中村プロで何かあったんですか?

すいません、もう一ヶ月以上前に「もう時効だと思うヤバいエピソード教えてください」という質問を頂いてたんですが、この答えと一緒にさせて下さい。元々、俺がアニメーターになったキッカケは「アルバイトニュースにアニメーター募集と広告が出てたので」応募というか、履歴書持って面接に行ったんですが、本来アニメーターって技術職なので、そんなバイトの募集する訳ないんですよ。で、当時の俺がアニメーションに関して知ってる知識というと「アニメには絵を描く人と色を塗る人がいる」くらいしか知らなくて「色を塗るよりは絵を描く方が面白いだろう」程度の感覚だったのね。で、中村プロに面接に行ったら、動画のクリンナップ(清書)を描かされたんですが、そんなの未経験者が綺麗な清書なんて出来ない訳ですよ。なのに、何故か合格して中村プロに入る事になったんですけど、とにかくスタジオ内の雰囲気が何かオカシイ。動画の中割りの仕方なんて全然教えてくれないし、社内の先輩達は中村社長の事を「基地外」って平気で言ってる(無論、本人には言わないですが)し。只、一週間に一回くらい「ミーティング」と称して三階の中村社長の自宅にスタジオ内の全員が呼ばれるんです。で、一体 何をミーティングするかというと、毎回変わるんですけど、仕事と全く関係無い事を話すんです。「お前は誰か好きな女の子は居るのか?」とか聞かれるんですよ。で、俺は特に居なかったので「特に居ません」と答えるのですが、ここからが地獄編の始まりで、「そんなハズは無い、お前くらいの年齢だったら好きな女の子の一人くらい居るだろう?」「イヤ、居ませんよ」「嘘を言うな、居るハズだ」「本当に居ないんですよ」「アイドルとか誰か居るだろう」「居ませんってば」。と、こういうやり取りが約2時間も続くと、さすがに神経が参って来て「あー、もうエースをねらえ!の岡ひろみが好きです」とか、何か適当でもいいから答えないと延々と質問責めが続くんです。で、先輩達が「お前、基地外の左手の小指 チャンと見た事あるか?」って聞くんです。見たら、左手の小指の第二関節の所に薄っすらと傷があって、先輩曰く「◯◯の仕事の時に、制作に「絶対にスケジュールは守る!」って言ったんだけど、結局 間に合わなくて、制作が「絶対に守るって言いましたよね?」って言われたら「責任を取る!」と言ってイキナリその場にあったカッターを掴んで左の小指を切ったんだよ。皮一枚繋がってて切り落とすまではいかなかったんだけど」とか教えてくれなくてイイ事を次々と教えてくれて。先輩の中で特に酷い目にあったのがD先輩で、ある日、スタジオ内でタップが一本 無くなった時に例のミーティングで「お前が盗ったんだろう!」「イエ、盗ってません」「イヤ、お前しかいない。盗ったんだろう!正直に言え」「盗ってません」「お前が盗ったんだろう!」というやり取りが、休憩も睡眠も無く一週間続いて、もう精神的にボロボロになったD先輩は「私が盗りました」って言って、許して貰ったんですが、後日談があって、スタジオ内にレコードプレイヤーがあって、みんな好きなレコードを持ち寄って聴くんですが、やはりある日、社長がそのレコードの中から一枚取り出すのをたまたま見たスタッフの人に「これはあいつ(D先輩)が盗った事にするから内緒だぞ!」って言われたとか。で、スタジオ内で1番古株の先輩が教えてくれたのが、劇場版 惑星ロボ ダンガードAの時に、中村社長が作画監督をヤってるのに、スタッフクレジットには「南条文平」という謎の名前が載ってるんですが、その理由が当時のスタジオで例のミーティングがあった時、社内の女性スタッフに「お前には狐が憑いている!その狐を堕とす!」と言って、スタッフ全員でその女性スタッフを囲んでコーヒーをかけたりしたのが新聞に載って、ダンガードAのクレジットにはペンネームを使わざるを得なかった、とか聞かされて、とてもじゃないけどこんな会社に居たくないと思って 就職してから僅か一ヶ月で辞めたんですよ。で、一応、その先輩の話が本当かどうか、図書館に行って当時の新聞を調べたら「子供の夢を作る会社で夢を壊す」とかいう見出しで本当に載ってて、何かもうかなりアレなんですけど、ココまでで中村プロであった嘘の様な本当にあった話の、まだ25%くらいです。さすがにもうかなりシンドいので、あとの75%はいずれ機会があれば呟きますので、とりあえず今はもう勘弁して下さい。

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