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外景 港の上空 夜
ブラックホーク隊のコブラ・ヘリコプターがまっすぐカメラに向かって飛んでくる…
内景 コブラ 機内から外を見て ゴジラに向かって飛行中
ゴジラの頭が海面から突き出し、動き回るサーチライトの光に照らされている。とても恐ろしげな光景だ。
内景 ブラックホーク・コブラ 飛行中 夜
コブラのパイロットが射撃手に向って叫ぶ。
外景 ヘリの下 夜
ミサイルの発射筒から輝く炎が噴射される。
外景 港 ゴジラ 全景をとらえて 夜
TOWミサイルが風を切ってゴジラへ飛んでいき、他のコブラ・ヘリはゴジラの周囲を旋回している。怪物が口を開ける…その様子はシャーッと声を上げるネコを思わせる…ゴジラの周囲の海面が光って、彼は放射能火炎を吐き出し…ヘリコプターが爆発する!
外景 ヘリパッド S-9ホーネット・ヘリコプター 夜
出撃の最終準備が行われている。ほぼすべての登場人物がここにいる。火器の専門家がバリンガーに、計器盤に設置されたトリガー・システムについて最後の指示を与えている。一方では海兵隊員たちが、ミサイルが正しく取り付けられているか発射筒を確認している。
バリンガーは説明内容を理解してうなずく、涙ぐんでいるデイナが近づいてくる。バリンガーは彼女の頬から涙を拭ってやる。
デイナは笑い、泣き出し、彼を抱きしめる。彼女は身体を離し、操縦席で発進の準備をしているトニーを見やる。彼はあのまぬけな制帽を被っている。彼女はトニーの方へ行き、カービー将軍がバリンガーのところに来て幸運を祈る。ケビンは将軍のそばにいる。
デイナとトニーのクローズ・アップ とても親密そうに
彼女は彼にキスする。そういう種類のキスだ。
バリンガーとケビンたちに戻って
ダクストンは片脚に体重をかけて立ち、もう片側からレスリーが彼を支えている。彼はヘリパッドの隅からじっと見守っている。バリンガーは愛おしそうにレスリーをちらりと見て、そしてケビンの髪をくしゃくしゃにする。
ケビンは「オーケー」とささやき、カービーが全員にヘリから離れるよう手振りする。バリンガーはヘリに乗り込む。ローターが回転を始め、空気を切り裂き、回転数を上げていく。
外景 ヘリパッド 全景をとらえて 夜
集まった人々が後ろへ下がり、ローターの風が彼らの髪をなびかせる。トニーが親指を立てて「サムアップ」の手振りをし、ホーネットはふらふらと空へ舞い上がる。
デイナのクローズアップ
明らかに、他の人間が必要とするよりずっと強く不安を感じている。カメラはカービーの方へ移動する。副官が彼のそばにいる。ケビンは将軍の後ろに立ち、将軍の上着を引っぱって、風に負けじと大声で叫ぶ。
カービーは彼を無視する。ケビンはどうすることもできずに周囲を見回し、そして、やましさを感じているみたいに走って行ってしまう。
外景 港の上空 夜
ブラックホークが2機カメラめがけて飛んできて、ゴジラの三度目の放射能火炎を受けて爆発する!
外景 海面 夜
炎に包まれた残骸が港に突っ込み、海面に破片が飛び散る…
内景 S-9ホーネット 飛行中 夜
大きなザーッという音がして、無線通信が切れる。
ヘリががくんと沈む…トニーは操縦桿を握りしめる。
外景 港の上空 夜明け近く 飛んでいくヘリコプター
ブラックホーク隊のコブラ・ヘリの残った3機が、カメラの上を飛んで安全地帯へ退却していく。
外景 防衛本部のビル プレシディオ 夜明け近く
正面入口の階段にダクストンとレスリーが立っている。レスリーは震え、ダクストンは彼女を抱いてやっている。ダクストンは彼女のこめかみにキスする。そしていぶかしげに周囲を見回す。
車のエンジンの音が聞こえる…ダクストンとレスリーは振り返って、見る。
外景 ジープを追っていく 夜明け近く
顔に決意をみなぎらせたケビンがジープのハンドルを握り、狂ったように運転している。ジープは困惑した軍人たちのそばを走り過ぎていく。
外景 プレシディオ軍用地の端 夜明け近く
メイン・ゲートを陸軍の数台の戦車とトラックが塞いでいる。ある車両が目に留まる。車両の輸送車かトレーラーで、荷台に車両を上げるための傾斜路がついている。荷台は空で、傾斜路は基地の外壁に向かって登り坂になっている。
我々が目にしたものをケビンが見つける。彼はスピードを上げ、我々は彼が考えていること、しようとしていることがとても信じられない…だが…
ジープからの主観で 最高速度で傾斜路に向かって走って行く
…我々は彼自身になったように感じる。ジープは傾斜路に乗り上げ、猛スピードで登り…
外景 プレシディオの外壁 外に面したゲート 夜明け近く
ケビンのジープが壁を飛び越え、まっすぐカメラに向かって空中を飛んできて…着地して激しく揺れ、そのまま走って行く。
外景 港の上空 ホーネットの機首からの空撮
ホーネットはカメラに向かって飛び、ブラックホーク隊のコブラ・ヘリが左右を通り過ぎて、陸地の安全地帯へ向かって撤収していく。
外景 アルカトラズ島 ほとんど夜明け
ゴジラは海から出て、両生類の始祖のように四つん這いになって島に上陸する。巨大な足の重量で刑務所の建物が崩壊する。彼は挑戦するように、肩ごしに振り返って背後を見て…口を開け…また放射能火炎を吐く。
外景 コイト・タワー ほとんど夜明け
タワーは熱線を受け、ほとんど溶解し、自重に耐えられずに歪んでいく。はっきりと放射能の煙を上げている。
ゴジラに戻って
紀元前の怪物は、何ものかが近づいて来るのに気づく。
外景 港 ゴジラの背後からのアングル
水平線にホーネットが浮かんでいる。
ゴジラ
ホーネットが接近してくるのをじっと見ている…
外景 マリーナ通り ほぼ夜明け
瓦礫やひっくり返った車が散乱している。ケビンのジープが猛スピードで角を曲がってきて、生存者たちはそれをじっと見つめる。
内景 S-9ホーネット 機内から外を見て アルカトラズへ接近中 ほぼ夜明け
ゴジラはホーネットが近づいて来るのをじっと見て、二本脚で立ちあがり始める。
内景 S-9ホーネット 飛行中 ほぼ夜明け
バリンガーは発射装置を準備し、怯えたトニーは前方を見ている。
バリンガーのクローズアップ
彼はトニーの方を見る。彼の顔には苦悩の表情が見える。
外景 アルカトラズ島 ほぼ夜明け
ゴジラはまっすぐに立ち上がって、近づいてくるヘリを落ち着かなさげに見つめている。だしぬけに、ゴジラがカメラに向かって放射能火炎を吐く。
内景 S-9ホーネット 飛行中 ほぼ夜明け
トニーはぎょっとして操縦桿を強く引き、そして…
外景 空中 S-9ホーネット
どちらかへ傾くことなく真上へ急上昇し、危ういところで放射能火炎を避ける。
外景 海岸地区 住宅街 ほぼ夜明け
放射能火炎の壁が家々をなぎ倒し、あっという間に燃え上がらせる。レスリーの家も同じだ。
外景 プレシディオ軍用地 カービー将軍のクローズアップ
これまでの成り行きを双眼鏡でじっと見ている。
外景 マリーナ通り ほぼ夜明け
別のジープ-レスリーとダクストンが乗っている-が猛スピードで角を曲がってくる。
外景 港の上空 S-9ホーネット
ホーネットは空中で姿勢を安定させる。
内景 S-9ホーネット 飛行中 ほぼ夜明け
バリンガーは腹を押さえ、血が流れる額の傷をぬぐう。
彼は発射装置のハンドルを握る。
外景 アルカトラズ島
ゴジラは用心深げに立って、小さなヘリコプターに全神経を集中している。ヘリは傾き、揺れながら、また接近してくる。
外景 港の桟橋 ほぼ夜明け
ケビンのジープが桟橋の端でタイヤを鳴らして停まる。ケビンは飛び降りて岸壁まで走る。
内景 S-9ホーネット 機内から外を見て アルカトラズに向かって飛行中 ほぼ夜明け
明らかに怪物はホーネットが来るのを待ち構えている。
外景 アルカトラズ島 ゴジラ
ヘリがゴジラに接近する。彼は自らが受けた屈辱のすべてに復讐を果たすべく、両腕を上げ、かぎ爪をむき出し、襲いかかる体勢を取っているように見える…
外景 港の桟橋 ケビン
突然、巨獣に向かって叫ぶ。
ゴジラのクローズ・アップ
海岸からの小さな声を聞いて、彼はそちらを見る…
ケビンのクローズアップ
彼の両眼から涙があふれ、すすり泣きながら叫ぶ。ほとんど言葉にならない。
彼は泣き崩れる…
外景 S-9ホーネット 飛行中 ほぼ夜明け
ミサイルを発射するため、機体を傾けながら急接近してくる…
ゴジラのクローズ・アップ
ヘリが接近してくるが、ゴジラはまだケビンの方を見ている…
トニーのクローズ・アップ
内景 S-9ホーネット 飛行中 バリンガーの背後からのアングル
ヘリが接近し、怪物は柔らかな表情で振り返る。彼の顔はまったく無防備で、口が穏やかに開いている。そして…
バリンガーのクローズアップ
発射装置で照準をしながら、彼の眼から涙が流れる…
超クローズアップで 発射装置のトリガー
バリンガーの指がトリガーを引き、そして…
外景 S-9ホーネット ミサイルの発射装置
カメラに向かってミサイルが発射される…
外景 アルカトラズ島 ゴジラ 夜明け
ホーネットは片側に傾いて飛び去っていく。怪物がなにかを飲み込んでその両眼を見開き、のけぞり、後ろへ倒れる。顔いっぱいに困惑の表情を浮かべ、自分の首をつかんで…
外景 港の桟橋 ケビンのクローズアップ
もう見たくないと目を閉じ、すすり泣いている…
外景 アルカトラズ島 ロングショット 夜明け
ゴジラは仰向けに倒れ、首がだらりと伸び、まぶたが痙攣している。爪が宙をつかみ、そして身体を起こそうとして、ひっくり返り、崩れ落ち、強力な尾が打ち振られる。彼ははらわたをねじ切るような死の金切り声を上げ、そして信じられないような核エネルギーの爆発が、火山の噴火のように彼の口から噴出する。そして…爆発が治まり、怪物の頭が一方に傾いで、彼の尻尾が動かなくなり、彼の身体が痙攣するように震え、そしてとうとう、哀れにも彼は絶命する。
外景 港の桟橋 夜明け
ケビンはジープから数フィート離れた岸壁に腰を下ろしている。そのジープのそばに、やわらかなブレーキの音を立てて2台目のジープが停車する。レスリーがダクストンに手を貸して車から降り、桟橋の端へ歩いて行く。2人はケビンのところまで来る。
レスリーはケビンの小さな友だちのローバーを取り出し、ケビンに手渡す。ケビンはぼんやりしたままトカゲを受け取り、優しく撫でてやり、低い声で何かをささやく。彼の両親は港を眺めている。夜明けのそよ風がケビンの頬の涙を乾かし、彼の髪をなびかせる。そして彼も海を眺める。
アルカトラズ島に戻って 夜明け
怪獣の王者ゴジラはじっと横たわっている。ひどく穏やかで、ひどく孤独だ。
島の向こう、東から太陽が昇ってくる…
フェード・アウト
エンドクレジットが流れる。
終
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