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☆如月透☆ 誕生日企画

June 21 [Sat], 2014, 23:55



カタカタカタ・・・カチッ・・・


  「・・・・ふぅ」

館長 「透君、お疲れ様。もう11時だけどまだ帰らないの?」

  「館長! まだいらしたんですか? すいませんもう終わります。
    明日お休み頂いてるので今日中にこれだけ終わらせておきたくて」

館長 「ふふっ、明日は彼女と誕生日デートだもんね?」

  「え!? 僕言いましたっけ!?」

館長 「あ、やっぱりそうなんだ」

  「・・・・・・・・・・館長」

ほくと君 「カマかけるまでもないな。分かりやすいんだよ透は」

  「・・・さようでございますか」

ほくと君 「で、どこに行くんだ? どうせ透のことだからまた星でも見に行くんだろ?」

  「うーん・・・どうだろうね」

館長 「あれ? まだ決めてないの?」

  「あ、いえ。“今回の誕生日は私が一日プランニングするから楽しみにしてて!”って彼女が。
    当日まで内緒だそうです」

館長 「おや。可愛らしいね(笑) 透君ずいぶん愛されてるじゃない」

  「あぃ・・・!? えっと、なんていうか/// あ…ありがとうございます(照)」

館長 「さ、ほくと君。邪魔しちゃ悪いからあっちでコーヒーでも飲もうか」

ほくと君 「おう」


****************


カタカタ……カチカチッ、カチッ

  「保存・・・っと。・・・・・終わったー!」

ほくと君 「終わったか」

  「ほくと君! うん、今終わったよ」

ほくと君 「それはよかったな。萩が呼んでるぞ。もう1個頼みたいことがあるんだと」

  「え! 今から!? もうすぐ12時なんだけどーー」

ほくと君 「ほら、早く来い。応接室だ」

  「・・・・・了解」


****************


ガチャッ


   「館長、お呼びですー・・・」

パン! パパパンッ!!!

  「!!??」

館長 「透くん」
順平 「如月先輩」
ほくと君 「とおる」


 誕生日おめでとーう!!! 


館長 「まだ15分くらい早いけどね」

順平 「おめでとうございます! 如月先輩!」

  「順平くん? どうして・・・・館長、これは…」

館長 「北とぴあからこっちに移ってきて1か月ちょっと経つじゃない? 
    立ち上げ大変なのにすごく頑張ってくれてる透くんに、ささやかなサプライズをと思って」

  「館長・・・!」

館長 「一番にバースデーソングを歌う権利は彼女さんにとっておくとして。
    さ、透君。ケーキの火を消して消して」

順平 「ふー!って、一発で決めて下さいね! 如月先輩」

ほくと君 「ほら、早くしないと俺がふーってしちまうぞ」

  「館長、順平くん、ほくと君・・・ありがー・・・」

彰吾 「俺もいる・・・ぞっと!」

  「重っ! って彰吾!? 今アメリカじゃ・・・!」

彰吾 「いやーギリギリ間に合ったな。さっき着いたとこなんだ。
    祝いの言葉、俺は12時丁度に言うからちょい待ちで」

館長 「のけ者にしたら拗ねそうだから、ちょっと前に楪君にも連絡しといたんだ。
    本当に来るとは思わなかったけど」

順平 「俺も相当びっくりしました」

彰吾 「ふっふっふっ」

  「彰吾・・・」

ほくと君 「おい透、早く消さないとロウソク短くなって無くなるぞ」

  「・・・うん! ・・・・・ふーーーっっ!!」


 パチパチパチパチパチ !!


  「みんな、ありがとう! 館長、有難うございます!」

館長 「ふふっ 喜んでもらえてよかったよ。さ、ケーキ食べよっか」

順平 「あ、俺切りますね」

ほくと君 「俺のは一番大きくな。・・・・・おい小さいぞ。ここまでにしろ」

順平 「わっ! ほくと君邪魔すんなよ危ないだろ!?」

ほくと君 「小さい」

順平 「いいんだよ! こんな大きいホールケーキ5等分してもみんな食いきれないだろ?
    少し小さめに切ってそれぞれ食べたい分だけ取れば、残った分は明日のおやつにできるし
    無駄にならないじゃん」

ほくと君 「みみっちいな。いっそホールごと俺によこせば食い残さず綺麗に解決するぞ」

順平 「しねーよ! てかその身体のどこに入るんだよこの大きさのケーキが!」

館長 「ふふっ。 はい、透君、楪君、飲み物どうぞ」

  「ありがとうございます。頂きます」

彰吾 「すいません、頂きます。あ、なあ透、今日この後彼女とデート?」

  「え? いや、彼女と会うのは明日だけど・・・」

彰吾 「お。マジか。じゃあ今日泊めてくれ。明日の朝の便であっちに帰るから」

  「は!? お前、このためだけに帰国したのか!?」

彰吾 「そーだけど? あ、順平君。俺ケーキ3カット分で。夕飯食えてないんだよ腹へったー」

順平 「いいですけど・・・・・ちゃんとした飯食った方がいいですよ? はい」

彰吾 「サンキュー」

館長 「ほらほら、透君。乾杯するよ? はい、かんぱーい!」



*****************


順平 「如月先輩、これ俺からのプレゼントです。ささやかなものですけど・・・」

  「プレゼントまで!? 気を使わせちゃってごめんね」

順平 「何言ってるんですか。普段お世話になってるほんの気持ちです!」

  「順平君・・・ありがとう。開けてもいいかな?」

順平 「どうぞ!」

カサカサ・・・

  「わぁ! 綺麗だね! スノードーム?でいいのかな?」

順平 「はい! と言っても降ってくるのは雪じゃなくて星ですけどね。
    店で見つけた時に“これすげー如月先輩っぽい!”って思って・・・。
    ・・・・ちょっとメルヘン過ぎましたか?」

  「ううん、とっても嬉しいよ! ありがとう! デスクに飾らせてもらうね」

順平 「はい!」

館長 「僕からはこれ、どうぞ。開けてみて?」

  「ありがとうございます! えっと・・・・」

ガサガサ・・・

  「これ・・・銀細工ですか? すごく綺麗なデザインですね・・・!」

館長 「そうそう。写真立てをプレゼントしたかったんだけど、あまりピンとくるのがなかったから
    透君の好きな星をモチーフにデザインして作ってもらっちゃった。
    気に入ってくれるといいんだけど」

順平 「オーダーメイド!? え、あの箱のブランドってすげー高いやつじゃ・・・」

  「館長・・・わざわざこんな・・・。ありがとうございます、大事にしますね」

館長 「さっそくデスクで使ってくれて構わないよ。彼女さんも机の引き出しで窮屈だろうからね」

  「・・・・・え!?」

ほくと君 「ああなるほど。あの写真を入れるのにぴったりの大きさだな」

  「ほくと君、写真の事館長にしゃべったの!?」(※注)

順平 「・・・如月先輩、言いづらいんですけど、
    彼女さんの写真しょっちゅう引き出しから取り出して見てるのは多分みんな気付いてます」

  「・・・・・・・・・・。」

館長 「というわけで、もう今更隠さなくていいから堂々とその写真立てに入れて飾っちゃいなさい」

  「・・・・・・・はい」

彰吾 「んで、これは俺からな。ラッピングとかできてなくて悪いけど」

  「・・・・傘?」

彰吾 「おう」

順平 「・・・・ただの黒い傘、ですよね」

彰吾 「まぁ開いてみろって」

  「分かった。・・・・・よいしょっと、・・・・あ!!」

館長 「へぇ、裏地が星空模様なんだ」

順平 「すげー! ちゃんと星座になってる!」

  「・・・・懐かしい! これどうしたんだ!?」

順平 「懐かしい?」

  「あ、高校の時にね、彰吾がこういう傘持ってたんだ。
    いつだったっけ、雨の日にすごいどや顔で傘をひらいてさ、“どうよ!”って(笑)
    雨の日は星が見えなくて寂しかったんだけど、この傘なら雨の日でも星が見えるなって
    嬉しくなったのを思い出すよ」

彰吾 「テンション上がってたよなー、透」

  「僕も同じのが欲しくて探したんだけど、彰吾が買ったお店でも売り切れで、
    結局見つからなかったんだ」

順平 「へぇー」

  「なぁ彰吾、これどこで?」

彰吾 「高校の時のと同じやつじゃないけどな。アメリカでたまたま似たようなの売ってたから買ってみた。
    子供用みたいだからちょっと小さいけど、お前一人ならまぁ大丈夫だろ」

  「そっか・・・。本当に懐かしい。ありがとな、彰吾」

彰吾 「どーいたしまして」

館長 「ふふっ 透君のためにあるような傘だね。じきに梅雨だけど、これで雨でもご機嫌かな?」

  「はい!」

ほくと君 「俺からは祝いのケーキだ。とっとけ」

順平 「それみんなで食ってるケーキじゃんか!しかもほくと君の食いかけかよ!」

  「はははは! ありがとう。ほくと君」

彰吾 「・・・・・・・3、2、1。誕生日おめでとう、透」

  「え?」

順平 「あ! ほんとだ12時になってる! 改めて、お誕生日おめでとうございます!如月先輩!」

館長 「おめでとう」

ほくと君 「おめでとうだ」

  「・・・・・みんな本当にありがとう! これからも、よろしくね!」




※注:ビーズログ様書下ろしSS(設定資料集P35)参照


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