どの業界にもあることではあるとは思うのですが、
【知識がないと惜しみなく奪われる】のは世の常です。
少し前に話題に挙がっていた【血液クレンジング】という医療行為について、さまざまな報道をみて、あたまに浮かんだのがこのフレーズでした。
日本では、この血液クレンジングのように、あたかも最先端治療と思わせるように謳われているものや、薬ではないものに過度の希望を見い出している方がたくさんいらっしゃいます。
その価値観を否定はしませんが、しっかりとした知識を持ったうえで判断しないと、結果としてさまざまなものを惜しみなく奪われてしまうケースが多々あります。
自分のからだは自分である程度守る、これが基本です。
治療にあたっては、一人ひとりのかたに十分知識を持ってもらい、納得してもらわないとうまくいきません。
納得できない治療は続けることが難しくなります。
実際に医学書を患者さんにそのまま読んでもらい、解説をさせてもらい納得してもらいこともあります。
もちろん、独学で医学書を読んでも難しいと思いますが、自分のからだのことについては、実際その分野くらいはある程度の知識を持つべきなのではないかなと思います。
ただ、限界もあることなので、ある程度知識があり、話を聞きやすい医師を探しておくことが大切です。
(実際のところは、この【話を聞きやすい】という条件がなかなか難しいようですが)
医療の場合は、変な方向にいってしまうと健康とお金をどちらも搾り取られてしまいます。
医学的知識のある人間で、今回話題になった血液クレンジングを実際に受けた人はどれくらいいたのでしょうか。
もし、こういったものが良いものなら、診療ガイドラインにも載っているし、厚生労働省も認可している可能性が高いと思います。
保険適応ではない治療といわれると、自分は一旦考えてしまいます。
国が認めていない治療なのか・・・本当に効果があるのか?と。
ひとつの薬ができるまでには、動物実験からはじまり、何回もの研究を経て、効果が高く、合併症が少ないと認められたものだけが世に出てきます。
そうでないと、税金を使った保険適応の治療となることができません。
(根拠のない治療に税金はなかなか投入できません)
保険適応の薬や手術などについては、せっかく多くのデータの積み重ねがあるのですから、使わないのはもったいないことです。医療はギャンブルではないので。
惜しみなく奪われる前に、知識で自己防衛する。ひとりで難しければ、専門家を見つけたほうがいいと思います。
(そのために専門医制度がある・・はずです)
専門医はやはりどんなものでも、取得するまでには一苦労あります。
ある程度しっかりした研修期間があるか、試験での点数はどうか、専門家から推薦があるか、その専門分野での論文作成・学会発表歴がどれくらいあるのか・・など、これらをクリアして専門医になっています。
今回の【知識がないと惜しみなく奪われる】という話はは医療に限らず、どの分野(不動産・株式への投資など)でも当てはまることなんでしょうけど、自分も気をつけたいポイントです。
以下、総合内科専門医名簿を再掲します。クリニック選びの際に参考にすべき貴重な資料の一つと考えます。
かぜくらいならどこでも一緒、ではないのです。是非参考にしてください。
※総合内科専門医名簿