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10月28日、メルカリ社内でイベント「Fireside Chat(暖炉脇の会話)」が開催された。企業の管理部門や経営戦略部門の担当者約30名を対象に、メルカリ創業者で代表取締役CEOの山田進太郎氏が、まさに暖炉脇ほどの近距離で、参加者から事前に集めたさまざまな質問に答えた。今のメルカリを経営する面白さと難しさとは――。イベントで出た質問に対する山田氏の回答を採録する。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)
未知のスケール投入による「成長痛」
――急拡大する今のメルカリの面白さは何ですか。
スタートアップでは少数から徐々にユーザーを増やしていくのが当たり前ですが、今のメルカリはその域を超えています。例えばメルペイは、リリースの段階から全国のセブン‐イレブンで導入され、数日で100万ユーザーを突破する世界。すぐに世の中でニュースになり、お客様の声もたくさん届く。これが非常に面白い部分だと感じています。
――逆に、難しさを感じることはありますか。
多々ありますが、あえて挙げるならば、組織が大きくなっていくにつれ、考えもしなかった問題が起こること。
これまでは、社内全体に目が届いていたので、違う動きをする社員がいても軌道修正できていました。でも今は、毎日あらゆる人が入社し、メルカリ社内は急速に“村から町へ”変わっています。すると途端に、社員の細かい動きが見えなくなり、いつの間にか違う方向に進んでいってしまう。結果的に思わぬロスが生まれたり、同じことを別のチームが重複して進めてしまったりしてしまいます。