外国人が見た日本の絵文字。「温泉」はホットプレート、アダルトな意味でとられるものも…
普段何気なく使用していると全く違和感を覚えることはないが、実は日本人と外国人では同じ絵文字でもその絵文字に対してとらえ方が全く異なることをご存じだろうか?
◆「温泉」の絵文字=「ホットプレートで料理」しているように見える?
フリーのWebエンジニアとして活動するアルトゥルさん(@ArturGalata)がTwitterで投稿した「外国人が不思議な絵文字」が話題となった。
おでんや天狗、温泉マーク……。実は、これらの絵文字は世界共通で、海外で販売されているスマートフォンなどにも入っているという。確かに日本に暮らしていると自然に「おでん」「天狗」などと認識しているものの、そもそもおでんや天狗自体を知らない外国の方からすると不思議に感じるようだ。
おでんは、「▲●■が棒に刺さっている」、天狗は「赤いピノキオが怒っている」、温泉マークに至っては、「ホットプレートで料理」に見えるらしい。
同じ絵文字でも日本と外国で認識が違うとは驚きだ。そこで今回は、詳しい話を本人に聞いてみた。
アルトゥルさんは北欧のラトビア出身。YouTuberとしても「なんか、いい日だったな」というチャンネルを開設しており、文化の違いをネタにした動画などをアップしている。かなり日本語が堪能な印象だが、「日本語はあまりペラペラというほどではありませんよ」と謙遜する。
「日本語は自分で勉強をして3年ほどになります。日本は、アニメがきっかけで好きになりました! 3年前にラトビアで旅をしていたshoさん(@tabimarusho)と出会い、日本語をもう一度勉強するようになりました。現在は、一緒にYouTubeをしています」(アルトゥルさん、以下同)
日本語の勉強をしており、日本を何度も訪れているアルトゥルさんでさえ、理解できない絵文字は多いようで、YouTubeの動画でもさまざまな絵文字について「なにこれ! わからない!」と話していた。
ほかにも外国人から見ると意味が分からなかったり、ヘンだと感じたりするものはあるのだろうか?
「たとえば、感嘆符と疑問符です。日本では『!?』ですが、海外では順番が逆で『?!』と表記するのが一般的です」
!と?の順番が国によって異なるとは驚きだ。また、アルトゥルさんは「世界共通の絵文字において、日本びいきなものがある」と指摘する。それは「鯉のぼり」や「お月見」だ。
「外国人からすると、何の絵なのかまったく意味がわかりません」
確かに、その文化を知らなければ理解できないだろう。また、海外では顔文字の使い方が違うこともある。笑顔なら「:)」、怒っている顔であれば「;(」など。
これは日本人からすると、逆に意味がわからない。横向きで見てみよう。顔に見えてくるではないか。海外では簡素かつ横向きで表現するものが多いという。
「横向きにするのは、絵文字を入力するより、シンプルにキーボードで入力できるからではないでしょうか」
◆意外すぎる外国での絵文字の解釈
さらに、アルトゥルさんは日本と海外での絵文字や顔文字の使用方法で意外なものを教えてくれた。
「同じ絵文字でも、日本と海外で使うときのニュアンスが違うものとしては『ありがとう』です。なぜ日本では、泣いている顔を付けるのでしょうか。海外ではありえません」
日本では「ありがとう~涙!」といったふうに、感謝を感激とともに表現するニュアンスで使用する、「ありがとう+泣いている絵文字」はかなり不思議に感じた様子。さらに、何も知らずに海外でうっかり使用すると恥をかきそうな絵文字のとらえ方も。
「シモネタなんですが、『ナス』は男性器、『汗』は射精ですね。ハンドサインのオッケーは、そのままオッケーでも使いますが、お尻の穴という意味でもあります(笑)」
なんと、ナスや汗がアダルトな意味でとらえられてしまう恐れがあるとは。先日、FacebookとInstagramが「ナスと桃の絵文字を使用した場合検閲する」と公表した際、「それはさすがに考えすぎなのでは……」と感じたが、その背景には日本と海外での絵文字の意味の違いがあったのだ。ちなみに、桃はお尻の意味があるらしい。
来年はいよいよ東京オリンピックがやってくる。訪日外国人の方と出会う機会が増えることが期待できるが、海外の友人がたくさんできてメッセージのやり取りをする際には、絵文字の使用には少し注意を払ったほうがいいのかもしれない!?<取材・文/松本果歩>
【松本果歩】
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA