兵庫県尼崎市在住の漫画家でテレビアニメ「忍たま乱太郎」の原作者として知られる尼子騒兵衛さんが26日、所有する作品の原画やアニメのセル画、忍者に関する資料などの管理、整理を同市に任せる協定を結んだ。その数は数万点に上るといい、2020年度以降に市に寄贈か寄託をし、市が展示するなどして乱太郎の魅力を発信していく。
尼子さんは1986年から朝日小学生新聞で忍者のたまごたちが活躍する「落第忍者乱太郎」を連載。93年からNHKでテレビアニメ化され、現在も幅広い層に支持される。登場人物名に尼崎の地名などが使われるなど、同市ゆかりの作品としても有名。しかし、尼子さんが今年1月に脳梗塞を発症した影響もあり、今年いっぱいで連載を終え、単行本も今月30日発売の65巻で区切りをつける。
尼子さんは「病気もあり、数多くの資料を管理するのが難しい。尼崎は自分が生まれ育った地で、かつて忍者がいたともいい、願ったりかなったり」と協定締結を喜んだ。資料は、原画やセル画をはじめ、アニメや映画の台本、史料に基づき復元した手裏剣などの忍者用具まであるという。
市は尼崎市総合文化センター(同市昭和通2)内の倉庫などで保管し、リストを作成。作品に使われる地名の土地にある施設や尼崎城で展示する。尼子さんは「尼崎に来る方に見てもらえたらうれしい」。稲村和美市長は「責任を感じる。展示の企画も尼子先生と一緒に練っていきたい」と話した。(大盛周平)