先の国会で公文書管理法が成立しましたが、この法律を作った理由・目的・内容を教えてください。(平成21年9月3日)

1. 公文書とは、主に政府の職員が仕事のために作った文書をいいます。国民が主権を行使するためには、正確な情報にアクセスし、それに基づき正確な判断を行使することが必要ですが、公文書には政府の政策が決まる経緯等が記録されているので、これを活用することによって、正確な情報を得ることができます。また、政府の職員が仕事をするときにも、正確な情報が記載された過去に作られた公文書が必要になります。
2. このように公文書は、非常に重要なものですが、これまではその管理や保存について、きちんとしたルールがありませんでした。そこで、先の国会では、こうした公文書の大切さを踏まえて、公文書がきちんと作成、管理、保存され、さらには後世にも伝えられていくようにするために、統一的な公文書の管理ルールを定めた法律が作られました。これが公文書管理法(「公文書等の管理に関する法律」)です。
3. 公文書管理法では、各省庁等は、作成基準にしたがって作成された公文書を適切に管理・保存し、その状況を毎年度内閣総理大臣に報告することになります。内閣総理大臣は、その概要を取りまとめて公表するとともに、管理・保存状況に問題があると判断した場合には、資料請求や実地調査、改善勧告を行えることにしました。
このほか、各省庁等が公文書を管理する規定を定める場合や、一定の保存期間を経過した公文書を棄てる際には、いずれも内閣総理大臣の同意が必要になります。
また、歴史的な価値のある公文書は、国立公文書館等に移管して国民のみなさんに利用してもらうための仕組みを整えました。
なお、これらの仕事を進めていくに当たって、内閣総理大臣は、外部有識者の「公文書管理委員会」の意見を聴くとともに、文書管理に関する専門的知見を持つ国立公文書館の補佐を受けることができるようになりました。