9% |
* 1.31倍 * B 1.42倍 S 1.13倍 |
* 1.97倍 B 1.73倍 S 0.92倍 |
-2788円 |
8日後 | 109回 B 60回 S 49回 |
1995円 B 1187円 S 808円 |
18.3円 B 19.8円 S 16.5円 |
52.3% B 56.7% S 46.9% |
1.08倍 B 1.07倍 S 1.11倍 |
0.38倍 B 0.28倍 S 0.60倍 |
-4248円 |
9日後 | 107回 B 58回 S 49回 |
-662円 B 69円 S -731円 |
-6.2円 B 1.2円 S -14.9円 |
46.7% B 53.4% S 38.8% |
0.98倍 B 1.00倍 S 0.92倍 |
-0.08倍 B 0.01倍 S -0.30倍 |
-8255円 |
10日後 | 104回 B 55回 S 49回 |
1010円 B 1142円 S -131円 |
9.7円 B 20.8円 S -2.7円 |
47.1% B 50.9% S 42.9% |
1.04倍 B 1.08倍 S 0.99倍 |
0.14倍 B 0.20倍 S -0.05倍 |
-7425円 |
次のことがわかります。
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④安定した条件表とは前章で条件表No.2の売買マークにしたがって日経先物を売買したらどうなるかの成績を調べました。①累計損益額がプラスであったということは、この条件表の売買マークは間違っていないということです。また②売買マークにしたがって仕掛けたとき、いつ決済すればよいのかは、「累計損益額」が大きいものでわかります。累計損益額の大きさの順は、①「7日後決済」、②「5日後決済」、③「1日後決済」でした。 このことからただちに「7日後決済」の売買ルールがよいという結論を出すのは早すぎます。10年間で最も累計損益額が大きかったとしても、
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以上のチェックをしてみましょう。 「1日後決済」、「5日後決済」、「7日後決済」について、1999年から2009年までの11年間の「年別成績」を次に掲げます。(2009年の成績は12月21日までのもの。「損益経過」→「年別成績」で次の数値がわかります) (表2) 1日後決済の年別成績
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(表3) 5日後決済の年別成績
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(表4) 7日後決済の年別成績
「7日後決済」の勝率が63.6%と、目安の勝率66.7%(2/3)に届いていませんが、2008年の累計損益額は-59円と極めて小さなマイナスであるので、トータルとしては合格としてよいでしょう。 以上の売買ルール(X日目の終値で決済)で売買するならば、この11年間のトータルでは利益を出すことができます。しかし致命的な欠点は「トレード数が少ないこと」です。最もトレード数が多い「1日決済」でも11年間で271回です。年に24回、月あたり2回の売買しかできません。トレード数が少ないと利益は積みあがりません。「1日決済」の累計損益額は4205円であるので、日経先物を1枚ずつ売買したときの利益額は420.5万円です。1年当たり38.1万円にしか過ぎません。 条件表No.2は小波動のピーク・ボトムで売買マークを出すことを狙った条件表であるので、そう毎日毎日売買マークが出ることはないからです。条件表No.2は、これだけを指針にして日経先物の売買をするには役不足ですが、悪い条件表ではありません。
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⑤「日経平均用'96」は個別株に応用できないか?前章までで、条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークはだいたい正しいことが明らかになりました。だが売買マークがしょっちゅうでるわけではないので、日経先物の売買をするにはトレード数が足りません。 もし条件表No.2が個別株に応用できるならば、個別銘柄は東証1部で1600銘柄あります。日経225銘柄に絞っても、日経先物の何10倍・何100倍のトレードの機会があります。トレード数が不足することはありません。 右図は、条件表No.2を使って5401「新日鉄」のグラフを描いたものですが、時間をかければ、(a,c,e)の買いマークや(B)の売りマークでは利益がでそうです。 損失がでそうな(b,d)の買いマークや(A,C)の売りマークによる損失を相殺して、トータルで利益がでるかどうかですが、工夫しだいではトータルで利益を出すことは可能でしょう。 前章で、先物の売買には役不足である条件表No.2を使って、日経先物を「5日後決済」で売買すると、次の成績になっていました。
実際のところ、いくらの資金が必要だったかというと、1枚あたりの証拠金を60万円とすると、最大ドローダウンの262.9万円を加えた322.9万円の資金を用意していないと、「5日後決済」の売買は頓挫しています。仮に350万円を用意していたとするならば、1年間の平均的な利益率は14.2%(=49.8÷350)です。 個別株を信用取引で売買するとしましょう。同じ350万円の資金を用意し、250万円を信用取引の証拠金とし3倍の750万円の投資をすることにします(残り100万円を損失を補填するために余裕資金とする)。 先の日経先物の「5日後決済」と同じ利益(1年に49.8万円)を出そうとすると、これは750万円の投下資金に対して6.64%(=49.8÷750×100)の累計利益率が必要であることになります。 1年に1回しか売買しないのであれば、毎年、1回のトレードで6.64%の利益がでるような売買マークをだす条件表でなければなりませんが、毎年10回の売買をするならば1回の利益率は0.664%ですみます。25回の売買をするならば1回の利益率は0.266%ですみます。先の「5日後決済」の1回の利益率は0.28%でしたから、条件表No.2が個別株においても日経先物と同じ利益率(0.28%)を出してくれれば、個別株の売買であっても日経先物の売買と同じ利益がでる勘定です。 |
⑥日経225銘柄の検証のしかた個別株とはいいながら、検証の対象は「日経225銘柄」に絞ります。東証1部のなかには、①出来高が薄くてまともなグラフにならない銘柄がある、②株価が安くて(100円未満)前日比で30%高・-30%安になる銘柄がある、③検証は最大で32500トレードまでしかできない、といった理由からです。 次の手順によって、2009年12月現在の「日経225銘柄」の結果ファイルをダウンロードしてください。
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《Qエンジン24》Ver.2を起動し、図のことを指示します。
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⑦条件表No.2を日経225銘柄に応用したときの成績を調べる225銘柄の検証をするので、日経先物(1銘柄)の検証に比べて225倍の時間がかかります。(だいたい10~15分くらい) 「損益経過」では詳しい成績を知ることができます。 個別株は、銘柄によって株価水準が異なります。1000円の株価のもので35円の利益をあげたのと400円の株価のもので35円の利益をあげたのを比較するとき、利益額35円を見て同じ価値とすることはできません。利益率を重視すべきです。1000円のものは3.5%の利益率であり400円のものは8.75%の利益率です。 個別株の検証では、
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図のような「損益経過」がまとめられます。重要な項目は次のものです。
最大ドローダウンの数字以外は、全部数字が大きいものほど成績は優れています。(最大ドローダウンの数字は小さいものが優れている) ここでは「理論金額(M)で売買する」と指示しているので、(b)累計損益、(c)平均利益の単位は(M)です。どの銘柄の株価も1000円で仕掛けたものとしています。(b)累計損益が56124.6(M)とは、どの銘柄も1000円で仕掛けたものとするならば、累計で56124.6円の利益が出たと思ってください。また(d)平均利益が2.3(M)とは、どの銘柄も1000円で仕掛けたものとするならば、平均して2.3円の利益が出た(利益率は0.23%)であると思ってください。 図は、①条件表No.2が売買マークを出した翌日の始値で仕掛け、②売買マークがでた日の10日後の、③終値で決済する、としたときの成績ですが、②を5日後、7日後、9日後、9日後、12日後、15日後、20日後、25日後、30日後、40日後として「検証」をしてみましょう。売買マークの有効期限がわかるはずです。 |
(表5) |
決済する日 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | 最大ドローダウン |
5日後 | 28450回 B 18382回 S 9068回 |
59701M B 63580M S-3879M |
2.1M B 3.3M S-0.4M |
50.5% B 50.5% S 50.3% |
1.10倍 B 1.15倍 S 0.98倍 |
1.48倍 B 1.63倍 S-0.16倍 |
-40213M |
7日後 | 26283回 B 17572回 S 8711回 |
63788M B 71732M S-7944M |
2.4M B 4.1M S-0.9M |
49.9% B 50.0% S 49.8% |
1.10倍 B 1.16倍 S 0.96倍 |
1.40倍 B 1.48倍 S-0.24倍 |
-45697M |
9日後 | 25020回 B 16319回 S 8701回 |
43569M B 53768M S-10199M |
1.7M B 3.3M S-1.2M |
50.2% B 50.1% S 50.2% |
1.06倍 B 1.11倍 S 0.95倍 |
0.67倍 B 0.77倍 S-0.24倍 |
-64713M |
12日後 | 23468回 B 14874回 S 8594回 |
64972M B 86156M S-21183M |
2.8M B 5.8M S-2.5M |
51.2% B 51.1% S 51.4% |
1.09倍 B 1.18倍 S 0.92倍 |
1.18倍 B 1.32倍 S-0.41倍 |
-55150M |
15日後 | 22023回 B 13698回 S 8325回 |
27084M B 55044M S-27959M |
1.2M B 4.0M S-3.4M |
51.7% B 51.1% S 52.8% |
1.03倍 B 1.08倍 S 0.90倍 |
0.41倍 B 0.64 S-0.46倍 |
-66030M |
20日後 | 19829回 B 11991回 S 7838回 |
15915M B 54705M S-38790M |
0.8M B 4.6M S-4.9M |
53.2% B 52.3% S 54.6% |
1.02倍 B 1.11倍 S 0.87倍 |
0.22倍 B 0.69倍 S-0.50倍 |
-71698M |
25日後 | 18396回 B 10944回 S 7452回 |
20684M B 64501M S-43817M |
1.1M B 5.9M S-5.9M |
54.8% B 53.9% S 56.1% |
1.03倍 B 1.13倍 S 0.86倍 |
0.35倍 B 0.77倍 S-0.54倍 |
-59079M |
30日後 | 17258回 B 10110回 S 7148回 |
15036M B 58723M S-43687M |
0.9M B 5.8M S-6.1M |
56.6% B 55.4% S 58.2% |
1.02倍 B 1.13倍 S 0.86倍 |
0.22倍 B 0.61倍 S-0.52倍 |
-69593M |
40日後 | 15753回 B 8991回 S 6762回 |
29724M B 84220M S-54496M |
1.9M B 9.4M S-8.1M |
58.8% B 58.3% S 59.5% |
1.04倍 B 1.19倍 S 0.80倍 |
0.50倍 B 0.96倍 S-0.58倍 |
-59864M |
225銘柄あると、10年間で出る売買マークの総数は膨大なものです。実際の売買では年に10~100トレードをすればよいのですが、例えば「5日後決済」のトレード数をみると28450回もあります。このうちから10~100のトレードを選択せねばならないわけです。日経先物とは違ってトレードの機会はあり余るほどあるので、成績の評価をする際に「トレード数」や「累計損益」はさほど気にすることはありません。重要な項目は「平均利益」や「Pファクター」です。
それは株価の下落期が終わり、上昇し始めた初期段階で、①大量の銘柄が売りマークを出したが、②株価は上昇し続けたために、③決済が遅れるほどに損失が拡大した、ということでしょう。 ①の大量の銘柄がいっせいに売りマークを出したとき、その売りマークがでた銘柄を全部売り仕掛けをすると、このような結果になるわけです。しかし現実的には、同じ日に225銘柄のうち100銘柄が売りマークを出したとしても、100銘柄を売ることはできません。せいぜい数銘柄までです。 上の成績は実行不可能な売買のしかたの下での成績です。現実的には、ある日に100銘柄が売買マークを出したとき、そのうちから1銘柄を選んで仕掛けることになります。仕掛けた1銘柄の成績は重大ですが、残り99銘柄の成績は意味がありません。そこで、同じ日に複数の銘柄が売買マークを出したときは、何かの基準によって1銘柄を選び、その1銘柄を売買するときの成績はどうなるかを調べてみましょう。 |
⑧同じ日に売買マークがでたときは、1銘柄に絞って仕掛けた成績「損益経過」をクリックすると、右図の「損益経過の指示」の画面が現れます。ここで「仕掛ける銘柄数の制限」の欄で次のような指示をします。
(表6) |
決済する日 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | 最大ドローダウン |
5日後 | 3778回 B 1995回 S 1783回 |
3787M B 5618M S-1831M |
1.0M B 2.8M S-1.0M |
50.1% B 49.9% S 50.4% |
1.05倍 B 1.14倍 S 0.95倍 |
1.17倍 B 2.24倍 S-0.28倍 |
-3245M |
7日後 | 3713回 B 1958回 S 1755回 |
7004M B 4843M S 2160M |
1.9M B 2.5M S 1.2M |
50.2% B 49.8% S 50.6% |
1.08倍 B 1.10倍 S 1.06倍 |
2.73倍 B 1.02倍 S 0.58倍 |
-2570M |
9日後 | 3686回 B 1934回 S 1752回 |
11711M B 7374M S 4337M |
3.2M B 3.8M S 2.5M |
51.1% B 50.9% S 51.4% |
1.13倍 B 1.14倍 S 1.10倍 |
4.61倍 B 1.46倍 S 0.97倍 |
-2538M |
12日後 | 3640回 B 1897回 S 1743回 |
8296M B 5512M S 2783M |
2.3M B 2.9M S 1.6M |
51.7% B 49.8% S 53.9% |
1.08倍 B 1.09倍 S 1.06倍 |
2.17倍 B 0.80倍 S 0.45倍 |
-3823M |
15日後 | 3591回 B 1857回 S 1734回 |
9900M B 7585M S 2314M |
2.8M B 4.1M S 1.3M |
53.6% B 51.9% S 55.5% |
1.09倍 B 1.12倍 S 1.04倍 |
2.12倍 B 1.06倍 S 0.97倍 |
-4679M |
20日後 | 3506回 B 1807回 S 1699回 |
13667M B 9532M S 4135M |
3.9M B 5.3M S 2.4M |
55.2% B 52.4% S 58.2% |
1.06倍 B 1.14倍 S 1.07倍 |
3.45倍 B 1.10倍 S 0.46倍 |
-3965M |
25日後 | 3447回 B 1768回 S 1679回 |
7817M B 3823M S 3994M |
2.3M B 2.2M S 2.4M |
57.0% B 54.3% S 59.9% |
1.06倍 B 1.05倍 S 1.07倍 |
1.36倍 B 0.31倍 S 0.47倍 |
-5764M |
30日後 | 3406回 B 1751回 S 1655回 |
14678M B 11570M S 3107M |
4.3M B 6.6M S 1.9M |
59.2% B 57.1% S 61.5% |
1.11倍 B 1.07倍 S 1.05倍 |
2.59倍 B 0.99倍 S 0.32倍 |
-5663M |
40日後 | 3297回 B 1673回 S 1624回 |
12703M B 12492M S 211M |
3.9M B 7.5M S 0.1M |
60.4% B 58.5% S 62.4% |
1.09倍 B 1.15倍 S 1.00倍 |
1.42倍 B 0.85倍 S 0.02倍 |
-8945M |
1999年1月4日~2008年12月30日の10年間の立会い日数は2460日です。同じ日に複数の銘柄で買いマークがでたときは1銘柄に絞る。同じ日に複数の銘柄で売りマークがでたときは1銘柄に絞る。というルールですから、理屈的には2460回の買い仕掛けと2460回の売り仕掛けの合計4920回の仕掛けができます。上表の例えば「9日後決済」のトレード数は3686回であるので、仕掛けることが可能な4920回の75%(=3686÷4920×100)で売りか買いのマークがでていることになります。 この3686回仕掛けは、立会い日数の2460日より大きな数字です。つまり同じ日に売り建て玉と買い建て玉を維持しているわけです。上記の成績になるには、上記のすべての仕掛けをせねばなりません。例えば「9日後決済」の場合には、①9日後に決済をする(9日間建て玉を維持する)ので、②理屈上はある日に最大で9銘柄の買い建て玉があり、9銘柄の売り建て玉があることもある。③すなわち18銘柄分の資金が最低必要になります。 「20日後決済」の場合には、40銘柄を仕掛けることができる資金が必要です。 1銘柄を仕掛ける単位を100万円とすると「9日後決済」の場合は1800万円、信用取引を利用しても600万円の資金が必要ですが、売買の仕掛ける単位を50万円とすれば半分の300万円です。最近は東証は50万円以下で売買できるように、高株価の銘柄は1単位の株数を10株とか100株にするように指導しています。1トレードで仕掛ける資金を50万円にしても、これを超えるものは日経平均採用225銘柄うちで10銘柄くらいでしょう。50万円の単位で売買しても上記の成績にほぼ近い成績になると思われます。 「9日後」の平均利益率は0.32%(3.2M)です。1回の投下資金を50万円とするよりも100万円のほうが理解しやすいので、1回のトレードで100万円の仕掛けをすることにすると、100万円から得る利益額は0.32万円(3200円)です。(この利益額は手数料(往復で0.2%、2000円)を差し引いた純利益) 「100万円を賭けてタッタの3200円の儲けか」と思わないでください。この統計(成績)を元にして、売買の工夫をすればよいのです。まだ「工夫」のひとつもしていない段階です。 ここまでのことで
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(表7) 9日後決済の年別成績
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(表8) 20日後決済の年別成績(参考)
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⑨トレンドによって売買マークの採否を決める条件表No.2「日経平均用'96」をそのまま使って個別株の売買をすると、例えば「9日後決済」を例にとると次のようになっていました。
個別株の売買においては、小波動のピーク近辺でカラ売りしても期待するほどの利益がでないこともあるし、小波動のボトム近辺でカラ買いしても期待すべき利益を得られないことがあります。株式投資のレバレッジが低いからです。信用取引で目一杯の仕掛けをしても証拠金の3.3倍の投資しかできません。10%の利益をあげようとするならば、最低でも株価が3.3%動かねばなりません。3.3%の値幅をとろうとするなら、名人でもこの2倍の6.6%の値動きがいるでしょう。普通はこの3倍の9.9%の値動きがないと3.3%の利益を出すことはできません。最低でも株価が10%以上動くだろうときだけ仕掛けるべきです。条件表No.2が出す売買マークのとおりに売買すれば、利益が出ない株価の動きでも仕掛けるという無駄が生じます。 |
右図は、条件表No.2による3401「帝人」のグラフです。(A,B,C)がカラ売りすべきところで、(a,b,c)がカラ買いすべきところです。「相場の原則」による仕掛けをしてよいのは、次の4局面です。
(a)は、突っ込み買い (株価が75日線より大きく下落しているときに買いマークがでた) (B)は、戻り売り (株価が75日線より下にあるとき売りマークがでた) (b)は、押し目買い (株価が75日線より上にあるとき買いマークがでた) (C)は、吹き値売り (株価が75日線より大きく上昇しているとき売りマークがでた) (c)は、押し目買い (株価が75日線より上にあるとき買いマークがでた) |
右図は、条件表No.2が出す売買マークはそのままにして、
±4%の線を追加した理由は、株価と75日線の位置関係だけによって上昇トレンド・下降トレンドを判断することは難しいためです。例えば(c)の「押し目買い」です。株価が75日線よりも1円高い位置にあるときは「押し目買い」になり、株価が75日線よりも1円低い位置にあるときは押し目買いにはなりません。 同じく(A)の「戻り売り」は、株価が75日線よりも1円低い位置にあるときは「戻り売り」になり、株価が75日線よりも1円高い位置にあるときは戻り売りにはなりません。上昇トレンドとするか下降トレンドとするかは、実に±1円の違いで変わるわけです。 そこで「株価と75日線」の位置関係で判断せずに、①株価が75日線よりも+4%以上高い位置」にあるときは上昇トレンドにある、②株価が75日線よりも-4%以上安い位置」にあるときは下降トレンドにある、と判断することにしましょう。 つまり
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⑩「個別株用(押し・戻り)」の条件表を設定する前章では75日線からのカイリ率が±4%をもって上昇トレンド(+4%以上で出た買いマークで押し目買い)、下降トレンド(-4%以下で出た売りマークで戻り売り)の判断基準とすると簡単にいいましたが、「±4%」がよいのか「±6%」がよいのか「±10%」がよいのかはまだわかっていません。最もよい成績を出す「±X%」を見つけてみましょう。条件表No.2「日経平均用'96」を別の条件No.へ「複写」して、次の条件表を用意します。
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この2行を追加することで、条件表No.2の買いマークは75日線からのカイリ率が(a)+4%以上のときしかでなくなります。また売りマークは75日線からのカイリ率が(b)-4%以以下のときしか出なくなります。 前章の3401「帝人」を新しい条件表で描くと、右図の位置で売買マークがでます。カイリ率が(a)+4%以下のとき買いマークはでていないし、カイリ率が(b)-4%以上のとき売りマークはでていません。 |
準備した条件表No.168 条件表の(a)の+4%、(b)の-4% の数字を変えて検証していけば、もっともよいカイリ率が明らかになります。次のカイリ率について検証します。 |
カイリ率 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ |
(a)以上で買い | -2% |
+0% | +2% | +4% | +6% | +8% | +10% | +12% | +15% | +20% |
(b)以下で売り | +2% |
-0% | -2% | -4% | -6% | -8% | -10% | -12% | -15% | -20% |
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⑪個別株の押し目買い・戻り売りの成績だいたい10~15分くらいで1つの検証が終わります。 「損益経過」によって詳しい成績を調べてみましょう。 個別株の検証では、
(表9) カイリ率による成績の違い(+X%以上で買い、-X%以下で売り」(9日後決済) |
カイリ率 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建て玉 資金効率 |
-2%以上買い +2%以下売り |
2264回 B 1323回 S 941回 |
11741M B 6764M S 4977M |
5.2M B 5.1M S 5.3M |
51.9% B 51.4% S 52.5% |
1.22倍 B 1.21倍 S 1.24倍 |
6.06倍 B 2.42倍 S 1.44倍 |
-1937M (18銘柄) 1.19倍 |
+0%以上買い -0%以下売り |
1916回 B 1181回 S 735回 |
11735M B 7388M S 4346M |
6.1M B 6.3M S 5.9M |
52.1% B 51.7% S 52.7% |
1.25倍 B 1.26倍 S 1.24倍 |
6.27倍 B 3.29倍 S 1.13倍 |
-1871M (17銘柄) 1.24倍 |
+2%以上買い -2%以下売り |
1593回 B 1044回 S 549回 |
10621M B 7197M S 3423M |
6.7M B 6.9M S 6.2M |
51.9% B 51.4% S 52.8% |
1.26倍 B 1.27倍 S 1.23倍 |
5.12倍 B 3.20倍 S 1.22倍 |
-2073M (15銘柄) 1.16倍 |
+4%以上買い -4%以下売り |
1246回 B 866回 S 380回 |
9502M B 6260M S 3242M |
7.6M B 7.2M S 8.5M |
53.5% B 52.4% S 56.1% |
1.29倍 B 1.29倍 S 1.30倍 |
5.04倍 B 4.43倍 S 1.64倍 |
-1884M (13銘柄) 1.17倍 |
+6%以上買い -6%以下売り |
989回 B 715回 S 274回 |
11978M B 8484M S 3493M |
12.1M B 11.9M S 12.8M |
55.7% B 54.7% S 58.4% |
1.45倍 B 1.46倍 S 1.43倍 |
6.40倍 B 6.10倍 S 3.24倍 |
-1872M (12銘柄) 1.54倍 |
+8%以上買い -8%以下売り |
773回 B 573回 S 200回 |
10173M B 6762M S 3410M |
13.2M B 11.8M S 17.1M |
55.8% B 53.9% S 61.0% |
1.47倍 B 1.43倍 S 1.55倍 |
6.43倍 B 5.59倍 S 4.75倍 |
-1581M (10銘柄) 1.56倍 |
+10%以上買い -10%以下売り |
598回 B 462回 S 136回 |
8557M B 6214M S 2342M |
14.3M B 13.5M S 17.2M |
55.7% B 54.3% S 60.3% |
1.50倍 B 1.50倍 S 1.51倍 |
6.64倍 B 5.54倍 S 2.89倍 |
-1289M (10銘柄) 1.44倍 |
+12%以上買い -12%以下売り |
458回 B 364回 S 94回 |
5720M B 4119M S 1600M |
12.5M B 11.3M S 17.0M |
54.1% B 52.2% S 61.7% |
1.42倍 B 1.39倍 S 1.51倍 |
3.74倍 B 3.15倍 S 1.97倍 |
-1528M (10銘柄) 0.89倍 |
+15%以上買い -15%以下売り |
313回 B 255回 S 58回 |
4253M B 2925M S 1327M |
13.6M B 11.5M S 22.9M |
57.2% B 56.1% S 62.1% |
1.44倍 B 1.39倍 S 1.64倍 |
3.76倍 B 2.59倍 S 2.52倍 |
-1131M (9銘柄) 0.80倍 |
+20%以上買い -20%以下売り |
175回 B 151回 S 24回 |
3983M B 2622M S 1360M |
22.8M B 17.4M S 56.7M |
60.6% B 57.6% S 79.2% |
1.42倍 B 1.56倍 S 3.58倍 |
4.55倍 B 3.24倍 S 4.92倍 |
-875M (8銘柄) 0.90倍 |
上表からどのカイリ率の条件をつければよいかを判断せねばなりませんが、目安としては
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⑫個別株の押し目買い・戻り売りの方針は安定した成績を出すか?(9日後決済)前章で、「75日線からのカイリ率が+6%(または+8%)以上のときだけ押し目買いをし、-6%(または-8%)以下のときだけ戻り売り」をする方針がよいことがわかりました。だがその成績は10年間で安定したものでないといけません。成績の安定性を調べるために「年別成績」にまとめると以下のようになっていました。「±6%」と「±8%」を掲げます。 (表10) 「±6%」の年別成績 (9日後決済)
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(表11) 「±8%」の年別成績 (9日後決済)
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ともに成績は安定しています。「±8%」も「±6%」ほぼ同じような成績ですが、①「±6%」の累計損益Mのほうが大きいこと、②2004年はともにマイナスになっているが「±6%」のほうがマイナスが小さい、ことから「±6%」のほうがよいのかなという気がします。 |
⑬個別株の押し目買い・戻り売り(20日後決済)の成績⑪⑫章では「9日後決済」について調べました、⑧章「同じ日に売買マークが出たときは、1銘柄に絞って仕掛けた成績」の(表6)で、「20日後決済」は「9日後決済」に匹敵する成績となっていました。そこで「20日後決済」について成績を調べてみました。 (表12) カイリ率による成績の違い(+X%以上で買い、-X%以下で売り」 (20日後決済) |
カイリ率 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建て玉 資金効率 |
-2%以上買い +2%以下売り |
1842回 B 1127回 S 715回 |
16892M B 7755M S 9136M |
9.2M B 6.9M S 12.8M |
50.8% B 48.6% S 54.3% |
1.26倍 B 1.19倍 S 1.40倍 |
5.98倍 B 1.33倍 S 1.55倍 |
-2825M (28銘柄) 1.12倍 |
+0%以上買い -0%以下売り |
1842回 B 1127回 S 715回 |
16892M B 7755M S 9136M |
9.2M B 6.9M S 19.9M |
50.8% B 48.6% S 54.3% |
1.26倍 B 1.19倍 S 1.40倍 |
5.98倍 B 1.33倍 S 1.55倍 |
-2825M (28銘柄) 1.12倍 |
+2%以上買い -2%以下売り |
1531回 B 993回 S 538回 |
17497M B 8823M S 8674M |
11.4M B 8.9M S 16.1M |
51.1% B 48.8% S 55.4% |
1.31倍 B 1.23倍 S 1.48倍 |
6.28倍 B 1.63倍 S 2.92倍 |
-2787M (25銘柄) 1.25倍 |
+4%以上買い -4%以下売り |
1204回 B 830回 S 374回 |
17061M B 8517M S 8544M |
14.2M B 10.3M S 22.8M |
52.9% B 50.2% S 58.8% |
1.39倍 B 1.27倍 S 1.68倍 |
5.87倍 B 2.10倍 S 1.45倍 |
-2907M (23銘柄) 1.26倍 |
+6%以上買い -6%以下売り |
949回 B 679回 S 270回 |
19267M B 12104M S 7163M |
20.3M B 17.8M S 26.5M |
54.8% B 53.6% S 57.8% |
1.56倍 B 1.49倍 S 1.75倍 |
6.38倍 B 5.14倍 S 4.39倍 |
-3018M (21銘柄) 1.47倍 |
+8%以上買い -8%以下売り |
739回 B 544回 S 195回 |
15720M B 10267M S 5453M |
21.3M B 18.9M S 28.0M |
54.1% B 53.5% S 55.9% |
1.56倍 B 1.49倍 S 1.77倍 |
6.12倍 B 5.15倍 S 4.24倍 |
-2568M (18銘柄) 1.41倍 |
+10%以上買い -10%以下売り |
575回 B 444回 S 131回 |
14483M B 10826M S 3656M |
25.2M B 24.4M S 27.9M |
54.6% B 54.5% S 55.0% |
1.67倍 B 1.66倍 S 1.72倍 |
7.53倍 B 5.44倍 S 3.11倍 |
-1924M (17銘柄) 1.52倍 |
+12%以上買い -12%以下売り |
435回 B 346回 S 89回 |
12953M B 9791M S 3161M |
29.8M B 28.3M S 35.5M |
56.1% B 56.4% S 55.1% |
1.83倍 B 1.77倍 S 2.10倍 |
8.16倍 B 6.06倍 S 1.55倍 |
-1586M (15銘柄) 1.58倍 |
+15%以上買い -15%以下売り |
293回 B 239回 S 54回 |
7425M B 5050M S 2374M |
25.3M B 21.1M S 44.0M |
55.6% B 55.6% S 55.6% |
1.63倍 B 1.52倍 S 2.20倍 |
1.38倍 B 1.26倍 S 1.50倍 |
-1433M (13銘柄) 1.03倍 |
+20%以上買い -20%以下売り |
165回 B 143回 S 22回 |
6590M B 5162M S 1427M |
39.9M B 36.1M S 64.9M |
57.6% B 55.9% S 68.2% |
1.92倍 B 1.81倍 S 2.78倍 |
6.20倍 B 3.69倍 S 1.50倍 |
-1063M (10銘柄) 1.20倍 |
「9日後決済」では資金効率は「カイリ率±6%」が1.54倍、「カイリ率±8%」が1.56倍で優れていましたが、「20日後決済」ではカイリ率±12%」が1.58倍、「カイリ率±10%」が1.52倍となっています。 「9日後決済」は小さい波動、「20日決済」はそれより大きな波動をとることを目的としていますから、「20日後決済」ではカイリ率の制約がよりキツいもののほうが成績がよいわけです。 「20後決済」の年別成績を見てみましょう。 (表13)「±12%」の年別成績 (20日後決済)
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(表14)「±10%」の年別成績 (20日後決済)
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(表15) 「±8%」の年別成績 (20日後決済)
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(表16) 「±6%」の年別成績 (20日後決済)
「20日後決済」の年別成績では「カイリ率±8%」は10年間全部プラスになり、「カイリ率±6%」も勝率90%と安定していることがわかりました。 「9日後決済」で資金効率がよかったのは、 順に①±8%(1.56倍)、②±6%(1.54倍)、③±10%(1.44倍)、④±0%(1.24倍)でした。 「20日後決済」で資金効率がよかったのは、順に①±12%(1.58倍)、②±10%(1.52倍)、③±6%(1.47倍)、④±8%(1.41倍)でした。 「9日後決済」「20日後決済」のどちらにしても、±6%、±8%、±10%のどれかです。カイリ率が小さいほど売買マークは多くでるので、ここでは「押し目買い・戻り売りをするカイリ率は±6%」と決めます。 |
⑭条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の条件表が決まった条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の条件表の内容は次のようになります。 ⑨「トレンドによって売買マークの採否を決める」で、右図のグラフ(カイリ率±4%のもの)を掲げました。本章ではカイリ率を±6%と決定したので、
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上の条件表の条件行No.27の(a)を+6%に、条件行No.28の(b)を-6%に変更したとき、条件表Mo.168は右図の位置で売買マークを出します。 |
⑮利食い水準と損切り水準の決めかた前章まででようやく条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の内容が決まりました。ここまでの段階では、
手仕舞いするときの相場の原則は、①「利益はできるだけ伸ばす」ことであり、②「損失はできるだけ早く処置する」ことです。だがこの2つは互いに矛盾(対立)します。 利益を伸ばそうとすれば、途中で少々の損失がでているからといって損切りすると、利食いの芽を摘み取ることになります。反対にいつまでも損切りしないでいると、大きな損失につながることがあります。
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皆さんならどのような利食い%・損切り%とされるでしょうか? 「利食い%・損切り%」には投資家の性格が現れます。利益を失いたくない人は早めの利食い(例えば+3%で利食い)をするし、損失を恐れる人は早めの損切り(例えば-5%で損切り)をしがちです。だがそれは気分による利食い・損切りです。正しい「利食い%・損切り%」は気分には関係なく決まります。次の(表17)(表18)はどのような利食い・損切りをすればよいのかを教えてくれます。 (表17)は、「利食いはしないで、損切りだけをする」ときの統計です。
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(表17)(利食いしない・損切り×%)「9日後決済」 のときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利なし 損-5% | 1039回 55.8% |
0% 44.2% |
7120M | 6.9M | 45.0% |
1.25倍 | 4.79倍 | -1485M 12銘柄 |
1.02倍 |
利なし 損-10% | 1001回 82.1% |
0% 17.9% |
10227M | 8.4M | 54.8% |
1.36倍 | 6.64倍 | -1540M 12銘柄 |
1.44倍 |
利なし 損-15% | 993回 93.8% |
0% 6.2% |
11796M | 11.9M | 55.8% |
1.44倍 | 7.00倍 | -1685M 13銘柄 |
1.53倍 |
利なし 損-20% | 993回 97.3% |
0% 2.7% |
11411M | 11.5M | 55.7% |
1.42倍 | 5.68倍 | -2009M 11銘柄 |
1.48倍 |
利なし 損-25% | 989回 98.8% |
0% 1.2% |
11447M | 11.6M | 55.7% |
1.42倍 | 5.23倍 | -2190M 12銘柄 |
1.36倍 |
利なし 損-30% | 989回 99.3% |
0% 0.7% |
11768M | 11.9M | 55.7% |
1.44倍 | 6.44倍 | -1826M 12銘柄 |
1.53倍 |
利なし 損なし | 989回 100% |
0% 0% |
11978M | 12.1M | 55.7% |
1.45倍 | 6.40倍 | -1872M 12銘柄 |
1.54倍 |
上の表は実に有用なことを教えてくれます。手仕舞いするときの「相場の原則」は①「利益はできるだけ伸ばす」、②「損失は早めに出す」の2つです。利益を伸ばそうとするなら、わずかの損失が出たからといって「損切り」していては利益をだすかもしれない建て玉を処分してしまうことになります。少々の損失には耐えなければ利益を伸ばすことはできません。 表の「資金効率」欄を見ると、-5%や-10%の損失で損切りしていてはダメだ。せめて-15%の損失までは耐えるべきだということが明らかです。資金効率が最もよいのは「損切り」をしないで、ひたすら「9日後決済」をすることでした。 (表18)は、「損切りはせずに、利食いだけする」ときの統計です。
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(表18)(利食い×%・損切りしない)「9日後決済」 ときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利+5% 損なし | 1009回 41.5% |
58.5% 0% |
8703M | 8.6M | 66.2% |
1.40倍 | 6.83倍 | -1273M 13銘柄 |
1.26倍 |
利+10% 損なし | 991回 73.9% |
26.1% 0% |
9655M | 9.7M | 57.2% |
1.37倍 | 7.26倍 | -1330M 12銘柄 |
1.45倍 |
利+15% 損なし | 989回 89.0% |
11.0% 0% |
10526M | 10.6M | 55.9% |
1.40倍 | 5.62倍 | -1872M 12銘柄 |
1.35倍 |
利+20% 損なし | 989回 95.3% |
4.7% 0% |
10718M | 10.8M | 55.7% |
1.41倍 | 5.62倍 | -1872M 12銘柄 |
1.38倍 |
利+25% 損なし | 989回 98.0% |
2.0% 0% |
11316M | 11.4M | 55.7% |
1.43倍 | 6.04倍 | -1872M 12銘柄 |
1.46倍 |
利+30% 損なし | 989回 98.8% |
1.2% 0% |
11372M | 11.5M | 55.7% |
1.43倍 | 6.07倍 | -1872M 12銘柄 |
1.46倍 |
利なし 損なし | 989回 100% |
0% 0% |
11978M | 12.1M | 55.7% |
1.45倍 | 6.40倍 | -1872M 12銘柄 |
1.54倍 |
上の表も有用なことを教えてくれます。「相場の原則」の①「利益はできるだけ伸ばす」に逆らって、早々と利益を確定すると、得べかりし利益を捨ててしまうことを示しています。 表の「資金効率」欄を見ると、「+10%で利食い」が一時的に1.45倍と高い数字になっていますが、基本は利食いを伸ばせば伸ばすほど資金効率はよくなっていき、ついには「利食いも損切りもしない」という究極の資金効率にたどりつくのです。 どうしても利食いたいならば、せめて+10%の利益がでるまでは利食いを我慢することです。+5%程度の利益で利食いしているようでは、自ら利益を得る機会を捨てていることになります。 (表19)は、「+×%で利食い~-×%で損切り」の統計です。
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(表19)(利食い×%~損切り×%)「9日後決済」 のときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利+5% 損-5% | 1055回 11.6% |
51.4% 36.9% |
3457M | 3.3M | 55.4% |
1.14倍 | 3.14倍 | -1100M 9銘柄 |
0.66倍 |
利+5% 損-10% | 1020回 27.0% |
57.9% 15.1% |
6525M | 6.4M | 65.0% |
1.27倍 | 7.35倍 | -887M 9銘柄 |
1.36倍 |
利+5% 損-15% | 1013回 36.1% |
58.5% 5.4% |
8093M | 8.0M | 66.1% |
1.36倍 | 7.77倍 | -1042M 11銘柄 |
1.47倍 |
利+5% 損-20% | 1013回 39.4% |
58.6% 2.1% |
8336M | 8.2M | 66.3% |
1.37倍 | 7.20倍 | -1157M 12銘柄 |
1.32倍 |
利+5% 損-25% | 1009回 40.6% |
58.5% 0.8% |
8273M | 8.2M | 66.2% |
1.37倍 | 6.19倍 | -1336M 12銘柄 |
1.24倍 |
利+5% 損-30% | 1009回 41.0% |
58.5% 0.5% |
8427M | 8.4M | 66.2% |
1.38倍 | 6.86倍 | -1228M 12銘柄 |
1.30倍 |
利+10% 損-5% | 1039回 33.0% |
23.7% 43.4% |
5347M | 5.1M | 46.9% |
1.20倍 | 3.84倍 | -1393M 10銘柄 |
0.87倍 |
利+10% 損-10% | 1002回 56.3% |
26.3% 17.4% |
8462M | 8.4M | 56.5% |
1.31倍 | 6.22倍 | -1361M 11銘柄 |
1.32倍 |
利+10% 損-15% | 995回 67.8% |
26.1% 6.0% |
9501M | 9.5M | 57.3% |
1.36倍 | 7.75倍 | -1225M 11銘柄 |
1.55倍 |
利+10% 損-20% | 995回 71.3% |
26.1% 2.6% |
8930M | 9.0M | 57.2% |
1.34倍 | 6.10倍 | -1464M 11銘柄 |
1.35倍 |
利+10% 損-25% | 991回 72.8% |
26.1% 1.1% |
8967M | 9.0M | 57.1% |
1.34倍 | 5.04倍 | -1779M 12銘柄 |
1.18倍 |
利+10% 損-30% | 991回 73.3% |
26.1% 0.7% |
9410M | 9.5M | 57.2% |
1.36倍 | 7.33倍 | -1284M 11銘柄 |
1.50倍 |
利+15% 損-10% | 1001回 70.9% |
11.2% 17.9% |
9350M | 9.3M | 55.1% |
1.33倍 | 6.20倍 | -1508M 12銘柄 |
1.33倍 |
利+15% 損-15% | 993回 82.7% |
11.1% 6.2% |
10635M | 10.7M | 56.1% |
1.40倍 | 7.29倍 | -1458M 13銘柄 |
1.46倍 |
利+15% 損-20% | 993回 86.3% |
11.0% 2.6% |
10107M | 10.2M | 56.0% |
1.37倍 | 5.54倍 | -1824M 12銘柄 |
1.32倍 |
利+15% 損-25% | 989回 87.9% |
11.0% 1.2% |
9995M | 10.1M | 55.9% |
1.37倍 | 4.56倍 | -2190M 12銘柄 |
1.19倍 |
利+15% 損-30% | 989回 88.3% |
11.0% 0.7% |
10315M | 10.4M | 55.9% |
1.39倍 | 5.65倍 | -1826M 12銘柄 |
1.34倍 |
利+20% 損-10% | 1001回 77.4% |
4.7% 17.9% |
9699M | 9.7M | 54.9% |
1.34倍 | 6.20倍 | -1565M 12銘柄 |
1.36倍 |
利+20% 損-15% | 993回 89.0% |
4.8% 6.2% |
10893M | 11.0M | 55.9% |
1.40倍 | 7.59倍 | -1434M 13銘柄 |
1.51倍 |
利+20% 損-20% | 993回 92.5% |
4.8% 2.6% |
10401M | 10.5M | 55.8% |
1.38倍 | 5.86倍 | -1774M 12銘柄 |
1.37倍 |
利+20% 損-25% | 989回 94.1% |
4.7% 1.2% |
10187M | 10.3M | 55.7% |
1.38倍 | 4.65倍 | -2190M 12銘柄 |
1.21倍 |
利+20% 損-30% | 989回 94.6% |
4.7% 0.7% |
10508M | 10.6M | 55.7% |
1.39倍 | 5.75倍 | -1826M 12銘柄 |
1.37倍 |
利+25% 損-10% | 1001回 80.1% |
2.0% 17.9% |
9653M | 9.6M | 54.8% |
1.34倍 | 6.23倍 | -1548M 12銘柄 |
1.36倍 |
利+25% 損-15% | 993回 91.8% |
2.0% 6.2% |
11259M | 11.3M | 55.8% |
1.42倍 | 6.68倍 | -1685M 13銘柄 |
1.46倍 |
利+25% 損-20% | 993回 95.3% |
2.0% 2.7% |
10949M | 11.0M | 55.7% |
1.40倍 | 5.45倍 | -2009M 13銘柄 |
1.31倍 |
利+25% 損-25% | 989回 96.8% |
2.0% 1.2% |
10785M | 10.9M | 55.7% |
1.40倍 | 4.92倍 | -2190M 12銘柄 |
1.28倍 |
利+25% 損-30% | 989回 97.3% |
2.0% 0.7% |
11106M | 11.2M | 55.7% |
1.42倍 | 6.08倍 | -1826M 12銘柄 |
1.45倍 |
利+30% 損-10% | 989回 81.0% |
1.2% 17.9% |
9949M | 9.9M | 54.8% |
1.35倍 | 6.46倍 | -1540M 12銘柄 |
1.40倍 |
利+30% 損-15% | 993回 92.6% |
1.2% 6.2% |
11555M | 11.6M | 55.8% |
1.43倍 | 6.86倍 | -1685M 13銘柄 |
1.50倍 |
利+30% 損-20% | 993回 96.2% |
1.2% 2.7% |
11170M | 11.2M | 55.7% |
1.41倍 | 5.56倍 | -2009M 13銘柄 |
1.33倍 |
利+30% 損-25% | 989回 97.6% |
1.2% 1.2% |
10841M | 11.0M | 55.7% |
1.40倍 | 4.95倍 | -2190M 12銘柄 |
1.29倍 |
利+30% 損-30% | 989回 98.1% |
1.2% 0.7% |
11162M | 11.3M | 55.7% |
1.42倍 | 6.11倍 | -1826M 12銘柄 |
1.45倍 |
(表17)から結論したのは「損切りはしないか、-15%の損切り」であり、(表18)から結論したのは「利食いはしないか、+10%の利食い」でした。 表の「資金効率」欄を見ると、「+10%で利食い~-15%の損切り」が1.55倍と最高の数字になっています。「利食いも損切りもしない」の1.54倍を超えたのはこれだけです。 つまり「利食いしない~損切り×%」と「利食い×%~損切りしない」の2とおりの成績を調べて、適切な損切り%と適切な利食い%をさがし、それを(利食い+X%~損切り-X%)と決めればよいのです。以上のことから(+10%の利食い~-15%の損切り)あるいは(利食いしない~損切りしない)というのがよい売買方針であるのです。 (誤解のないようにいっておきますが、「+10%で利食い~-15%の損切り」は「9日後決済」だけにあてはまる%です。「5日後決済」などではあてはまりません) |
⑯(+X%利食い~-X%損切り)の成績は安定しているか。前章では、条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の条件表は次の売買ルールで運用すればよいことがわかりました。
(表20)(利食いしない~損切り×%)「9日後決済」 のときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利なし 損-12% | 998回 88.0% |
0% 12.0% |
12006M | 12.0M | 55.8% |
1.44倍 | 7.99倍 | -1502M 13銘柄 |
1.63倍 |
利なし 損-13% | 995回 90.4% |
0% 9.6% |
11609M | 11.7M | 55.8% |
1.42倍 | 7.45倍 | -1558M 13銘柄 |
1.55倍 |
利なし 損-15% | 993回 93.8% |
0% 6.2% |
11796M | 11.9M | 55.8% |
1.44倍 | 7.00倍 | -1685M 13銘柄 |
1.53倍 |
利なし 損-17% | 994回 95.7% |
0% 4.3% |
11182M | 11.3M | 55.8% |
1.41倍 | 5.80倍 | -1928M 13銘柄 |
1.36倍 |
利なし 損-18% | 993回 96.7% |
0% 3.3% |
11089M | 11.2M | 55.7% |
1.40倍 | 5.60倍 | -1982M 13銘柄 |
1.33倍 |
上表からは、「-15%で損切り」よりも「-12%で損切り」のほうがよいようです。 (表21)(利食い×%~損切りしない)「9日後決済」 ときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利+7% 損なし | 998回 56.6% |
43.4% 0% |
8895M | 8.9M | 60.7% |
1.36倍 | 6.55倍 | -1358M 13銘柄 |
1.26倍 |
利+8% 損なし | 993回 63.8% |
36.3% 0% |
10150M | 10.2M | 59.5% |
1.42倍 | 7.88倍 | -1287M 12銘柄 |
1.54倍 |
利+10% 損なし | 991回 73.9% |
26.1% 0% |
9655M | 9.7M | 57.2% |
1.37倍 | 7.26倍 | -1330M 12銘柄 |
1.45倍 |
利+12% 損なし | 990回 80.9% |
19.1% 0% |
9980M | 10.1M | 56.5% |
1.38倍 | 7.26倍 | -1490M 12銘柄 |
1.43倍 |
利+13% 損なし | 989回 84.8% |
15.2% 0% |
9401M | 9.5M | 56.0% |
1.36倍 | 5.39倍 | -1744M 12銘柄 |
1.25倍 |
上表からは、「+10%で利食い」よりも「+8%で利食い」のほうがよいようです。 (表22)(利食い+8%~損切-12%) のときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利+10% 損-15% | 995回 67.8% |
26.1% 6.0% |
9501M | 9.5M | 57.3% |
1.36倍 | 7.75倍 | -1225M 11銘柄 |
1.55倍 |
利+8% 損-12% | 1000回 52.3% |
36.4% 11.3% |
9701M | 9.7M | 59.6% |
1.39倍 | 7.45倍 | -1301M 11銘柄 |
1.54倍 |
上表からは、「+10%で利食い~-15%で損切り」と「+8%で利食い~-12%で損切り」はほぼ同じ成績です。無理に判断すれば①「累計損益M」が大きく、②利食い割合が大きく、③勝率が高い ことから「+8%で利食い~-12%で損切り」のほうが成績はよいといえます。ただその差はわずかなものなのです。 「+10%で利食い~-15%で損切り」と「+8%で利食い~-12%で損切り」の年次成績を掲げます。どちらも成績は安定しています。 |
(表23) 「+10で利食い~-15%で損切り」の年別成績 (9日後決済)
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(表24) 「+8で利食い~-12%で損切り」の年別成績 (9日後決済) |
年 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ |
1999年 | 99回 |
1914M | 19.3M | 65.7% | 1.83倍 |
2000年 | 157回 |
2058M | 13.1M | 66.2% | 1.47倍 |
2001年 | 110回 |
207M | 1.9M | 52.7% | 1.06倍 |
2002年 | 108回 |
1747M | 16.2M | 64.8% | 1.76倍 |
2003年 | 124回 |
2334M | 18.8M | 64.5% | 1.85倍 |
2004年 | 72回 |
-428M | -6.0M | 48.6% | 0.81倍 |
2005年 | 72回 |
1048M | 14.6M | 63.9% | 1.95倍 |
2006年 | 83回 |
-420M | -5.1M | 50.6% | 0.82倍 |
2007年 | 77回 |
337M | 4.4M | 54.5% | 1.19倍 |
2008年 | 98回 |
900M | 9.2M | 55.1% | 1.32倍 |
合計 | 1000回 |
9701M 平均 970.1M |
9.7M | 59.6% | 1.39倍 |
以上、すべて合格。 |
ここでは「+10%で利食い、-15%で損切り」を採用します。 (「+8%(+10%)で利食い~-12%(-15%)で損切りするのがよい」は「9日後決済」をするときのことです。「5日後決済」のように短い期間や「20日後決済」のように長い期間のときはあてはまりません。⑮章でやったように統計を取って、最適な利食い%・損切り%を調べてください。) これによって条件表No.168を使う際の売買ルールが決定しました。右図のようになります。
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⑰資金の大きさによって売買ルールは変わる⑮⑯章で、利食い・損切りの水準の決めかたについて述べました。「9日決済」のときは「+10%(+8%)で利食い~-15%(-12%)で損切り」をすればよい。あるいは「利食いも損切りもしない」というのがよい売買ルールでした。 もし投資家が「9日決済」をするならば、条件表No.168とその売買ルールにしたがって売買すれば、(表23)のような成績が期待できます。ただし「9日後決済」をするときは、⑪章「個別株の押し目買い・戻り売りの成績」で述べたように、理屈上では同時期に最大で18銘柄の建て玉をしなければならない可能性があります(過去10年間では最大時は12銘柄を建て玉していた)。 18銘柄(少なくとも12銘柄)を仕掛けるだけの資金が必要です。1回の仕掛けを50万円とすれば、600万円(12銘柄分)が必要ですが、信用取引をするので200万円の証拠金でよい。ここへ損失がでたとき証拠金に充当するための予備資金を用意しておかねばなりません。(表23)では最大ドローダウンは-1225M(1回の仕掛けを100万円としたときは122.5万円)となっています。50万円の仕掛けなら半分の62万円の予備資金が必要です(ドローダウンの2倍の122万円を予備資金にしておくのがよい)。最低でも合計262万円を用意しないとトレードはできません。 それほどの資金がないという投資家のために、次のことを検討してみましょう。
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(表25) 「±6%カイリ率」による「×日後決済」の成績 |
X日後決済 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建て玉 資金効率 |
1日後 | 1267回 B 900回 S 367回 |
1812M B 1637M S 175M |
1.4M B 1.8M S 0.5M |
50.4% B 49.9% S 51.8% |
1.16倍 B 1.20倍 S 1.06倍 |
2.45倍 B 3.13倍 S 0.37倍 |
-740M (2銘柄) 0.84倍 |
2日後 | 1093回 B 788回 S 305回 |
4912M B 4225M S 686M |
4.5M B 5.4M S 2.3M |
53.6% B 54.2% S 52.18% |
1.35倍 B 1.43倍 S 1.17倍 |
5.95倍 B 8.76倍 S 0.79倍 |
-825M (4銘柄) 1.64倍 |
3日後 | 1048回 B 751回 S 297回 |
5640M B 4567M S 1072M |
5.4M B 6.1M S 3.6M |
54.3% B 55.3% S 51.9% |
1.35倍 B 1.40倍 S 1.23倍 |
6.71倍 B 6.22倍 S 1.20倍 |
-840M (6銘柄) 1.53倍 |
5日後 | 1012回 B 734回 S 278回 |
8107M B 5721M S 2386M |
8.0M B 7.8M S 8.6M |
56.6% B 56.3% S 57.6% |
1.39倍 B 1.39倍 S 1.40倍 |
7.61倍 B 6.72倍 S 3.90倍 |
-1065M (9銘柄) 1.58倍 |
7日後 | 1000回 B 724回 S 276回 |
8873M B 6849M S 2023M |
8.9M B 9.5M S 7.3M |
54.4% B 54.3% S 54.7% |
1.37倍 B 1.41倍 S 1.26倍 |
5.73倍 B 6.28倍 S 2.70倍 |
-1548M (10銘柄) 1.38倍 |
9日後 | 989回 B 715回 S 274回 |
11978M B 8484M S 3493M |
12.1M B 11.9M S 12.8M |
55.7% B 54.7% S 58.4% |
1.45倍 B 1.46倍 S 1.43倍 |
6.40倍 B 6.10倍 S 3.24倍 |
-1872M (12銘柄) 1.54倍 |
12日後 | 974回 B 703回 S 274回 |
15966M B 11301M S 4665M |
16.4M B 16.1M S 17.2M |
54.1% B 52.6% S 57.9% |
1.54倍 B 1.54倍 S 1.54倍 |
10.46倍 B 7.65倍 S 3.93倍 |
-1525M (15銘柄) 1.98倍 |
15日後 | 961回 B 691回 S 270回 |
21086M B 14262M S 6824M |
21.9M B 20.6M S 25.3M |
56.1% B 53.7% S 62.2% |
1.70倍 B 1.67倍 S 1.77倍 |
12.42倍 B 7.35倍 S 5.41倍 |
-1698M (17銘柄) 2.32倍 |
20日後 | 949回 B 679回 S 270回 |
19267M B 12104M S 7163M |
20.3M B 17.8M S 26.5M |
54.8% B 53.6% S 57.8% |
1.56倍 B 1.49倍 S 1.75倍 |
6.38倍 B 5.14倍 S 4.39倍 |
-3018M (21銘柄) 1.47倍 |
25日後 | 927回 B 661回 S 266回 |
20308M B 13919M S 6389M |
21.9M B 21.1M S 24.0M |
55.4% B 54.6% S 57.5% |
1.55倍 B 1.55倍 S 1.55倍 |
6.72倍 B 5.37倍 S 2.68倍 |
-3022M (25銘柄) 1.41倍 |
30日後 | 914回 B 650回 S 264回 |
25600M B 18481M S 7119M |
28.0M B 28.4M S 27.0M |
55.3% B 54.3% S 57.6% |
1.66倍 B 1.71倍 S 1.56倍 |
8.90倍 B 7.92倍 S 2.80倍 |
-2875M (28銘柄) 1.69倍 |
40日後 | 878回 B 625回 S 253回 |
30671M B 24284M S 6386M |
34.9M B 38.9M S 25.2M |
56.0% B 56.6% S 54.5% |
1.69倍 B 1.80倍 S 1.46倍 |
11.7倍 B 6.59倍 S 2.23倍 |
-2622M (35銘柄) 1.81倍 |
上表で見るのは「資金効率」です。この数値が高いものほど利益が出ます。最も大きいのは、(1)「15日後」2.32倍、ついで(2)「12日後」1.98倍、(3)「40日後」1.81倍、(4)「30日後」1.69倍で、長めの建て玉期間のほうが、累計利益も資金効率もよいことがわかります。 建て玉期間が長いと、①同時に建て玉する銘柄数が多くなる、②最大ドローダウンが大きくなる ので小額の資金ではこの売買はできません。 建て玉期間が短いものを見ると「2日後決済」の資金効率は1.64倍です。これは「9日後」よりもよい数字です。「2日後決済」をするときに必要な資金は、
「3日後決済」も最大ドローダウン840Mは「2日後」の825Mと違いがないので、必要な資金は「2日後」とそう変わりません。必要な資金は、
「2日後決済」か「3日後決済」の売買ルールにすれば、比較的少ない資金であっても、機械的な売買ができるわけです。だが成績が安定していないならその方針は取れません、「年別成績」を調べてみると次のようになりました。 |
(表26) 「2日後決済」の年別成績
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(表27) 「3日後決済」の年別成績
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掲げた成績は「利食いも損切り」もしないときのものです。「2日後決済」のときどのような「利食い%~損切り%」が適当なのかを調べてみると、次のようになりました。(最大建て玉は4銘柄に固定) (表28)利食いしない・損切り×%(2日後決済) のときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利なし 損-4% | 1106回 77.4% |
0% 22.6% |
2755M | 2.5M | 50.9% |
1.18倍 | 2.96倍 | -931M | 0.86倍 |
利なし 損-6% | 1096回 89.6% |
0% 10.4% |
3171M | 2.9M | 52.5% |
1.21倍 | 3.21倍 | -986M | 0.95倍 |
利なし 損-8% | 1095回 95.3% |
0% 4.7% |
3951M | 3.6M | 53.2% |
1.27倍 | 4.37倍 | -905M | 1.25倍 |
利なし 損-10% | 1094回 97.8% |
0% 2.2% |
4429M | 4.0M | 53.5% |
1.31倍 | 5.00倍 | -885M | 1.47倍 |
利なし 損-12% | 1094回 99.0% |
0% 1.0% |
4711M | 4.3M | 53.6% |
1.33倍 | 5.71倍 | -825M | 1.57倍 |
利なし 損なし | 1093回 100% |
0% 0% |
4912M | 4.5M | 53.6% |
1.35倍 | 5.95倍 | -825M | 1.64倍 |
(表29)利食い×%・損切りしない(2日後決済)ときの成績 |
利食% 損切% | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
利+2% 損なし | 1134回 40.4% |
59.6% 0% |
926M | 0.8M | 65.1% |
1.08倍 | 1.02倍 | -903M | 0.29倍 |
利+4% 損なし | 1103回 73.9% |
26.1% 0% |
4109M | 3.7M | 56.4% |
1.30倍 | 7.39倍 | -556M | 1.68倍 |
利+5% 損なし | 1100回 76.1% |
23.9% 0% |
4075M | 3.7M | 54.8% |
1.29倍 | 6.86倍 | -594M | 1.61倍 |
利+6% 損なし | 1096回 83.2% |
16.8% 0% |
3937M | 3.6M | 54.0% |
1.28倍 | 5.17倍 | -761M | 1.37倍 |
利+8% 損なし | 1094回 92.1% |
7.9% 0% |
4068M | 3.7M | 53.6% |
1.29倍 | 5.09倍 | -800M | 1.38倍 |
利+10% 損なし | 1093回 95.8% |
4.2% 0% |
4478M | 4.1M | 53.5% |
1.32倍 | 5.59倍 | -800M | 1.52倍 |
利+12% 損なし | 1093回 98.0% |
2.0% 0% |
4572M | 4.2M | 53.5% |
1.33倍 | 5.54倍 | -825M | 1.53倍 |
利なし 損なし | 1093回 100% |
0% 0% |
4912M | 4.5M | 53.6% |
1.35倍 | 5.95倍 | -825M | 1.64倍 |
(表28)と(表29)から「2日後決済」をするときは、
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⑱建て玉する銘柄数を制限するここまでのことからは、「9日後決済」をするには、18銘柄を仕掛けるだけの資金が必要でした。だが本章では、「建て玉するのは例えば5銘柄までに制限する」(それ以上は売買マークがでても仕掛けない)とどうなるかを調べてみます。平均利益や資金効率がそう変わらないなら、これはスバラシイ。小額の資金でここまで述べたトレードができるからです。 「損益経過の指示」の画面で「資金固定」を指示することができます(2009年12月に機能を追加した)。 これはいつでも最大限×千Mまで(つまりは×銘柄まで)の仕掛けができるときの検証をするためのものです。 似たような機能に「初期資金」がありますが、これは最大限×千Mの限度が損益によって変化します。
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(表30) 「±6%カイリ率」「9日決済」で最大建て玉を×銘柄に制限したときの成績 |
最大建て玉 | トレード数 | 累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建て玉 資金効率 |
制限なし 18銘柄 |
989回 B 715回 S 274回 |
11978M B 8484M S 3493M |
12.1M B 11.9M S 12.8M |
55.7% B 54.7% S 58.4% |
1.45倍 B 1.46倍 S 1.43倍 |
6.40倍 B 6.10倍 S 3.24倍 |
-1872M (12銘柄) 1.54倍 |
1銘柄 | 196回 B 161回 S 90回 |
2082M B 2673M S 1061M |
10.6M B 16.6M S 11.8M |
51.0% B 54.0% S 51.1% |
1.39倍 B 1.69倍 S 1.39倍 |
3.70倍 B 8.57倍 S 1.54倍 |
-563M (1銘柄) 1.42倍 |
2銘柄 | 370回 B 298回 S 150回 |
5019M B 4789M S 2259M |
13.6M B 16.1M S 15.1M |
54.3% B 56.0% S 56.7% |
1.52倍 B 1.68倍 S 1.54倍 |
8.89倍 B 7.45倍 S 2.89倍 |
-564M (2銘柄) 2.79倍 |
3銘柄 | 523回 B 417回 S 196回 |
7058M B 6608M S 2308M |
13.5M B 15.8M S 11.8M |
55.8% B 56.1% S 58.2% |
1.51倍 B 1.68倍 S 1.39倍 |
10.55倍 B 9.33倍 S 2.61倍 |
-669M (3銘柄) 3.01倍 |
5銘柄 | 766回 B 584回 S 246回 |
10071M B 8726M S 2513M |
13.1M B 14.9M S 10.2M |
55.9% B 55.8% S 56.5% |
1.50倍 B 1.63倍 S 1.33倍 |
8.52倍 B 7.49倍 S 2.19倍 |
-1182M (5銘柄) 2.49倍 |
9銘柄 | 970回 B 709回 S 273回 |
12175M B 8530M S 3573M |
12.6M B 12.0M S 13.1M |
56.1% B 54.9% S 58.6% |
1.47倍 B 1.47倍 S 1.45倍 |
8.08倍 B 6.13倍 S 3.32倍 |
-1505M (9銘柄) 2.02倍 |
上表の一番上の行は理屈上建て玉する可能性がある18銘柄まで建て玉できるとしたときの成績です。これが前章まで述べてきたトレードの基本です。2行目以下が建て玉する銘柄を制限したときの成績です。 「資金効率」欄を見ると「1銘柄」に制限したときは1.42倍とあり、「制限なし」の1.54倍より劣っていますが、「2銘柄」から「9銘柄」まで、すべて「制限なし」の資金効率を上回っています。これは朗報です。「9日後決済」をするとき理論上必要な18銘柄分の資金を必要とはしないのです。 ①2銘柄分か3銘柄分を建て玉できるだけの証拠金を用意すればよいし、②建て玉数が少なくなれば最大ドローダウンも小さくなるので、損失に備える予備資金も少なくてすみます。よいことだらけです。例えば「建て玉を2銘柄までに制限」するときに必要な資金は、
「累計損益M」の数字を見ると、「3銘柄に制限したときの累計損益は7058Mで、「制限なし」の11978Mの約60%の利益を出しています。「5銘柄」は10071Mで、「制限なし」の84%の利益です。「5銘柄」に制限しても「制限なし」とそう変わらない利益がでるわけです。問題は成績が安定しているかどうかです。最大で18銘柄まで仕掛ける可能性があるのに2銘柄しか仕掛けていないのです。その2銘柄がたまたま利益をだしたためによい成績になったのかも知れません。次に年別成績を掲げます。 |
(表31) 「2銘柄に制限」したとき(9日後決済)の年別成績
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(表32) 「3銘柄に制限」したとき(9日後決済)の年別成績
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(表33) 「5銘柄に制限」したとき(9日後決済)の年別成績
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次に「制限なし」のときの「9日後決済」を掲げます。 (表10)「制限なし」のときの年別成績 (9日後決済)
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10年間のトレード数と各年のトレード数の割合、10年間の累計損益と各年の累計損益の割合を表にまとめると次のようになります。 (表34)各年のトレード数の割合(9日後決済)
トレード数が少ない2004年と2005年には、「5銘柄」は10年間でトレード数が少ない1・2番目の割合になっています。 「5銘柄」→「3銘柄」→「2銘柄」の順に「制限なし」のトレード割合に近づいており、制限する銘柄数が大きくなるほど「制限なし」の成績に近づいていくことを表していますが、「2銘柄」「3銘柄」であっても、相当に「制限なし」の成績に近似しています。 今後も、建て玉する銘柄数を「2銘柄」「3銘柄」に制限しても、「制限なし」の成績に似た成績になると思われます。 前⑰章でいったように、少ない資金でトレードするときの方法は、①「1日後決済」「2日後決済」のように短期のトレードをするか、本章のように、建て玉を「2銘柄」「3銘柄」に制限する、の2つがあります。①の短期トレードをすると、(表25)にあるように、累計損益は「1日後決済」のとき1812M、「2日後決済」のとき4912Mでしかありません。これに対して②の「2銘柄(9日後決済)」の累計損益は5019Mであり、「3銘柄(9日後決済)」は7058Mあります。 建て玉期間が長いほど大きな利益を上げられるのは当然のことなので、①よりも②のほうが有利です。また「9日後決済」をするならば、「1日後決済」や「2日後決済」ではできない「+10%で利食い~-15%で損切り」の売買ルールも使えます。次に「利食い・損切り」をしたときの成績を掲げます。(利食い・損切りしないほうが成績はよかった) |
(表35)(+10%で利食い~-15%損切り)のときの成績 |
建て玉制限 | トレード数 (時間切) |
(利食い) (損切り) |
累計損益M | 平均利益M | 勝率 | Pファクタ | PD倍率 | ドローダウン 最大建玉 |
資金効率 |
制限なし | 995回 67.8% |
26.1% 6.0% |
9501M | 9.5M | 57.3% |
1.36倍 | 7.75倍 | -1225M 11銘柄 |
1.55倍 |
2銘柄に制限 | 408回 67.8% |
26.1% 6.0% |
3807M | 9.3M | 54.9% |
1.36倍 | 4.77倍 | -797M 2銘柄 |
1.68倍 |
3銘柄に制限 | 569回 67.8% |
26.1% 6.0% |
5265M | 9.3M | 56.2% |
1.36倍 | 5.93倍 | -888M 3銘柄 |
1.89倍 |
⑲条件表No.168「個別株用(押し戻り)」のまとめ講座を書き始めた発端は、日経平均の小波動のピーク・ボトムをとらえようとする条件表No.2「日経平均用'96」を個別株の売買の指針にされているユーザーが多くあると知ったからです。カンに頼って売買のタイミングを決めるよりもマシですが、日経平均と個別株とでは、①株価の変化幅が異なる(個別株のほうが大きい)、②レバレッジが異なる(個別株はレバレッジが小さい)、ことから③日経先物の売買のタイミングと個別株の売買のタイミングは違ってきます。単純に条件表No.2を個別株の売買の指針にすることはできません。 そこで次のことを調べました。
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(表35) 「+8で利食い~-12%で損切り」の年別成績 (9日後決済、3銘柄)
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(表36) 「+10で利食い~-15%で損切り」の年別成績 (9日後決済、3銘柄)
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(表35)「+8で利食い~-12%で損切り」の年別成績と日経平均の1999年~2009年までの月足グラフを掲げます。 グラフ上部に平均利益(単位はM)を色をつけて表示しています。
11年間のうち2年はマイナスの成績ですが、2004年の株価は横ばいであり、2006年は波乱(上げて→下げて→上げる)の動きでした。こういうときは仕掛けるチャンスがあまりありません。トレード数は11年間で少ないほうから1番(2006年の48回)・2番(2004年の50回)です。 |
⑳-(1)正しい検証のしかた---新規検証をするこの講座では、条件表No.2「日経平均用'96」を個別株に応用するにはどのような工夫をせねばならないかについて述べました。結論は①条件表No.168「個別株用(押し戻し)」を設定したこと、②売買ルールを決めたこと の2つですが、その結論を提示することが本講座の目的ではありませんでした。役に立つ投資システム(条件表と売買ルール)を作るために、①どういう統計をとって(検証をして)、②どう判断して、③その結論を出したのかを提示することが、本講座の真の目的でした。 「検証」は《Qエンジン24》を使えば、誰にでも簡単にできます。だが手当たり次第に検証をしてみても正しい結論はでません。合理的な検証の手順を踏む必要があります。こういう手順で検証すればよいという手本を示したかった。 講座では過去10年間について検証したことを忘れないで下さい。これくらいの期間の検証をしないと、統計(検証)の結果に信頼が置けません。また検証した後、必ず「年別成績」の検証をしたことも忘れないで下さい。「年別成績」で、ある年に10年間の利益(損失)の半分を上げたといった偏ったものは信頼できません。 自分なりの「条件表」と「売買ルール」を決めるには「検証」の作業をすることが必須です。たかだか100銘柄について、2~3年のアタリ・ハズレから結論(条件表と売買ルール)を導いたなら、それは次の2年か3年で大間違いを犯します。「条件表を設定する」ことはナカナカ難しいことです。しかしすでにある条件表を「検証」することは誰でもできます。《Qエンジン24》のユーザーは1996年~2009年までのデータ(カナル24Ver.2セットアップCD-ROMに入っている)を使って、すぐにでも過去14年間の検証ができます。 ある条件表があったとき、①その条件表ははたして利益をもたらせるのか。②どのような売買ルールにすれば最高の能力を発揮するのか。③自分のやりたいトレード(建て玉期間や用意すべき資金)にかなっているのか。こういうことがはっきりとわかるのは「検証」をする以外にはありません。 2008年2月から3月にかけて「株式講座...8 相場の原則を条件表に設定する」という講座を連載しました。ここで設定したのが(標準3)条件表No.13「75日線売買①(20日以上)」でした。条件表の日付は(080301)となっているので、2008年3月1日に設定したものでしょう。HPに掲載した当初は、この条件表を使ってトレードしてみようというユーザーもあったようですが、いつしか忘れ去られていったようです。 本当は役立つ条件表なのです。だが自身で「検証」をしていないために、ちょっと連敗すると簡単にこの条件表を捨ててしまうことになります。そこでこの条件表No.13「75日線売買①(20日以上)」を例題にして、「このような検証をすればよい」という一連の検証の手順を述べて、この講座を終わります。
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「損益経過」のボタンをクリックして、詳しい成績を調べます。 |
⑳-(2)正しい検証のしかた---損益経過で全体の成績を見る「損益経過の指示」の画面が現れるので次のような指示をします。
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成績で重要な項目は次のものです。
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⑳-(3)正しい検証のしかた---資金効率を知る「資金効率」ボタンをクリックすると、右図の小画面が現れますが、すでに数字が入っています。
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⑳-(4)正しい検証のしかた---年別成績を調べる全体としての成績は悪くありません。11年間コンスタントに年間17.7%の利益がでているならば、どの国内投資信託よりも成績はよいのです。何も考えずにトレードして11年間で資金の1.95倍の利益を上げ、資金は2.95倍(約3倍)に増えたのです。 しかしこの成績がある特定の1年か2年で稼いだ利益であるならば、11年間のうちの9年とか10年は無駄なトレードをしていたことになります。 「年別成績」をクリックして、成績が安定しているのかどうかをチェックしてみましょう。 1999年~2009年の11年間の年別成績がすぐに表示されます。
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ついでにいっておきますが、2005年にトレードがほぼできなかったというのは、条件表No.13は実は「確固とした売買マークを出すポリシーがある」ということです。 条件表No.13は、①上昇相場にあるときは、株価が75日線まで下げたところで「押し目買い」をする。②下降相場にあるときは、株価が75日線まで戻ったら「戻り売り」をする。というのが方針です。 2005年は一方的な上昇相場でした。右図のように株価が75日線と絡んだのは(a,b,c)の3度だけであり、7月以降は75日線まで調整することがありませんでした。 (d,e)では25日線まで、(e,f,g)では25日線までにすら下げないという一方的な相場だったのです。 だからといって条件表No.13を緩めて2005年に売買マークをだそうとしたならば、2006年には大きなマイナスを出しているでしょう。2005年はこれ以外の条件表(講座で使ったNo.168は2005年にはそこそこの成績を出している)を使うべきで、条件表No.13の設定を崩してはなりません。 |
⑳-(5)正しい検証のしかた---「損益経過の指示」をさまざまに変化させてみるここまでの検証は「5日後決済」で「建て玉は3銘柄に制限」の成績でした。「建て玉は5銘柄に制限」に変更してみましょう。
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ついでのことなので、これまでは「同じ日に複数の銘柄が同じ売買マークをだしたときは、株価が最も高い銘柄を選ぶ」としてきましたが、「株価が最も安い銘柄」としたらどうなるかを検証してみましょう。 やりかたは簡単です。図の「株価が安い」を指示して「開始」ボタンをクリックするだけです。瞬時に次の成績が表示されます。 |
「株価が最も高い」ものと比べると次のようになります。
以上の手順を踏むことによって、「5日後決済」で「3銘柄(5銘柄)に制限」の検証ができました。あとは手順の(6)「売買ルールを指定する」に戻って、「7日後決済」とか「9日後決済」の検証を繰り返すだけです。 |
⑳-(6)正しい検証のしかた---売買ルールの「×日後決済」を決定する建て玉は3銘柄までと制限して、「×日後決済」について検証すると次の表を得ました。 (表37) 条件表No.13「75日線売買①」の「×日後決済」の成績(建て玉は3銘柄に制限したとき)
上の(表37)を見ると、
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(表38) 条件表No.13の「12日後決済(利食い損切りなし)」(3銘柄)の年別成績
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1999年~2009年の11年間でマイナスになった年はありません。ただ2005年はわずかに2回のトレードしかしておらず、この点は不満です。またこの条件表No.13は2007年12月末までのデータをターゲットにして最適化してあります。よって、1999年~2007年の成績はそう悪いはずはないのです。問題は2008年以降の成績です。 さいわい2008年には37回、2009年には33回のトレードをし、それぞれ累計損益は735M・429Mとプラスになっているので、今後も極端にマイナスになる年はないでしょう。 |
⑳-(7)正しい検証のしかた---売買ルールの「+X%利食い・-X%損切り」を決定する「12日後決済」で「建て玉は3銘柄に制限」するとしたとき、最後に決めるのは「利食い%・損切り%」です。「3日後決済」「5日後決済」のように短期のトレードでは、株価がそれほど大きく変化しないので、「利食い・損切り」はしないで「3日後決済」をすると最もよい成績がでると思いますが、建て玉期間が長くなると、思わぬ損失になることがあります。ストップロス水準を用意しておくのがよいでしょう。 何%の利益で利食いし、何%の損失で損切りするのかを決めるやりかたは⑮章「利食い水準と損切り水準」の決めかた」で述べました。
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(表39)利食いしない・損切り×%(12日後決済・3銘柄に制限) のときの成績
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(表40)利食い×%・損切りしない(12日後決済・3銘柄に制限) のときの成績
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これによって「12日後決済」のときは「+10%(または+15%)で利食い・-15%で損切り」するのがよいことが決まりました。最後に「+10%で利食い・-15%で損切り」の年別成績をチェックしてすべてのことが決まります。年別成績は次のようになりました。 (表41) 条件表No.13の「12日後決済(+10%利食い・-15%損切り)」(3銘柄)の年別成績
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「利食いなし損切りなし」の(表38)と比較すると、2006年と2007年の2年間でマイナスになっています。「利食いなし損切りなし」の11年間プラスに比べると、大きなマイナスポイントですが、全体の成績あるいは最近の成績は利食い・損切りをしたほうが勝っています。
「+15%利食い-15%損切り」で検証をしてみると、次のようになりました。 (表42) 条件表No.13の「12日後決済(+15%利食い・-15%損切り)」(3銘柄)の年別成績
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「利食いなし損切りなし」の(表38)と比較すると、2007年にマイナスになっているが、全体の成績あるいは最近の成績は「+15%利食い・-15%損切り」をしたほうが勝っています。
これで「正しい検証の手順」の説明を終わります。「検証」は特に難しい作業ではありません。この作業をすることで、
「検証」の重要性について長々と連載しましたが、これで終わります。この連載は株式講座No.9「検証なしでは売買ルールは決められない」としてまとめました。 |
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