米、香港人権法案が成立 トランプ氏が署名

トランプ政権
中国・台湾
北米
2019/11/28 8:10 (2019/11/28 8:30更新)

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は27日、香港での人権尊重や民主主義の確立を支援する「香港人権・民主主義法」に署名し、同法は成立した。ホワイトハウスが発表した。香港に高度な自治を認める「一国二制度」が機能しているかどうか米政府に毎年の検証を義務付けるのが柱。中国が反発するのは確実だ。

トランプ氏は声明で「中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と香港市民への敬意をもって法律に署名した」と説明。「中国と香港の指導者と代議員が友好的に隔たりを埋め、長きにわたって全ての人の平和と繁栄につながるよう希望している」と表明した。

香港人権法は香港で人権弾圧などがあれば、中国政府関係者らに制裁を科せるようにする。米国が香港に提供してきた関税・ビザ発給における優遇措置の見直しにつながる可能性もある。デモ隊への強硬姿勢を強めている中国政府と香港政府をけん制する狙いがある。

トランプ氏が署名すれば、中国側が態度を硬化させて難航している米中貿易交渉が漂流するリスクもあり、同氏の対応が焦点となっていた。米中は中国による農産品購入の拡大などを盛り込んだ「第1段階の合意」の早期決着に向けて交渉を続けている。

同法は19、20の両日に上下両院で圧倒的な賛成多数で可決され、米議会の超党派議員がトランプ氏に署名するよう要求していた。

電子版トップ