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【羽ばたけ中部勢】今季0勝16敗、昨季から数えて21連敗…それでも三遠PG寺園脩斗は確信「勝てばチームが変わる」2019年11月27日 0時38分
バスケットボールBリーグ1部の三遠でプレーするポイントガードの寺園脩斗(25)は、開幕から白星のない苦境のチームでもがきながらも、プロ2年目の充実感とこの道で戦える手応えを得ている。「まだCS(チャンピオンシップ)の出場を諦めていない。チャンスはある」と巻き返しを誓う。 三遠は開幕から泥沼の16連敗。昨季終盤の5連敗と合わせると21連敗。北海道が昨季記録したBリーグワーストの22連敗にあと一つと迫る。12月7~8日の次節は、その北海道と敵地で相まみえる。開幕戦から先発出場する寺園は、責任を感じながらも「こんな連敗はもちろん人生初めてだけど、思ったよりも落ち込んではいない。チームも日に日によくなっている」と前を向く。 一つの転機は指揮官の交代だ。10月末、コーチから昇格した河内新監督を迎え、各選手の果たす攻守の役割分担が明確になった。前任監督、米国出身のロウサムさんが求めたのは「個々の判断」に委ねる攻撃システム。しかし、選手は半信半疑のまま浸透できなかった。「うちは個人で打開できる選手は少なく、相手は守りやすかったと思う。今はチーム全員で戦う意識になっている」。「負けるだろうな」と思っていた以前とは異なり、負けても「戦えている」との実感がある。 寺園は昨季、実業団の強豪・九州電力から三遠に加入した。一度は諦めたプロの世界だったが、競技への向上心を抑えられなかった。社会人1年目の2017年、全日本実業団選手権で3位に入っても、高揚感はなかった。「ここにいても成長はない。もっと高いレベルに身を置いて、もっとうまくなりたい」。東海大の同期、伊藤(大阪)がBリーグで活躍する姿も刺激となった。「おれもやれるんじゃないか」 ただ、現実は少し違った。ルーキーイヤーはレベルの高さに戸惑った。ボール運びに苦労するほど守備が堅く、出場時間は平均13分に限られた。しかし、今季は同じポジションの主将・鈴木が腰のけがで出遅れ、開幕戦から先発の大役が回ってきた。出場時間は平均28分と大きく伸びた。 「負けていても毎試合出ることで、成長できている。心の余裕が出てきた」。持ち味は自他ともに認める「アグレッシブな攻守」。ようやく意表を突くカットインやボール奪取のプレーが見られるようになった。「一つでも勝てれば、チームががらっと変わる兆しがある」。逆襲のスイッチを押す準備は整っている。 ▼寺園脩斗(てらぞの・しゅうと) 1994(平成6)年6月28日生まれ、宮崎県高鍋町出身の25歳。171センチ、70キロ。バスケットボール指導者の父親に手ほどきを受ける。延岡学園2年の時に高校総体、国体を制し、3冠のかかったウインターカップ決勝は、米NBA傘下でプレーする渡辺雄太のいる尽誠学園を倒した。主将の3年時も国体を除く2冠を達成。東海大では2年から主力。U―18日本代表。
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