Webエンジニア業界に感じた違和感

私は18年間ほど企業向け製品開発の世界(SIer含む)にいました。
メインで使っていた言語はC++とC#です。

2014年にウェブスタートアップを数カ月手伝う経験があり、
フロントエンドの技術やWebフレームワークに興味を持ち、ウェブ系のカンファレンスに行くようになりました。

ウェブの技術は大変面白かったのですが、そこである大きな違和感を感じもしました。

カンファレンスで発表する人の中にはその道の有名人みたいな人がいて、ブログやTwitter、Githubなどで沢山フォロワーがついています。

常に数字や営業的な雰囲気に包まれている企業向け製品開発にはない、純粋に技術を楽しむ雰囲気がとても楽しかったです。

ですが、よくよく観察しているとWeb業界には「何が凄いのかよくわからないけど有名な人」もいました。

はっきり言ってしまえば、「ただツールやライブラリの使い方を紹介するだけで有名人になっている人達がいる」ように見えてきたのです。

Webカンファレンスのほとんどの発表内容は、ツールやライブラリの構造上の理解や仕組み、またはそれによる営利的なメリットではなく、「このツールを使えばこんなことができる」という使い方の説明であり、多少の業務経験がある人が英語リファレンスを読み解けば、比較的容易に発表できてしまう内容が多かったです。

さらに業界を観察していると「新しい技術を紹介したもの勝ち」的な雰囲気が蔓延しており
目的を見失ってそのスピードの速さ、紹介するレトリックの巧みさが競われているような文化さえ感じたのです。

そして周囲から有名になると、まるで芸能人のように祭り上げられます。(それが業界の面白さや楽しさでもあるのは理解してます)

世の中に何かをアウトプットできる
インフルエンサーとしての能力を持っている

これは素晴らしいことですし、その能力を持っていない人より持っている人は優れていると思います。
しかしそれがイコールその人の技術者としての技術力ではないはずです。

ツールやライブラリをスクラッチで自作した本人じゃなければ評価されちゃいけないと言ってるわけではないです。

ですが、Web業界では「ライブラリを作った人」より「上手く紹介した人」の方が有名になっている、といった違和感を感じました。

技術とその価値は「具体的な成果物を出して世の中にどれだけの影響を与えたか?」ではないでしょうか?

その成果物は技術の紹介ブログ記事やTwitterやカンファレンスの発表やQiitaのGood数やGitHubのスターの数ではなく、「直接、あるいは間接にでも売上に貢献した目に見えるプロダクト」であるべきです。

極端かもしれませんが、これが基準にならなければ評価の基準も曖昧になります。

最後に、私はWeb業界の雰囲気が嫌いではありません。
Qiitaを見ていると新しいことを学ぶモチベーションが高まります。

ですが、Qiitaやブログの記事を一つ読むにしても、その人は「本当に価値のあるアウトプット」をしている人なのかを考えながら接する必要があると思っています。

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