糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

11月25日の「今日のダーリン」

・日曜は、「ほぼ日」の三度目の株主ミーティングだった。
 午後からはじめて、暗くなる6時半くらいまで。
 濱口秀司さんの講演で幕を開けるという豪華さで、
 その次には「ほぼ日の学校」の特別授業として、
 『ちはやふる』の末次由紀さんと、「たられば」さん
 「百人一首」をテーマにした公開対談をしてくれた。
 その後に、いわゆる正式な「株主総会」があって、
 総会の終了後に「なんでも質問会」というプログラム。
 ほぼ日グッズの買い物や、展示などもあるので、
 休憩時間もたぶんたのしんでもらえたと思う。
 ご家族の同伴もどうぞ、ということもあって、
 ずっと和気あいあいの雰囲気が漂っていた。

 あらためて会社としての「ほぼ日」のことを、
 たくさんの株主にわかっていただく機会でもあるし、
 この1年のじぶんたちのやってきたことや、
 この先、どこを見ながら進むのかを伝える場だから、
 たのしくやるつもりでも、緊張感はある。
 無事に終えて、ぼくだけかもしれないけれど、
 よっぽどうれしかったのかな、
 ちょっとほろ酔いのような気分になった。

 とにかく、500人近く集まってくれた株主の方が、
 真剣さと暖かさとを漂わせてくれて、
 ゲストの方々も、とてもうれしかったと言ってくれた。
 もちろん、ぼくも「ほぼ日」のみんなも感じてました。
 株式市場とか、株式とかいうと、どことなく
 殺伐としたムードを感じるという人もいるけれど、
 この場にいたらそういうものじゃないとわかると思う。

 ぼくには、株というものについて、
 「こうなったらいいな」というひとつの思い出がある。
 京都の小さな旅館のおばあちゃん女将が、
 大昔、芸者さんだった時代に、おつきあいのように
 小さい会社だった任天堂の株を持ったのだという。
 「そのまんまにしてましたんやけど、いつのまにか、
 大きゅうならはってなぁ」と、くすくすっと笑った。
 その場にいたみんなが、すごいすごいと言っていたが、
 「わたしはなぁんもしてへんのになぁ」と。
 会社のほうも、ただ経営をがんばっただけですよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いい人たちに出会って、ますますがんばる気になりました。