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外景 大平洋 沿岸 午後
民間のヘリコプターがきらきら光る水面の上を低く飛んで、まっすぐカメラに向かってくる…エンジンとローターが轟音を上げている。
内景 ヘリコプター 飛行中 午後
トニーが操縦席に座っている。そして操縦を楽しんでいる。彼はパイロット用の黒いサングラスを着け、NASAの帽子を被っている。ウインドブレーカーを着たバリンガーがその隣に座って、じっと地図を調べている。彼はトニーが慣れた様子で操縦していることに目を留める。
外景 水面 通過するヘリコプター 午後
流線型のヘリがロケットのようなスピードで水面を飛び去って行く。
内景 ヘリコプター 飛行中 元のアングルに戻って
バリンガーは地図を見ている。トニーが前方に何かを見つける。
バリンガーが顔を上げる。
外景 ヘリコプターからの視点で 油井やぐらに向かって飛んでいる
油井やぐらが水面にぼんやり見えている。我々が先に見た、現代工学の洗練から遠く離れた武骨な建造物。それが今ではねじれ、打ち壊されている。ヘリが接近していくと、我々は2つのことに気づく。
(1)金属の構造材があちこちで溶けていること
(2)やぐらの基部に大勢の軍人がいて、海軍のカッター(ボート)「が周囲を取り囲んでいること
外景 油井やぐら 午後
軍人たちは民間のレンタル・ヘリコプターが自分たちの方へ飛んでくることに気づく。ある士官が電池式のメガホンを口に当てる。
内景 ヘリコプター 飛行中 元のアングルに戻って
バリンガーはヘリの後部に積んである装備から、ガイガー・カウンターを引っぱり出す。
トニーは折れる。興奮し、高揚している。
外景 油井やぐら 午後 ヘリを追って
ヘリは旋回して、まっすぐやぐらの方へ降下してくる。
元のアングルに戻って
バリンガーは機体から身を乗り出さんばかりになって、ガイガー・カウンターを調べている。
外景 油井やぐら 午後 軍人たち
ヘリコプターが飛び去るのを見つめている。
彼のそばにいる海兵隊員がM-16マシンガンを構える。
彼の背後で、他の海兵隊員たちもCAR-15カービンなどの強力な銃器を構える。
内景 ヘリコプター 飛行中 午後
トニーはヘリを旋回させ、もう一度急降下させようとしている。バリンガーはガイガー・カウンターを持って機体側面から身を乗り出している。
外景 油井やぐら いくつかの連続ショット ヘリと軍人たち
ヘリがもう一度航過しようと、轟音を上げて接近してくる。海兵隊員たちが発砲する!弾丸がヘリコプターの機体側面を穴だらけにし、激しく跳弾する…
バリンガーはガイガー・カウンターを見て、人差し指を立てる。
彼は操縦桿を回す。
外景 油井やぐら 午後
軍人たちがもう一度戻ってこようとしているヘリを見つめている。彼らは銃を構え…
内景 ヘリコプター 低空飛行
三度目の接近は猛烈な銃撃に迎えられる。バリンガーは歯を食いしばり、トニーの帽子が流れ弾で頭から弾き飛ばされる。ヘリはやぐらに接近し…
ガイガー・カウンターのクローズ・アップ メーター部分
あの引っ掻くようなパーコレーターに似た音は聞きたくても聞こえないが、ガイガー・カウンターは猛烈に反応する。針がひくひく痙攣している。
元のアングルに戻って
外景 油井やぐら 午後
ヘリは縦揺れ横揺れしながら飛び去り、来てへ向かって小さくなっていく。軍人たちは逃げていくヘリに銃撃を続けている。
内景 ヘリコプター 飛行中 午後
バリンガーは腹を立てている。トニーは疲れ果てた様子で、機体の側面から繰り返し外を見ている。
外景 海面上 夕暮れ
トニーとバリンガーのヘリが飛び去っていく。そして陸軍の、グリーンのOH-58ヘリが彼らの後ろを飛んでいるのが見える。
内景 陸軍のヘリ 飛行中 夕暮れ
残忍そうな陸軍兵士が二人、しっかりと追尾している。
内景 ヘリコプター 元のアングルに戻って
トニーとバリンガー両方のが、機体側面から彼らの後方にいるヘリを見ている。2人がまた前を向くと、彼らの顔が仰天の表情に変わる…
内景 ヘリコプター トニーとバリンガーの背後から外を見て
ヘリコプターの真正面にゴジラが立ち上がる!
いくつかの連続ショット 内景と外景
トニーが操縦桿を引き…
ヘリコプターは旋回して急上昇しゴジラの肩の上を飛び去ろうとする。巨大な怪物はヘリを手で叩こうとするが、ヘリはそれをかわして飛び去る。
残忍そうな陸軍兵士たちは、自分たちのヘリから信じられない思いで見つめている。パイロットも茫然としていて災厄を避けるのが間に合わない…
ゴジラは振り返って、自分めがけてまっすぐ突っ込んでくるOH-58を見る…巨大な怪物は腕を振るって、爪でヘリを粉砕する…ヘリが爆発する!
内景 ヘリコプター トニーとバリンガー 飛行中 夕暮れ
2人とも蝋人形のようにまっすぐ前を見つめて一言も話さない。あまりの恐怖に、お互いを見ることすらできないのだ…
外景 マリーナ サンフランシスコ 夜 ここがどこかを印象づけて
ヨット・クラブに面したマリーナ通りの左右には豪邸が並んでいる。カメラはレスリーの家を写す。
内景 レスリーの家
家の中は趣味のいいパステルカラーで見事に調度されている。レスリー自身は旅行の支度をして電話のそばに立ち、悩みながらそれを見つめている。彼女はためらいがちに受話器に手を伸ばし、そこで気を変え、背を向けて出て行く。
外景 レスリーの家 マリーナ 夜
ホンダの運転席に座って、レスリーはキーを回す。エンジンがかかる。彼女はヘッドライトをつけ、その光は霧の中で光線となって見える。彼女は車を出し、家の前の車回しから道路へ出る。カメラはまた彼女の家にパンして…
内景 レスリーの家 夜
何もかもが夜のくすんだ青に染められている。空っぽの部屋の中、テーブルの上の電話がやかましく鳴り始める。
内景 ダクストンのハウスボート 夜 ダクストンのクローズ・アップ
電話の向こうで呼び出し音が鳴っているのを聞いている。もう2、3回鳴るのを待って、彼は乱暴に受話器を置く。
内景 ケビンの部屋 夜
棚には本と手品道具があふれるほど詰め込まれている。壁には怪物映画のポスター(「クリープショー」が目立っている)と、フーディニの奇術公演のビラのレプリカが並んでいる。
ケビンはベッドに横たわって、「フラッシュ・ペーパー」でできたトランプの匂いを嗅いでいる。このカードは無害なオレンジ色の火を発して跡形もなく燃えてしまうのだ。彼はウォークマンのヘッドホンで、流行のロックバンドの曲を聞いている。トカゲのローバーはケビンの胸の上で居心地よさそうにじっとしている。
ベッドルームのドアをノックする音がする。ダクストンが入ってくる。ケビンは耳からヘッドホンを外すが、ずらしただけなので、まだ甲高い小さな音で「クランキング・チューンズ」が聞こえている。
戸口に立って、ダクストンはふんと鼻を鳴らし、両眉を上げてみせる。感嘆しているのだ。彼は少し待って…
…そして出て行き、ドアを閉める。ケビンはまだウォークマンのヘッドホンを耳からずらしたままだ。予想通り、ドアがもう一度開いてダクストンが入ってくる。
彼は息子のベッドに腰掛け、ケビンはウォークマンのスイッチを切ってヘッドホンを完全に取る。
ダクストンは指でローバーの頭をなでてやる。少しの間がある。
ダクストンは部屋の中を見回す。他にも言うべきことがありすぎるのだ。彼はケビンの脚をぽんとたたいて立ち上がる。彼が戸口まで来たところで、
ダクストンが振り返る。
彼は出て行こうとして、また立ち止まる。
ダクストンは振り返る。まだ戸口のところにいる。
ケビンは「オーケー」とささやき、ダクストンは出て行く。彼が出て行った後で、
外景 ダクストンのハウスボート 夜
桟橋には霧が立ち込めている。不思議なことにマリーナの中でこの辺りは一段と霧が濃い。ダクストンが出て来て、桟橋の端の方へ歩いて行く。彼は煙草に火を点け、マッチを海に投げる。そしてジャケットの襟を立て、霧にかすんだ桟橋のクレーンの方へ向かう。
画面はそのままで
やがて、足音が聞こえてくる。聞き覚えのある、硬い、木張りの桟橋をこつこつ鳴らす音。
内景 ケビンの部屋 ケビンに戻って
彼は響いてくる足音を聞く。彼はベッドから起き上がり、ローバーを上着のポケットに入れる。彼はドアから出て行く。
外景 桟橋のクレーン いくつかの連続ショット 夜
夜の闇の中、見覚えのある硬く黒い靴が、足音を殺して進んで行く。
内景 ダクストンのハウスボート 玄関ホール 夜
ケビンはドアを開けに行く。
彼はドアを開ける…誰もいない。おかしい。ケビンは外を見る。そのとき、クロロホルムをしみ込ませたぼろ布が霧の中から飛び出してくる。ロシア人工作員たちが姿を現し、暴れるケビンを取り囲むのが見える。
カメラはクラスチコフに向けられる。彼は邪悪な笑みを浮かべ、工作員たちを監督し、指示を出し、その顔を霧の断片が取り巻いている。ケビンのくぐもった悲鳴が聞こえる。
ディゾルブ
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