【ネタバレ注意】『ルパン三世 PART5』を観終わっての感想 | 三日坊主でもいいですか?

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次元「ルパン、人生は物語じゃねぇぞ」

ルパン「なら物語にすりゃいいじゃねぇか」

次元「なんだって?」

ルパン「俺って人生の視聴者は俺だけだ。だったら俺が続きを見たくなるような物語じゃないと意味がないだろ? 『凄いピンチだけど、アイツどうやって切り抜けるんだろー?』『強すぎんじゃねぇかこの敵! こっからどうやって勝つのかなー?』ってな? 俺は、俺に期待したいんだよ」

次元「結末がお前さんの望んだもんじゃなかったらどうする?」

ルパン「『チックショー! 気ィ持たせやがって! 逆転は次回までお預けか~』」

次元「その逆転がいつまで待っても来なかったら?」

ルパン「――そん時は、俺って視聴者はいなくなる」

次元「!?」

ルパン「だからよ次元、終わりが来るその日まで俺は“ルパン三世”でいたいんだよ」

 

奴はとんでもないものを盗んでいきました。私の心です。

 

 

毎週の楽しみだった『ルパン三世 PART5』が遂に終わってしまいました。

いや~、寂しい! 一つのアニメを最初から最後までしっかり観たのは『ジョジョ4部』以来なので、この何とも言えない寂寥感も久々です。

 

1シーズンを通して観た感想としては、面白かったのは言うまでもなく、ルパンというキャラクターの魅力と『ルパン三世』という作品の凄さを改めて感じました。長寿作品というものは、ややもするとシナリオが大味になったり過去作との整合性が取れなくなってきたりと、長く続いているが故の弊害(綻び)が目立つものです――が、しかし、『PART5』はこれまでの集大成と言えるような作品となっていて、シリーズを重ねてきたからこそ実現できた部分も大きいように思います。

 

本記事を書くにあたり、5ヶ月前に投稿した「第2話放送時点での雑感」を読み返しました。この時点ではまだ今作が中編と1話完結型のエピソードが織り交ざったシリーズだとは知らなかったので、全く的外れな予想をしていますね。(恥ずかしいったらありゃしない!)ただ、話が進むごとに面白さが右肩下がりになってしまうのではないか、という不安は杞憂に終わって良かったです。

 

冒頭のルパンと次元のやり取りは(最終回直前の)第23話での1シーンですが、これを観た私は「ここへ来てまだこんな名場面があるのか!」と感動しました。本来なら鼻につくナルシシズムなセリフもルパンなら許せてしまう――というよりむしろ「ヒューッ!」と言いたくなります。(歯の浮くようなセリフがここまで似合う男は、私の知る限りではルパンとコブラしかいません。)

 

終盤の名場面と言えば、ルパンと不二子の問答も良かったです。

 

ルパン「不二子、愛してるぜ」

不二子「知ってるわ」

ルパン「世界一のイイ女だ」

不二子「それも知ってる。……私はアナタの何? 恋人? ライバル? 障害物? 踏み台? 港? ……それとも棺桶かしら? 男同士なら友達でいい。でも私、男女の友情って信じてないから」

ルパン「……俺もさぁ、考えたんだよ。お前に言われてから色々と。けどな、実は俺もよくわかってないんだよ、ルパン三世がなんなのか」

不二子「また逃げるの?」

ルパン「わからないなりに考えて、今日はその答えを持ってきた――」

いつもの顔を剥がし、素顔を不二子だけに見せるルパン。

ルパンの“答え”に思わず動揺する不二子――であったが、次第にいつもの冷静さを取り戻し微笑みを浮かべる。そして、不二子は今まで自分を閉じ込めていた檻の鍵をいとも簡単に解き、ルパンの元へと歩み寄る。

ルパンは不二子のヴェールをそっと上げ、二人は口づけを交わすのであった――。

 

ルパン三世のあの顔は実は変装で、本当の顔でないことは知っていましたが、その設定をまさかここで持ってくるとは……。バラエティ豊かなエピソードの揃った本シーズンにおいて様々な顔を見せてくれたルパンも素顔だけは見せてくれないんだなぁ、と少し残念な気持ちになりましたが、こればっかりはしょうがないですよね。ここは、不二子“にだけ”本当の顔を見せることに意味があるシーンですから。

 

にしても、ここまでシリーズの総決算感出しちゃって次回作はどうなっちゃうんでしょう。

今作は魅力的なキャラクターが多く、とくにアミやアルベールなんかは1シーズンこっきりの出番にするのはもったいないキャラだと思うので、来シーズンもあることを願っています(出来ればアラニエちゃんの再登場もお願いします!)

 

最後になりますが、

スタッフ並びにキャストの皆様、本当にお疲れ様でした。