ろ過、特に淡水のろ過についてシリーズにしようかと思います。
お金をかけたろ過やシステム、凝ったメディアを用いたものなど、昔から色々あるものです。
大半がアンモニアを硝酸塩までに酸化させる好気性のものですよね。有効な表面積や穴のサイズ、
耐久性や素材、pHなどの水質調節効果があるものなど、様々なうたい文句で発売されています。
魚種によって用途を決めて販売している業者も見られます。さて、そんなに違うものなのでしょうか?
ろ過はろ過。老廃物であるアンモニアを、微生物を使って速やかに酸化させる事が出来ればOKのはず。
何が一番いいのでしょうか?私の独断と偏見ですが、使いやすくて目的を果たしてくれれば良いので、
一番ではなく、間違っていなければ何でも良いと思います。
しかしこれでは投げやりなので、その必要な条件とは何かをここで検証してゆきたいと思います。
まずはろ過効率を見た場合、小さなスペースでろ過を出来れば、家庭用の水槽ではこれに
越した事はありません。表面積が広く、数ミクロンから200ミクロンほどのスペースがある構造に
なっていれば合格です。連続して色々な大きさの穴が続くような構造がよく言われますが、
表面積が体積に対して大きい構造であり、理にかなっています。少量でもバクテリアが
付着できるスペースが多く、立ち上がりも比較的早い部類です。しかしその反面、ゴミによる
目詰まりで機能が低下しやすい欠点もあります。ウールなどでゴミを濾すことで長持ちします。
逆に表面積が体積に対して小さいものはゴミの付着に強いと見ていいでしょう。
ドライタワーなどに入っているバイオボールがその典型ですが、これはバイオフィルム(生物膜)
が程よく付着して効果を発揮します。ある程度の量がいる事と、立ち上がるまで長い時間を
要しますが、安定した水質を長期間メンテ無しで得られる利点はあります。
さて、どちらを選んでも、スタイルが違うだけで効果などは一緒のはず。
あとは飼育生物が出す排泄物の量など、バイオロードで量を決めれば良い問題です。
しかし問題となるのは、この飼育生物が出す排泄物などのバイオロードです。これを良く
分からずにろ過を組んで見える方が実に多く居ると感じています。
ろ材をたくさん使う=水質安定 と思っている方が多いのかな・・・と思わずにいれません。
餌の約40-60%の窒素分は未消化物として魚から排泄されます。与えた餌の量を
重さに直してその餌の粗蛋白質量を考えれば、ある程度の窒素量(たんぱく質の約16%が窒素量)が
推測できます。それがろ過で分解されるべき量です。ちなみに生餌の粗たんぱく質は
重さの約20%ほどで良いでしょう。
(例)
5gの人工飼料(粗蛋白45%)を与えると、全ての餌が食べられたとして、Maxで216mg(Minで144mg)
が窒素態として放出されます。結果60cmの規格水槽(60L)でおおよそ2.4~3.6ppmとなるでしょうか。
多少乱暴な計算ですが、大雑把に考えるとこのくらいの窒素源に対応できるシステムを組めればOK。
人工飼料5gって、60cm水槽ではけっこうな量ですよ。
ビッグキャット約15-6粒ぶんで約5g。1粒で小赤1.8匹分ですから、肉食魚の幼魚を密飼いしなければ
だいたい大丈夫かと。
1週間に一度水を40-50%換えて、たまに溜まったヘドロなどを洗い流せれば硝酸塩値50ppm以下
への対応ができます。
さて、それでは何リットルのろ材が要るでしょうか?立ち上がっているセラミックろ材であれば、
2Lも有れば十分なはずです。その理由は、また次。
さて、今日はコビトカイマンを載せておきます。おっかないですねー。