信託型ストックオプションの導入実績は150社を超え、実際に導入しようか悩んでいる経営者の方も多くなってきていると思います。
しかし、インターネット上の情報はいまだに少なく、結局どの会社に頼んで良いか判断することは難しくなっています。
そこで今回は、信託型ストックオプションの発行を行なっている会社を分類し、実績・運用・価格の側面から比較してみました。
信託型ストックオプション発行会社は3つのタイプに分類できる
導入している企業が増えてくるに連れ、信託型ストックオプションの発行サービスを行う会社も増えてきました。
それら発行会社を、業務形態やサービス開始時期で大まかに分類すると、下記の3つのタイプに分けることができます。
タイプ① 専門業者/コンサルティング会社
タイプ② 弁護士事務所・会計事務所
タイプ③ 大手信託銀行
それぞれどんな会社なのか解説していきます。
①専門業者/コンサルティング会社
1つ目は、専門業者/コンサルティング会社です。
SOICO株式会社、株式会社プルータス・コンサルティングなどが該当します。
信託型ストックオプションという商品について、細かい設計、価値評価、実務、運用まですべて一気通貫でやっている専門業者です。株価の評価算定をしていた会社が、サービスとして信託型ストックオプションの発行を開始しました。
信託SO発行を本業として行なっているので、営業を積極的に行なっており、メディア露出・PRも多くなっています。資本政策に関する最新情報も常にキャッチアップし、サポート体制は万全です。
②弁護士事務所・会計事務所
2つ目が、弁護士事務所・会計事務所です。
法律事務所ZeLo、弁護士法人GVA法律事務所、株式会社Stand by Cなどが該当します。
本業は士業をだった会社が、①の専門業者の台頭をきっかけに、信託型SOの設計に乗り出してサービスを開始しました。
もともと専業ではないため、積極的な営業を行なっている会社は少なく、顧問先の要望ベースで動くことが多いです。
そのため、信託型ストックオプションの発行から運用までの全ての業務を一気通貫で担うことができない会社もありますが、スポットで契約書作成のみの依頼を手軽にできるケースもあります。
③大手信託銀行
そして3つ目が、大手信託銀行です。
三井住友信託銀行などが該当します。
信託銀行の提供する1つのサービスとして信託型ストックオプションの発行が開始されたとのことです。
ただし、実際にサービスに開始しているのかもまだよくわかっていない状況です。業界内で、サービス開始を検討している・始めたという噂が流れています。
それぞれを比較してみると、①は実績・ノウハウ、②はコストの柔軟性、③は大手としての安心感、が強みと言えます。
詳しくは、後述の 8. 結局どこに頼めば良いの?比較表にまとめてみた! で述べていますので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
それでは、①〜③のそれぞれのタイプについて、メリット・デメリットを見ていきましょう!
専門業者/コンサルティング会社のメリット
専門業者/コンサルティング会社タイプのメリットは実績・専門性・運用と大きく3つあります。
①実績が多い
まず、導入・コンサル実績について、サービスを開始した時期が早いこともあり、導入・運用のノウハウがたまっている、また、その経験の中でサービスの改良を重ねているので、安心して任せることができます。
②運用までのサポート
運用について、ポイント付与プログラムという社内規定(※)の作成・運用までをサポートしてくれます。
後述もしますが、この規定は、採用や人事評価などを考慮して作成する必要があるため、実際に経験した会社でないと作成すること自体が難しく、現状、雛形提供のみであったり、サポート自体していないといった会社もあるそうです。
③弁護士・会計士が付いている
また、専門性について、このタイプの会社には内部に会計士・弁護士がしっかりついているので、タイプ②、③に劣っているということはありません。
専門業者/コンサルティング会社のデメリット
料金が高くなる場合も
発行会社によっては、タイプ②の事務所系の会社よりも料金が高くなってしまう場合がありますが、料金以外のデメリットは特にありません。
弁護士事務所・会計事務所のメリット
①スポットの依頼が手軽にできる
先ほども述べた通り、契約書作成のみを依頼する場合は、料金も安く、手軽に行うことができます。
しかし、運用部分は企業が自らやらなければいけないので、注意しましょう。
②弁護士・会計士に直接相談できる
メリットとしてはもう一点、弁護士・会計士に直接相談できるということが挙げられます。
タイプ①や③の場合は、その会社を通して弁護士・会計士とやり取りする場合が多いため、コミュニケーションコストが発生する場合もありますが、タイプ②の会社は直接やり取りできるので心配は無用です。
弁護士事務所・会計事務所のデメリット
①運用のノウハウがない
このタイプの会社は、信託型SOの発行はできても、運用のノウハウがなくインセンティブ設計ができないことです。
法律や会計のプロフェッショナルサービスから派生しているので、ポイント付与プログラムの作成に必要な、ベンチャー企業の採用や人事評価への深い理解が十分でない可能性があります。
②実績が少ない
また、後発のため実績が少ないので、信頼性の判断が難しいというところもデメリットになってきます。
大手信託銀行のメリット
信託銀行に発行を頼むメリットとしては、以下の3つが考えられます。
①上場時の見え方がクリーン
民間信託ではなく、商事信託に預けるので、受託者の名前が個人名ではなく信託銀行になり、上場時の見え方がクリーンになります。
②大手の信頼感
信託銀行なので、信託に関しての理解が深く大手としての安心感があります。
③資産をSOにする流れがスムース
信託に預ける資産をストックオプションにするだけで設計できるので、信託SOの発行の流れがスムーズになります。
大手信託銀行のデメリット
①コストがかさむ
コストについて、信託を1本立てる毎に1000万円、商事信託のためランニングコストも300〜600万(←茅原さんに確認)と、他に比べて高くなっています。
②運用のノウハウがない
タイプ②と同様、信託銀行派生なので、ベンチャー企業の事業側への理解が十分でなく、インセンティブ設計の際の肌感覚があまり良くない可能性があります。
③実績が少ない
実績についても、サービスを開始して間もないため、あまり目にすることはありません。
結局どこに頼めば良いの?比較表にまとめてみた!
ここまで、信託型SOの発行会社を3タイプに分類して、メリット・デメリットを述べてきましたが、結局のところどこに頼めば良いの?という人も多いかと思います。
総合的に見ると、①の専門業者/コンサルティング会社が②③に比べて比較的スタートアップに優しいなサービスを展開していると言うことができます。
ただし、どの評価軸を重視するかによって、それぞれの評価点も変わってきます。自分の会社はどこに焦点を当てて選ぶのか、熟考してから依頼する会社を選ぶのが良いでしょう。
最後に
信託型ストックオプションは比較的新しいスキーム故に、今回のような発行会社の細かい比較はなされていませんでした。
信託型ストックオプションの発行を考えていましたら、ぜひこの記事を参考にしていただけたら幸いです!