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内景 映画館 夜
何列にも並んで座った観客たちが、立体メガネをかけて「13日の金曜日PART3」(スティーブ・マイナー監督作品)を観ている。席の一つにデイナの新聞社の警備員であるウォルトが座っている。ジェイソンが画面から槍を突き出してきて、ウォルトは立体メガネを外し…
その瞬間、ウロコのある巨大な尻尾がスクリーンを破ってカメラの方に突き出してくる…尻尾が壁を破壊し、観客たちは悲鳴を上げる…
内景 タクシー 走行中 夜
無精髭の伸びた運転手。彼が両眼を見開き、急ハンドルを切って…
内景 タクシー フロントガラス越しの主観映像 走行中 夜
前方で道路を横切る、巨大で、トゲの並んだ革のような障害物を避けようとする。タクシーは建物の外壁の方に進路を変え…
内景 ディスコ 夜
ミラーボールに、色とりどりのライト。おしゃれした若者たちがスローな曲に合わせて踊っている。壁が吹き飛んでタクシーが突っ込んでくる。
外景 海岸通り 全景をとらえて 夜
前景で人々があちこちへ逃げていく。ほとんどは盲目的に安全な所へ走っているが、立ち止まり振り返って成り行きを見ている人もいる。ゴジラが現れる。背景のビル群の中にそびえ立っている。怪物は前に歩き出す。足音は一つ一つがまるで地震のようだ。怪獣の足元では群衆のパニックがさらに高まり、ゴジラはカメラに向かってのしのし歩いてくる…
外景 ギラデリ広場 引いたアングルで 夜
(ギラデリ広場は有名なチョコレート店)
大きな「ギラデリ」の看板の前を巨大な怪物が通って行くのを追って、カメラはパンしていく。ゴジラはフィッシャーマンズ・ワーフへ向かう…
外景 舗道 「ワールド・オブ・アンエクスプレインド」 夜
(「ワールド・オブ・アンエクスプレインド」はフィッシャーマンズ・ワーフにあるオカルトや超常現象を扱った博物館)
人々が悲鳴を上げて逃げていく。倒れて踏みつけられている者も多い。スーパー8(音声付きの8ミリフィルム)のカメラを持った若い男が道路に走り出てきて、撮影を始める。博物館の飾り物の中のスピーカーから、テープレコーダーのどんよりした声が聞こえてくる。
外景 「ワールド・オブ・アンエクスプレインド」 全景 夜
ゴジラの巨大な足が降りてきて、観光客向けの展示品を踏みつぶす。そこにいた不幸な数人の観光客たちのことは言うまでもない。
外景 ジェファーソン通り 「ディマジオズ」の看板を見上げるアングル
ゴジラが大股で画面に入ってきて、吠え、強力な腕でその看板を叩き落とす。看板はばらばらになって、カメラに向かって落ちてくる。
外景 ビスタ・ピア 街路 夜
ヘルメットを被ってライフルを持ち、一群のパトカーの背後で狙いをつけている警官たちの列をカメラは追っていく。背景で、さらにパトカーが急停止して阻止線に加わる。サイレンが狂ったように鳴り響き、民間人たちがあちこちへ走って行く。
カメラはゴジラを注意深く見つめている指揮官を写し続ける。背景で一人の警官が、取り乱して泣いている別の警官をひっぱたく。
パトカーのそばにいる、ある警官をとらえたアングル
ピストルを構え、片手に無線のマイクを持っている。車内から無線の鳴る音がする。
内景 新聞社のオフィス 夜
デイナは半狂乱になった社員たちをかき分けていく。社員たちはデスクを離れ、私物をつかんで逃げていく。彼女は窓のところへ行く。そこではメアリやほかの記者たちが外を見ている。
彼らの視点から 都市のビル街
はるか遠く、ゴジラはエンバカデロ地区を通ってこちらの方へ進んでいる。遠いサイレンの音がする。
内景 陸軍の営倉 夜
残忍そうな憲兵がバリンガーを殺風景な独房へ押し込む。彼の背後でドアがばたんと閉じられる。
内景 防衛本部 夜
片側の壁いっぱいに街の大きな地図が貼られている。そこでは地図係が、派遣された部隊の移動に従って画鋲の位置を移し変えている。他の壁には無線とコンピューター端末が並んでいる。軍人たちがあちこちでせわしなく働いている。ここは急ごしらえの作戦本部なのだ。
その只中にマクダーモットが大股で入ってくる。彼の副官のアッカーマンが牧羊犬のように従順に付き従っている。
カービー将軍が画面に入ってきて、マクダーモットと向き合う。
これは反則パンチだったが、効果はあった。カービーは軽蔑するような眼でじっと見つめている。
カメラ、通信兵にさっとパンして
外景 エンバカデロ埠頭 夜
ゴジラが大きな倉庫の屋根をつかみ、オイル・サーディンの缶詰を開けるみたいに引きはがす。彼は中をのぞき込み、屋根を港に投げ込んで、また歩いて行く。
外景 エンバカデロ通り 夜
破片が飛んで街路に落ちる中、水夫やドック労働者たちが逃げていく。
外景 エンバカデロ 鉄道操車場 夜
貨物列車がスピードを上げてカメラの方へ走ってくる。
内景 貨物列車 機関車からの主観で
埠頭地区に向かって高速で走っている。突然、目の前の線路にゴジラの巨大な足が踏み下ろされる…衝突!
外景 エンバカデロ 夜
その苦痛にゴジラは吠え、この新しい苦痛がどこから来たのか見ようと身体を回す。
外景 ハイウェイ480号線 夜
その回転の勢いがついたゴジラの尻尾は二層分の高速道路を粉砕し、跡形もなく崩壊させる。道路は基部から崩れ落ちて、路面を走っていた車が空中に飛び出す。
ゴジラに戻って 全身をとらえて
怪物は揺れる列車をつまみ上げ、それから怒りを込めてカメラに投げつける…そしてのしのしと倉庫の方へ戻っていき…
外景 エンバカデロの倉庫 夜
ゴジラが吠えながら別の倉庫の屋根をつかみ、破片を飛ばしながら引きはがし、また歩いて行く。前景には逃げ回る人々やゴジラの様子を見つめる人々がいる。
外景 エンバカデロ埠頭 ゴジラ 夜
怪物は別の倉庫にやって来る。ちっぽけな警備兵がゴジラに向かって銃を撃ちはじめる。その足元で起きる騒ぎと同じように、怪物は極小サイズの弾丸など気にもしない。彼は倉庫の屋根をつかんで引きはがし、破片が降り注ぐ。
ゴジラがいぶかしげに倉庫の中をのぞき込む。彼は巨大な爪の手を伸ばし、悲鳴を上げているちっぽけな警備兵をつまみ上げる。彼は虫けらのように守衛を放り捨てる。
外景 倉庫 ゴジラの背後から見下ろすアングルで
さらに多くの警備兵が叫びながら銃を撃ってくる。彼らがちっぽけな陸軍の制服を着ているのが見える。ゴジラが手を伸ばして大きなカンバス地のシートを引きはがす…その下にはゴジラの幼体の死体がある。
ゴジラのクローズ・アップ
ゴジラは自分の幼い同族を見下ろし、彼の紀元前の顔の表情が和らぎ、信じられない、という悲しみの表情が浮かぶ。彼は自分に撃ってくる人間たちを問いかけるような眼で見て、そしてまた崩れつつある死体の方を見る。
彼はより小さな怪物の鱗のある身体を撫で、優しく触れる。彼は首をかしげ、人間たちの銃撃を無視して、幼体ゴジラのねじれた顔を計り知れない悲しみをもって見ている。彼の眼の中の悲しみは、歴史そのものと同じぐらい古い。
怪物はどうしていいかわからないかのように周囲を見回す。死んだ幼体から町へ、そしてまた幼体に視線を戻す。そして…変化が見える…表情が険しくなり、濡れた黄色の眼が燃え上がり、牙の並んだ巨大な口が唸り声を発し、そして…
ゴジラが立ち上がって咆哮する。その咆哮はここからサン・バーナーディーノ(カリフォルニア州南部の町)まで聞こえるほどだ。
外景 メイソン・ストリート 夜
メイソン・ストリートの真上を、ゴジラに匹敵するような轟音を上げて1機のF-16戦闘機が飛んでいく。ジェット戦闘機はくるくると横転して矢のようにまっすぐ飛んでいき、街路のいくつもの窓が衝撃波で砕ける!
外景 街路 夜
通りを横切る人たちは耳をふさぎ、飛来してくるジェット機隊を驚きの目で見上げている。
内景 F-16の操縦席 飛行中 夜
座席にベルトできつく固定され、ヘルメットと酸素マスクをつけたパイロット。彼がヘルメット内蔵のマイクに向かって話している。
外景 都市の上空 ジェット機隊
ジェット機隊は航行灯を点滅させながら、轟音を上げてゴジラに向かう。
外景 エンバカデロ ゴジラ
怪物はくるりとジェット機隊の方を向き、その巨大な尾が背後にある倉庫の壁を破壊する。
外景 エンバカデロ 街路 夜
逃げる人々が崩れた壁に行き場を失う。半狂乱になった警官や州兵たちが身振りまで交えて避難させようとしている。
内景 F-16の操縦席 外を見て ゴジラに向かって飛行中
内景 F-16の操縦席 飛行中 夜
外景 エンバカデロ ゴジラ 全身をとらえて 夜
(ストーリーボードより)
ジェット機隊が接近し、各機の翼端から小さな閃光とともにロケット弾が発射され、ゴジラの顔面で爆発する。ジェット機は怪物の上を飛び越えていく。ゴジラは苦痛と混乱で吠え、手で宙をつかみ、しばらく目が見えなくなる。
外景 エンバカデロ ゴジラのクローズ・アップ
ゴジラの表情には、この状況に対する屈辱の感情が強く感じられる。彼は明らかに腹を立ててもう一度振り返り、遠ざかっていくジェット機隊の方を向く。ジェット機隊は港の上空で隊形を整え、二度目の攻撃のために接近して来ようとしている。
外景 エンバカデロ ゴジラ 全身をとらえて 夜
ジェット機隊がもう一度攻撃隊形で接近してくる。各機の翼からホーク・ミサイルが発射され、ゴジラの周囲で爆発する。ゴジラは甲高く鳴いてジェット機をつかもうとするが、触れることができない。
内景 F-16の操縦席 飛行中 夜
外景 エンバカデロ ゴジラ 夜
彼は眼をこすり、どうすることもできず周囲を見回す。怪物は下を見て、あるものを見つける。
貨車をとらえたアングル
ゴジラが数分前にぶら下げていた、壊れた貨物列車の一輌だ。
ゴジラに戻って
彼の顔にはまちがいなく何かを理解した、という兆候がある。彼は前に屈み、貨車に手を伸ばして、拾い上げる。
外景 上空 ジェット機隊
ジェット機隊がまた接近してくる。各機の航行灯の光で、ジェット機隊が二手に分かれたのがわかる。第一波の先頭機は他の機より少し先行している。
内景 F-16の操縦席 飛行中 夜
外景 エンバカデロ ゴジラ 夜
我々が考えすぎているのかもしれないが、ゴジラはあの貨車を背中に隠しているかのように見える。少なくとも接近してくるジェット機隊から貨車が見えないようにしている。
内景 F-16の操縦席 機外を見て ゴジラに向かって飛行中
怪物に近づくとジェット機は機首を下げ、ゴジラの両脚の間の空間がぐんぐん大きくなる…ロケットが爆発する!
ジェット機の尾部から見た主観映像で ゴジラの脚の間をすり抜けて飛んでいく
ゴジラは振り返って、飛び去っていくジェット機を見つめる。
内景 別のF-16の操縦席 飛行中 夜
ドラゴン・ファイブを追う機のパイロット。ヒステリーの馬鹿のように笑っている。
外景 エンバカデロ ゴジラ 全身をとらえて 夜
怪物の顔には怒りと、知性の兆候が感じられる。第一波の他のジェット機が接近すると、出しぬけにゴジラが貨車を出してバットのように振るい、ジェット機隊の1機を空中で叩く…
外景 街の上空 破壊されたジェット機
ねじれた塊となって空中で燃えながら、まっすぐカメラに向かって飛んでくる…そして…
外景 タイムズ・ヘラルド・ビル
そう書かれた看板があるので、この建物がタイムズ・ヘラルド・ビルだということがわかる。潰れた戦闘機が激突し、建物に突き刺さり、そこら中に炎をまき散らしてその看板は存在しなくなる。
ゴジラに戻って
彼は持っていた貨車を捨てる。彼は第二波の中の1機に向かって手を振り、そのジェット機をつかまえる…彼はいぶかしげにそのジェット機を調べ、まったく何だかわからないそれを呑み込む。
内景 F-16の操縦席 夜
牙の並んだゴジラの口の中の暗闇が操縦席を包み込み、パイロットが絶叫し、操縦席が内側に、彼に向かって潰れてくる。
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