Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19量子テレポーテーションについて、カナダ在住の哲学に興味がある一般の方から質問を受けたことがある。転送される人体は装置によってバラバラの素粒子に分解され、到着地にあった別な素粒子を使って再構成されるわけだが、そのときに現れる人間は本当に出発した人間と同じ人物なのかという問いだった。767.1K17.6K
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19量子情報物理学の立場から答えると、それは本当に同一人物である。人体を含め、量子テレポーテーションされる様々な物体の本性は、多数の素粒子に記憶された量子情報そのものである。素粒子1つ1つには個性は全くないし、誰かの体を作っていたという記憶も残らない。量子テレポーテーションは、本当はテレポーテーションではないのか。 - Quantum Universe量子テレポーテーション。 最近よく聞くバズワードかと思う。 物理学の世界においてこのテレポーテーションは実験もなされ、応用が試みられる段階だ。 しかし一般の方々の中には、本当に人類が瞬間移動の術を手に入れたと勘違いされている人もいらっしゃるようだ。 それに対して物理の専門家は、量子テレポーテーションでSF的な瞬間移動装…mhotta.hatenablog.com41.2K2.7K
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19この量子テレポーテーションの議論から心身一元論か心身二元論かという問題に答えることは、もちろんできない。例え二元論であろうと、心は宇宙の外にあって非局所的だと主張されれば、遠方への身体の転送において元の場所に心が取り残されるとかも導かれない。15151.5K
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19何回も言うが、心身は一元か二元かという問題は、科学としては不良設定問題。物理屋であろうと科学哲学者であろうと、科学的に導かれる合理的な解答は得られない問題。時間の無駄なので、そういう議論に取り込まれないほうが賢明。25371.5K
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19量子テレポーテーションで移動するのは、飽くまで本人。人間をマクロな量子系として、その量子状態を転送しているのだが、この量子状態の中の量子情報は、ユニタリー性から複製が禁止されている。古典情報はコピーはできるが、量子情報はコピーできず、とても強いアイデンティティを持っている。24511.2K
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19ここでの「本人」の定義は、外部の観測者がその対象にあらゆる質問や刺激を与えても、転送する前の人間と全く同じ回答や反応をするというもの。例えば転送前に持っていた記憶は全部転送後も確認可能。14181.1K
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 19量子テレポーテーションの最初の測定において、転送される人物はそこで死ぬと思う一般の方に指摘できることは、測定後に残った素粒子をどう調べても、転送された人物の情報が片りんも残っていない点。もし情報の複製を遠隔地に作るのなら、元の地には情報が残っているはず。量子テレポーテーションは、本当はテレポーテーションではないのか。 - Quantum Universe量子テレポーテーション。 最近よく聞くバズワードかと思う。 物理学の世界においてこのテレポーテーションは実験もなされ、応用が試みられる段階だ。 しかし一般の方々の中には、本当に人類が瞬間移動の術を手に入れたと勘違いされている人もいらっしゃるようだ。 それに対して物理の専門家は、量子テレポーテーションでSF的な瞬間移動装…mhotta.hatenablog.com14421.1K
Masahiro Hotta@hottaqu物理屋がすべきことは、「心身二元論は間違いで、心身一元論が正しい」と主張することではなく、「心身一元か二元かは、科学で決定できる問題ではない」と正確に答えること。言えないことを主張する踏み出し過ぎは、科学哲学の人に足をすくわれる原因となります。7:26 AM · Nov 19, 2019·Twitter Web App471 Retweets1.3K Likes
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 20Replying to @hottaqu量子テレポーテーションは、テセウスの船でもスワンプマンでもどこでもドアでもありません。送り主の測定は送るモノの設計図を作るためのものでないのです。その証拠に測定結果には、全くそのモノの情報は含まれません。1217632
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 20転送するモノの情報とは全く無関係なランダムな数列が、測定結果として吐き出されます。そのデータを受信地に送ると、モノの情報がデータに入っていないにもかかわらず、受信地の素粒子を使ってモノが復元されるのです。だから複製(コピー)を作ることは全く不可能なのです。8192593
Masahiro Hotta@hottaqu·Nov 21量子力学での様々な過程は、観測者毎に全く異なる描像を持つのが、古典論と大きく違う点です。量子テレポーテーションでも同様で、その過程で量子情報がどのように移動していくのかは、観測者によって大きく異なります。量子テレポーテーションでアリスとボブの間のどこを量子情報は飛んでいくのか。 - Quantum Universe量子テレポーテーションは、一般の方から見てやはり不思議な現象だろう。 この世の中の全てのモノの本性である、量子情報。そしてその集まりとしての量子状態|ψ〉(または波動関数ψ(x))を、ランダムに吐き出された測定結果を遠隔地に伝えるだけで転送することが可能だ。 以前書いたブログ「量子テレポーテーションは、本当はテレポーテ…mhotta.hatenablog.com11689