最先端技術より、昆虫から学べることもある。東大教授が実践した「発想の転換」とは
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苦手な人には嫌われてしまうことも多い、昆虫。しかし彼らには、数億年かけて発達した驚くべき能力があるのをご存知でしょうか。
IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)にて、昆虫の秘密を解明し人間の生活に役立てようというプロジェクトが紹介されていました。
一度匂いを嗅ぐだけで、何km先でもたどり着く。その驚くべき能力とは
インタビューに登場していたのは、東京大学先端科学技術研究センター所長の神崎亮平教授。同チームは、昆虫が持つ特殊な能力を実証し、新しい価値を見つけ出しました。
研究の対象となったのは、特定の匂いに反応する「カイコガ」という蛾。オスのカイコガは、メスのフェロモンの匂いを一度嗅いだだけで、何km離れていてもたどり着けるという特性を持っています。
カイコガの能力を測定するため、教授らはカイコガ自身が操縦できるロボットを開発。ボールやモーターを組み合わせ、空を飛べない状態でも匂いの元にたどり着けるかという実験を行ないました。
結果、カイコガは見事ロボットの乗りこなしに成功。それどころか、意図的に細工したロボットでも、自ら動きを補正しながら匂いの源にたどり着いたそう。この驚くべき能力には、世界中の研究者が驚嘆しました。
期待される「警察昆虫」「センサー細胞」。先端技術センター所長がなぜ「昆虫」を研究したのか
こうしたカイコガの特長が、われわれの生活にどう役立つのでしょうか。神埼教授は「警察昆虫」、そして「センサー細胞」という言葉を挙げ説明してくれています。
「警察昆虫」とは、特定の匂いに反応する能力を応用することで、例えば、被災地で生き埋めになってしまった方の救出、空港での違法薬物の検出などに昆虫を活用できる可能性を指します。
「センサー細胞」は、昆虫が持つ「匂い検出の細胞」を利用すること。研究を進めることで、昆虫そのものがいなくても、匂いに反応して光る仕組みなどを構築できるそうです。
昆虫の研究によって、偉大な発見をした神崎教授のチーム。その成功の裏には、ちょっとした発想の転換がありました。
現代は、AIやIoTといった先端技術がますます進化しています。技術はより先鋭化し、演算を行なうコンピューターなどへの投資コストも無視できません。
その点教授らは、数億年かけて培われた昆虫の能力という別の角度で科学にアプローチし、大きな成果を挙げたのです。インタビューの中では、以下のように語っています。
これまで人が考えた方法ではなく、進化の中で獲得された生物知能を使って、われわれの課題解決に利用する工学があってよいと考えています。(中略)このような手法は、人にも環境にもより優しいものになると考えています。
最先端の現場にいながら、科学や技術のあり方にやや違和感を持ち始めているという神崎教授。
「アートやデザインといった、感性も取り入れたい」と語る今後の目標など、興味深いインタビューの続きは、Mugendai(無限大)よりお楽しみください。
Image: Mugendai(無限大)
Source: Mugendai(無限大)
渡邊徹則
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