さて、この一連の流れで色んな意見が出てますけど、私の所感としては、この言いだしっぺの人が「男性差別」してるように見えるんですよね。私の中での男女平等とは、「女性だから○○すべき(しないべき)」「男性だから○○するべき(しないべき)」って言われない権利を、双方が持つってことなんですよね。
だから、男性側に「男だから重いものを持つべき」って押し付けた時点で、私の中では「男性差別」認定になっちゃうんですよね。
言葉の端々に出てしまう思い込み
この人の
「女子も重い荷物運ぼうよ」とか言うならともかく、
の「女子も~」という言葉に、そもそも女性は重いものを持たなくても良いという前提が伺えてしまうんですよね。「女性は重いものを持たなくてもよい」というこの人のなかでの「女性の既得権」の主張に見えてしまうんですよね。
私は飲食業に従事していた期間が長く、男女関係なく重いものは運んでいましたし、一度に運べなければ分割して運んでいたんですよね。だから
女子メインで手分けして運んだからな
って怒る理由がさっぱり分からないんですよね。男女関係なく、それがその女子たちに課せられた職務なのであれば手分けして運ぶのは当然のことでは?って思えちゃうのよね。それとも、「男だから」という理由だけで、無償で居残りして、荷物を運べと?その男性は君らの奴隷か?っちゅう話なわけですよ。
まず180cmのあなたと165cmの私だったら、一般的にあなたの方が力があると思いませんか?
で、ここなんですけど、これも「決め付け」なんですよね。「男だから~」の次は、「180cmだから~」という体格差別(容姿差別)で、相手に作業を押し付けようと論理を組み立ててるんですよね。男性なら力が強い、180cmなら力が強い、だからあいつがやるべきだ!って決め付けてるんですよね。
「今日男子がもっと出勤してたらよかったね〜」と言ったのに対して、男の先輩が「この男女平等の時代に男とか女とかないだろ」
って、返すのは当然のことで、「男なら力があるはずだ。力があるはずの男が荷物を運ぶという重労働を担うべきだ。」という「男性差別」に対する反論として、至極当然の言葉だと思います。同じ給料で同じ立場なら、荷物を運ぶっていう職務に対する「責任」は男女関係なく平等に負うべきだと思うんですよね。特別な事情がない限りはね。
「身体的性差はありますよ」
ってのは分からんでもないが、職務遂行という観点からいうと、それは男女関係ない話で、じゃあこの人が180cmの身長の女性に対しても、
「~180cmのあなたと165cmの私だったら、一般的にあなたの方が力があると思いませんか?」
と食ってかかっていたのか?という疑問は持ってしまいますね。男性だからとナメてかかったからこそ、つまりは男性に対して「差別意識」を持っているからこそ、出てしまった発言ではないのかと、うがった見方もできてしまうんですよね。
業務の分担は管理者が判断するもの
力のある人が運んだほうが仕事が速く終わって合理的っていう判断は、会社や管理者がすべきことであって、管理者が「効率的でなくても労働負担の公平性を考慮し、男子一人に運ばせて時間短縮することよりも、非効率的であっても複数の女子に運ばせることを選ぶ。」と判断してるのかもしれないわけで…
その後に作業が遅くて怒られたという話なら、上長に事情を話して効率的に運べる方法を考えるってののほうが合理的なんですよね。効率的に運べる方法を考え実施してくれないなら、帰った男性ではなく会社の経営方針に問題があるわけで、会社の方針とこの人の考え方が合ってないないのなら、職場が合ってないって結論なっちゃうんですよね。
この一連の流れは
「身体的性差なんて無いでしょ」
という一言に激昂したつぶやき主が、その言葉を否定するために、無理くり作り上げた理屈なんだけど、感情的になったがゆえに、自分自身の男性差別意識をネットで披露してしまう結果になってしまっていますね。実際には形も性能も違うわけですから、身体的性差はあるに決まってるんですけど、売り言葉に買い言葉だったんでしょうね。
お人よしが損をする世界でいいの?
重いものを誰が持つかなんて、私が持ちますって言った人持てばいい話なんですけど、でも本人の善意にまかせると、その人が持つのが当たり前になったりするんですよね。で、最終的にはあいつが持つはずなのに何で持たないんだよって怒り始める人が出てくるのがお決まりのパターン。もともと、その「善意の人」が持つってルールはどこにもなかったのに、勝手に周囲が決め付けていくんですよね。面倒なことを他人に押し付けたい人の多い職場では、そういうことが起こるんですよね。だから、男性側が早い段階で拒絶するのは当然のことだと思うのよね。
重いものを運ぶことに対する体験談
私は長らく飲食業に従事していたので、実例を挙げますと、ある職場では男性4名、女性15名程度が働いていて、おそらく27キロくらいあったであろう寸胴(鍋)に入ったスープを移動させなければならなかったんですね。
その寸胴を鍋ごと持ち上げて一度に移動させることのできる人物は
男性 4人のうち3人
女性 15人のうち1人
だったんですよね。
で、この環境で、女性スタッフ達から「重い寸胴は男性が持つべきだ!」「男性のほうが一度で運べるから男性が運ぶっているルールにしてほしい」っていう声は出ませんでしたね。だって、自分が持てないほど重いものを男性に持たせるなんて、申し訳なくてできないじゃないですか。
だから、女性陣はみんな、2リットルの軽量カップでスープを汲んで十数回往復して運んでいました。そりゃ、男性が一回で運ぶよりは時間がかかりますよ。ですけど、誰かが移動させなければいけないスープですから、早く歩くことで早くスープを移動させるって工夫をするしかなかったんですよね。
ただ、一人病欠したりすると、もう、にっちもさっちもいかなくて、「ごめん、○○君急ぐからスープ運んで!」ってお願いすることはありました。ですけど、それは男性で力があるからという理由で、彼の作業を中断させてお願いするわけですから、謙虚にお願いすることで、「あなた男なんだから運びなさいよ!」っていう態度で指示すれば、そりゃ、男性側だって、この記事の男性のように反発するでしょ?ってお話なのよね。
それに、当事者同士が納得できるなら、女性陣の要望や会社の判断で男性がスープを運ぶってルールにしてもいいのが平等ってことじゃないかと思うのよね。ただ、ルールできっちり決めるとするなら、男性が出勤してない時に誰が運ぶかとかの話にはなりそうだけどね。
「統計的差別」って面白い表現だね
私はこの記事に
[重い荷物を持つ作業は][長期的にヘルニア等の][身体的な故障を意味][するのに加算給もなく][負担しろと?][椎間板や骨が削れて][から労災をもらっても][遅いんですけど?][飲食業からは以上です]飲食業では20~25kgから運べる運べないの差が出てくる。腕力がない人なら男女関係なく10kgすら運べない。男女関係なく「腕力のある人が持つべき」とするなら、負担が集中した人が足と腰を壊滅的に壊す場合があり不公平
というコメントを付けましが、このコメントに「統計的差別」という言葉を添えてくださった方がいました。
まさに、その言葉がぴったりで「男性だから力(筋力)がある」ってのは統計的には正しいでしょうが、4人のうちの1人は運べないという事実がある以上は、そのことに配慮すべきですし、「女性だから男性ほど重いものを持てない」ってのも統計的には正しいんでしょうけど、15人のうちの1人は運べたという事実も考慮に入れるべきなんですよね。
たとえば女性が建築作業員という職業を希望したときに「女だから筋力がないだろう」ということで、書類審査で落とされることがあってほしくないっていう意味で、私はそう感じます。
そもそも男性なら重いものを持てるのか?
もしかしたら、相手が男性であっても、180cmであっても、腕力は女子より低いかもしれませんし、何かしらの疾患で筋力が弱いタイプかもしれません。勤務時間が終了しているなら帰るのは当然なわけですから、このつぶやき主が自分の思い込みを正当化するために相手の男性を攻撃していると見えるのは仕方のないことですよね。
もうひとつの体験として、ある職場に40代の男性が入ってきて、何をやってもらっても上手くできなくて、食材ゴミって水分を含んでいて非常に重たいのですが、彼はその食材ゴミをゴミ置き場まで運ぶことができず、女性陣に「男のくせに~」と陰口を言われていたんですよね。ついでにその女性陣の噂話だと彼はもともと引きこもりで長らく働いていなかったから筋力もないのではないか?とのこと。
残念ながら、全ての女性陣はその重い食材ゴミをゴミ置き場まで運ぶことができ、その男性だけが運ぶことができませんでした。その部署で男性スタッフは彼一人でなおかつゴミ運び当番は順番で回しており、彼が運べない以上は女性スタッフの誰かが代わりに運ばなければいけなくなります。しかも重い上に遠かったので、ほかの女性スタッフ達が腹立たしく思うのも致し方ないと言われれば、そうだったかもしれません。ですが、私はその頃には、もうすでにうつ病で寝込んで筋力を失うという体験をしていましたから、「社会復帰の第一弾なら、仕方ないよな…」という気持ちもありました。男女関係なく、人にはそれぞれの事情があったりするんですよね…
インターネットには、男性だからああしろこうしろといった「男性差別」的な書き込みをしている人たちが少なくなくて残念な気持ちになります。女性だからああしろこうしろと言われない権利と同様に、男性にもその権利があるということを忘れてはなりません。男性に既得権を放棄しろというなら、女性も既得権を放棄すべきだと考えるのが妥当ではないでしょうか?
思い込みを捨てて助け合いたいね
余談なんですけど、私、体格がいいので腕力があると思われやすいんですけど、上半身の筋力が非常に低くて、重いものを持ち上げるのがすごく苦手なんですよね。私よりはるかに細くて華奢で、ついでに私より身長の低い人が持ち上げられる物を私が持ち上げられなかったりしてね…上記の寸胴も私は持ち上げることすらできなくて、運べたのはものすごく華奢な10代の女の子でしたね。
そんな時に、「斜めにしてから持ち上げるといいよ」と的確なアドバイスをくれる人もいるんですけど、「うそだろ?」とか「かわいこぶってんじゃないよ」「甘えてんじゃないよ」みたいな態度や発言の人もいて、私は前者のような振る舞いをしようと思いながら生きてます。
長々と書いてしまいました、元記事は単純に売り言葉に買い言葉の、子供のけんかに近いものだと認識してます。ですけど、こういったちょっとしたつぶやきにこそ、無意識な男性差別意識が出てしまいます。
このつぶやき主が、はなから喧嘩腰で男性に話しかけるのではなく、「ごめんね、この荷物だけ運んでもらえないかな?女の力じゃ運ぶのが大変で。申し訳ない!」とお願いしていたとしたら、そして運んでもらったあとに丁寧にお礼を言っていたとしたら…状況は変わっていたかもしれません。でも、男女関係なく職場で「ボランティア」を要求する行為は労働法との兼ね合いで私はイヤです。私自身はフェミニストでも何でもありませんが、男女関係なくコミュニケーションのとり方や、謙虚な言動で回避できるトラブルはありそうですね。