ほぼ日刊イトイ新聞

2019-11-27

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・なにかと次々にやることのある怒涛の11月とか言ってて、
 いったんすべてを忘れて眠るかと思えたのが、
 株主総会の終わった日曜日の夜だった。
 しかし、そういう日にかぎって眠れないんだなぁ。
 眠れないというより、もったいなくて寝たくない。
 そうね、ちょっとほろ酔いみたいな感じでね。
 グチを言いたい気持ちと、にまにましたくなる感覚と、
 妙なバランスでゆらゆらしててね。

 で、結局どうしたかというと、
 いつものようにこの「今日のダーリン」を書くわけです。
 書きたいことは決まってるから、わりと早めに書けて。
 そこから、どういうわけか映画を観はじめる。
 『マイ・インターン』という何年か前の映画です。
 最近『ジョーカー』でロバート・デ・ニーロを観て、
 この人は、なんだかやっぱりおもしろいなぁと思ってて、
 そういえば、アン・ハサウェイとなんかヒット作に
 出演していたっけなぁと思い出したのでした。
 軽いコメディタッチの佳作というつもりで、
 疲労回復によろしいのではと観はじめたのです。
 ところが、それがそんなに軽いものじゃなく…
 ということもなく、軽みのある「いい映画」でした。
 最近、どこかで映画の話をしていたときに、
 だれだったか、ぼくの信頼しているどなただったかが、
 『マイ・インターン』が大好きだと言ったことも、
 妙に印象に残っていたのも影響しています。
 どこのだれだったかは、憶えてないのですが。ごめん。

 このだらだらしたご報告からなにが言いたいかというと、
 「こういうのでいいんだ」ということなのです。
 疲労困憊のはずの深夜のぼくが、居眠りすることもなく、
 どうなるんだろうと穏やかに期待しながら、
 たのしい2時間を過ごしていたということは、
 もう、十二分に世の中の幸福総量を上げたわけで。
 「ここから目を背けるな!」などいう問題作でもなく、
 「ハラハラドキドキの娯楽大作」でもないけれど、
 考えることもあったし、登場人物に共感したりもした。
 観てよかったかと言えば、よかったよと答えられる。
 こういうものをたのしめてよかった、深夜でした。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
軽率なぼくは、これからはスーツで過ごそうかな、とかも?


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