アクセス解析ツール「Ptengine」のマーケティング部門トップで働くJeff Deutsch氏は過去にブラックハットSEOを用いた評価の偽装で月500万円を稼いでいた。しかも、週にわずか4時間しか働いていなかったとの事である。
中国海南省の三亜湾に180度パノラマの絶景を望む豪邸など、2つの住宅を所有し、息子を育てながら、夜には売春婦を家に連れ込み派手な生活をしていたそうだ。
ユーザーのコメントを見ると「映画の世界のようだ」と述べている人もいる。ただ、この人がすごいのは週4時間程度の労働で月収500万円稼いでいた点だろう。他のライフスタイルなどは、お金さえあれば誰でも可能だからだ。
1日1時間以下の作業で月500万円稼ぐなんて信じられないと思う人もいるかもしれない。しかし、アフィリエイトの世界に長く浸っている人は、この業界にそういった人が何人も存在しているのは知っているだろう。
Jeff Deutsch氏の手法とブラックハットSEO
Jeff Deutsch氏はクライアントのウェブサイト(アフィリエイトサイトやビジネスサイト、ブログ)の検索上位表示を実現させるビジネスを行っていた。ALNネットワークと呼ばれるものをネット上に構築し、登録の対価としてお金を貰っていた。
このネットワークに登録されるだけで、評価の高いサイトからリンク(被リンク)を貰える状態になった。これによりGoogleからサイト内のキーワードが検知されやすくなる利点がある。
ブログで言えば、「登録だけで」、大きくバズったのと同じぐらい簡単に検索上位表示を実現できるという事である。バズぐらいの検索上位表示がもたらされるなら、収入アップを目指す人の多くがお金を払うだろう。
こうした検索エンジン(Google)を騙してサイトの掲載順位を引き上げようとする不正全般はブラックハットSEOと呼ばれている。Jeff Deutsch氏はブラックハットの技術を用いて金儲けをしていたのである。
ブラックハットSEOが通用しなくなった理由
検索上位表示させるのに、即効性があるのは外部評価の偽装である。
外部評価の偽装は、ネットワークに登録して外部評価を高めるというJeff Deutsch氏の手法よりも、自分で評価の高いドメインを購入し、そこからリンクを張るというのが主流だ。
現在でも「リンクが張られる」行為自体は有益であり、リンクはGoogleのアルゴリズムにおける根幹になっている。
なぜ偽装しにくくなったのかと言えば、不自然さを見破るGoogle技術が発達したからだと言えるだろう。評価の高いドメインからの不自然なネットワーク(リンク)の構築はGoogleに検知されやすくなった。特に急速に外部評価の高まったページはそれ相応のコンテンツでなければすぐに順位が落ちてしまう。
外部評価の構築も自然であることが求められ、検索上位表示を急げば急ぐほど、上がりづらくなっているのだ。
Jeff Deutsch氏が当時用いていた技術も、現在では上位表示に効果的とは言えなくなっている。
良質なコンテンツとSEOの「内外部」対策
検索エンジンというのは現在発生しているユーザーの問題を解決するために利用される。ユーザーにとって「良質なコンテンツ」を目指せば、自然とGoogleにも評価されやすくはなっている。しかし、キーワードを検索したユーザーごとに問題解決方法が一定ではないように、良質なコンテンツも一定ではない。
良質なコンテンツを語る時、「ユーザーのためになる」といった曖昧な言葉でごまかす人は多いが、SEOにおいて良質なコンテンツを語るなら、Googleから見たより客観性のある良質なコンテンツで無ければならないだろう。
「Googleにとって」良質なコンテンツとは?
Googleにおける良質なコンテンツを検索上位表示の意味で捉えれば外部評価でほとんど決まる。しかし、内部評価が低ければ、すぐに順位は下落するため、長期的に見れば内部評価による部分も大きくなる。
評価の高いドメインからリンクが張られる等、外部評価の評価が急速に高まると、検索結果へと上位表示される。検索上位表示されると良い意味でも悪い意味でも露出が増える事になるが、競争率の高く頻繁にコンテンツが供給されるような テーマだと「ふるい」にかけられる機会が多くなると思った方が良い。
この際の「ふるい」とは大きく分けると下記2つのポイントがある。
▶ 外部評価(リンク、ソーシャルアクション*1)
▶ 内部評価(検索性の高さ、ユーザーの満足)
ユーザーの満足が高まった結果、リンクが張られたり、ソーシャルでのシェア等の外部評価を受ける事もあるが、内部評価とは基本的にはリンクやソーシャルの以外の部分を言う。
人気のキーワード等では次々と新しいコンテンツが追加され上位表示を目指して来るので、こういった分野では常に内外部での評価をチェックされる。競争率の高いキーワードでは外部評価が継続的に増えていかないとすぐに順位が落ちてしまうのだ。
この点で多くのブラックハッターの作業量を増やしていると言えるだろう。
現在有効なSEO対策
もちろん、中古ドメイン等、評価の高いドメインからリンクを張る行為は作業量を増やしているだけで現在でも有効な手段である。
こうしたブラックハットを含めて、現在検索上位表示のためにアフィリエイターやブロガー等が主に用いている手法は下記のように分類出来るかと思う。
▶ 外部評価を偽装するブラックハット
▶ はてなブックマークでのスパムを含むバズ
▶ ユーザーが満足しているとGoogleに伝わるコンテンツの作成
外部評価を偽装するブラックハット
アフィリエイトで100万円以上稼いでいる人達が用いている手法の記事でも述べた通り、月に数百万円稼いでいる人達の多くがこの外部評価を偽装するブラックハットを用いている。個人的な感覚で言えば、稼いでいるアフィリエイターの7、8割はまだこの手法を用いているだろう。
上でも述べたように不自然さを無くすために作業量が増えたのは間違いないが、多くのアフィリエイターは外注化とツールの開発で作業効率を上げてきた。
上位表示により露出が高まることでふるいにかけられるが、継続的に新しいリンクを張り続けたり、コンテンツの質を上げる事で、訪問したユーザーからも良い評価を受けるようなサイトを構築するようになった。「上位表示に値する」「自然に評価が高まっている」コンテンツであると、Googleに認識させる事が大事なのである。
ドメインを大量に取得し、それを管理するツールだったり、元々プログラミングが出来る人も多いので作業の一部の自動化を進めた。コンテンツにお金をかける事で内部評価を高める事も意識するようになった人も多い。
いずれにせよ、 作業効率を高める事が出来た人が生き残り、技術力、資金力が重要となっている。
現在有効なブラックハットを学びたければ、1日ブラックハッターの作業風景を見せてもらった方が早いだろう。PC上、PC外での作業も効率をとことん高めた環境を作り上げているはずだ。
コンテンツにお金を費やす事が出来るし、組織化も可能なので、資金力も重要なポイントである。
はてなブックマークでのスパムを含むバズ
はてなブックマークでバズを起こすと評価の高い、信頼性の高いドメインから大量のリンクを得ることが出来る。先日話題になったが、下記サイトはクレジットカードという競争率の高いキーワードで検索上位に表示されている。
ユーザーのコメントを見ると「ユーザーにとって良質なコンテンツだから」という理由も多いが、上記でも述べた通り、これは客観的には理由にはなり得ない。このサイトが検索上位表示されている理由は大きく分けて2つある。
1つがはてなブックマークで何度かのバズを経験した事により、信頼性の高いはてな関連ドメインを大量に付ける事が出来たという点で、もう1つが検索結果において相対評価が高い事が理由となっている。
前者の説明は不要だと思うので、後者を詳しく説明すると、検索順位というのは当たり前の話、絶対評価ではなく相対評価である。つまり、周りのサイトに比べて優れた点があれば、上位に表示されるわけだ。
この「クレジットカード」というキーワードの場合、アフィリエイトサイトでは競合は多く、上位表示は極めて難しい。しかし、こうしたアフィリエイトサイトでは、クレジットカードのキーワードを含めた記事でバズを経験したサイトが殆ど無い。つまり、クレジットカード関連サイトの多くは中古ドメインで評価を高めたサイトが殆どで、はてな関連ドメインを被リンクに付けたこのブログの評価が相対的に高まったのである。
はてな関連ドメインで評価の高いサイトは人気キーワードの場合、1ページ目に3、4つしか表示されない。従って、ブログでも取り上げられる事の多いキーワードでは上位表示が極めて難しい。ブログで書かれる事が多いアフィリエイト等の関連キーワードを見てもらえばこの辺はわかると思う。
逆言えば、バズらせるコンテンツを書くことが出来る人は、こういったバズの少ない「稼げるキーワード」で記事を書いた方が良いという事だろう。
ただ、最近では、はてなブックマークではアカウントを大量に所有し、スパムと呼ばれるような手法を用いているサイトが多々見られる。スパムでもバズさえ起こせば、ブラックハット等用いなくとも簡単に上位表示できてしまうからだ。
はてなブックマーカーも、こうしたスパムの疑いがあるサイトはブックマークを避けた方が良いだろう。
ユーザーが満足しているとGoogleに伝わるコンテンツの作成
ここでポイントになるのは実際にユーザーは満足してい無くとも良いという事である。Googleにユーザーが満足していると伝われば良いのだ。
もし、リンクが張られたり、ソーシャルでシェアされればユーザーは満足したと表面上も明らかになるが、実際にはこうした表面上わかりやすい満足である事は少ない。
ユーザーが満足したかどうかは再訪されやすいサイトであったり、直帰率を下げるなど、いくつかの基準がある。パーソナライズされた検索結果をGoogle全体に反映させたりもしているが、このユーザーの満足も偽装できる。
この辺詳しくは下記記事も参考に。
外部評価を偽装するブラックハットをするだけの技術力、資金力のない個人は、この手のノウハウを蓄積して来ているはずだ。自分もそうである。
ただ、費用がかからない分、人気キーワードでは即効性も無い。それでも、検索上位表示の「維持」にはユーザーの満足で差がつく事が多いので、Googleに満足が伝わるコンテンツ作りをする事は長期的に有益かと思う。もちろん、維持の結果として、最終的には上位のサイトを抜かす事も可能である。
外部評価の偽装やバズによる検索上位表示は確かに手っ取り早いが、維持を考えれば内部対策の方が断然楽である。内部対策の必要性を軽視して、いかにして外部評価を付けるか、バズらせるかに集中しないように注意しよう。
現在有効なSEO対策まとめ
ブログのノウハウにかんしては有料のコンテンツが多い昨今であるが、本日も無料で記事を公開した。役に立たないコンテンツを有料化するのが今の流行りかと思うので、これからも【無料】というキーワードは敢えて強調したいと思う。
SEO対策で現在でも有効なのは、リンクを張るという単純な作業ではあるが、自然に付加させたり、ユーザーのジャッジでもプラスに働くように、コンテンツにコストをかける必要性が出て来ている。バズを起こす事も外部評価を高める上では非常に有効だろう。
しかし、Googleにユーザーが満足していると伝わるような構造も意識しなければならない。
もちろん、これらノウハウを複合的に組み合わせても良いだろう。
人それぞれ自分に合ったやり方というものを検証しながら身に付けていくべきだ。
スポンサーリンク
*1:GoogleはTwitterやFacebookをはじめとするソーシャルでのアクション数を「直接」評価基準にはしていないと述べている。ただ、MOZ等のマーケティング会社はソーシャルアクション数を「直接」評価していると判断しているし、Googleもソーシャルでのアクションが増える事による「間接的」な評価はプラスに繋がる事を認めている。