稲田氏の地元・福井県の大飯原子力発電所(Photo by gettyimages)

稲田朋美、世耕元経産相もカネを…まだ「関電疑惑」は終わっていない

「桜を見る会」で霞んでしまったが

責任追及を免れた稲田氏

《浜岡原子力発電所(中部電力)については、他の原子力発電所と扱いを異にし、全面停止を求め、再稼働要請も対象外としているが(中略)、他の原子力発電所と同じ安全基準が満たされているにもかかわらず、浜岡原子力発電所だけ特別扱いする根拠を明らかにされたい》

《関西電力株式会社大飯原子力発電所、同高浜原子力発電所、同美浜原子力発電所、日本原子力発電株式会社敦賀原子力発電所、独立行政法人日本原子力開発機構原子炉廃止措置開発センター(ふげん)、同高速増殖原型炉「もんじゅ」(以下「もんじゅ」という。)においてシビアアクシデントが生じた場合、これらの原子力発電所所在地周辺において、それぞれ具体的にはどのような被害や影響が生じると想定しているのか、明らかにされたい》

これらの文書は、2011年3月に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を契機に厳格化された原発の安全審査のありかたや、再稼働の基準について緩和を求めるべく、政府に提出された質問主意書からの抜粋だ。

 

前者は2011年7月4日に提出された「原子力発電所の安全基準に関する質問主意書」、後者は同年7月28日に日提出された「原子力発電所の安全基準に関する再質問主意書」に記載されたものである。提出したのは、自民党の稲田朋美幹事長代行だ。

稲田氏は、2016年2月の参院予算委員会で、こんな発言もしている。

《先週、福井県の高浜原発が再稼働いたしました。福井県は国策である原子力政策を長年にわたり担ってきたわけでありますが、そうした地元にとって、国家のエネルギー政策が長期的な視点から国民的なコンセンサスの中で行われるということが重要だと感じております》

そして、安倍晋三首相に対して、こう迫った。

《総理は、原子力政策全般についての考え方を昨年12月の原子力防災会議において述べられたと承知いたしておりますが、改めて、国民に対し、原発への理解をどのように求めていかれるのか、御説明お願いいたします》

このとき安倍首相は「エネルギー供給の安定性を確保するためには、原子力はどうしても欠かせないエネルギーであります」と迎合する答弁をしたのだった。

福井県の高浜原子力発電所(Photo by gettyimages)

こうした稲田氏の原発に対する姿勢に、非難の声が上がっている。それというのも、この9月に関西電力の「原発マネー」にまつわる汚職問題が持ち上がり、稲田氏にも「原発マネー」が渡っていたことが明らかになりながら、一向に責任追及がなされなかったからだ。