TikTok「まつ毛メイク風ウイグル弾圧批判動画」削除の経緯を説明。モデレータによる人為的ミスを主張
親会社は中国企業ByteDance
メイクアップのチュートリアルを装い、中国政府が新疆ウイグル自治区のイスラム教徒を強制収容していることを訴える動画の件で、TikTokは動画を投稿した17歳の米国人女性のアカウントを一時的に利用停止にしました。
投稿した女性はThe Guardianに対し、TikTokがこの女性のアカウントを検閲するのは初めてのことではないと述べている一方、TikTokはアカウント停止は人為的エラーによるものだったとして、その経緯を説明しています。
TikTokはアカウント停止の理由を時系列に沿って説明しました。その内容によると、まず2週間前にあるユーザーがTikTokの「厳格な」対テロリストポリシーに違反している"オサマ・ビン・ラディンの写真を含む動画"投稿に関連しているとして、女性の以前のアカウントが停止されました。
女性は新たなアカウントを作り、今回の動画を投稿。TikTokはそれとは関係なく"予定されていたプラットフォーム全体"を対象とする作業で"テロ関連"、"子どもの誘拐"、"スパム/スパム様コンテンツ"に関連するポリシー違反のアカウントに関連付けられる2406台のデバイスにアクセス停止措置を行いました。
ところが、女性のデバイスがすでに停止されていた以前のアカウントとも結びついていたために、デバイス自体がTikTokにアクセスできなくなり、新しいアカウントは生きているにもかかわらず新規投稿ができない状態になったと、TikTokは説明しました。
ただこの時点では例の動画は視聴可能な状態が続いており、その2日後になってこんどは人間のモデレーターによる誤りによって動画が削除されたとのこと。これは50分後にTikTokが問題に気づき、再び動画を視聴可能にしたとされます。TikTokは"誤って動画を削除"したことに関して女性に謝罪しました。
これに対し、動画を投稿した女性は「すでに削除された古いアカウントの、無関係な投稿動画が原因でいまのアカウントの動画が削除されただなんて信じられますか? ウイグルについて話した3つの動画を投稿した直後に? ありえない」とTwitterで述べています。
米国では現在、TikTokの親会社ByteDanceと中国政府の関係性について安全保障上の調査が行われている最中。ロイターはByteDanceはTikTokを他の中国国内事業とは分離する作業を行っており、データ管理チームをカリフォルニアに設置したと報じました。
BBCによれば、中国国内で試用されるアプリケーションはすべて中国政府の工業情報化部に承認を得る必要があり、SNSは政府のガイドラインに準拠しなければ運営できません。TikTokは中国国内ではDouyinの名で配布され、やはり政府の意向で高度なフィルタリングがかけられています。しかし、政府は国外におけるサービス展開にまではフィルタリングを必要としていないとされます。
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